フィンシア(FNSA/旧LINK・LN)は、メッセンジャーアプリ“LINE”を提供しているLINEグループが独自に発行した仮想通貨(暗号資産)だ。
元々、LINK(リンク/LN)という名前で親しまれていたが2023年上旬に名称が変更された。
2022年3月から、LINEのモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」において、オンライン加盟店での支払いに使えるようになるなど、徐々に活躍の場を広げている。
今回は、そんなフィンシアの特徴やこれまでの価格動向、今後の見通しなどを解説していく。
- Finschiaは、2018年にLINEグループがローンチした仮想通貨
- LINE Blockchainの基軸通貨であり、LINE PayやLINE NFTなどで決済に利用できる
- 2022年に入ってから、海外市場でのFinschiaの取り扱いが増えてきている
- LINE Blockchainではエコシステム拡大に向けて、DApps(分散型アプリ)の開発が進められている
※KLAYは現在フィンシア(FNSA)と統合し、新たにカイア(KAIA)という通貨が発行されています。
国内でKAIAを取り扱っているのは、LINEグループ傘下の仮想通貨取引所であるLINE BITMAXだ。
興味がある方は、この機会にLINE BITMAX公式サイトもチェックしておくとよいだろう。
クレイトン(KLAY)がフィンシア(FNSA)と統合しカイア(KAIA)が誕生
フィンシア(Finschia)とクレイトン(Klaytn)が協力して進めてきた新ブロックチェーン「カイア(Kaia)」のメインネットが、ついにローンチされた。
2024年1月16日には、両財団がそれぞれのガバナンスメンバーへブロックチェーン統合に関する提案を提示。その後、ガバナンスメンバーによる投票が行われ、2月15日に最終的な承認を受けた。
この統合により、フィンシアのネイティブトークン「FNSA」とクレイトンの「KLAY」は、新トークン「KAIA」へと変わった形だ。
また、統合後のチェーンはCosmWasm(コズモワズム)とEVM(イーサリアムバーチャルマシン)の両方に対応する設計であり、フィンシアはCosmWasm、クレイトンはEVMを現在サポートしている。
両仮想マシンに対応することで、コスモス(Cosmos)とイーサリアム(Ethereum)の開発者が互いのエコシステムにアクセス可能となり、両方の技術的メリットを活用しながら、エコシステム間の相互運用性が高まるとされている。
仮想通貨フィンシア(FNSA/旧LINK・LN)とは?
名称 | Finschia(フィンシア) (旧LINK, LN) |
ティッカーシンボル | FNSA |
発行元 | LINE TECH PLUS PTE. LTD. |
発行開始 | 2018年9月 |
総発行数量 | 10億FNSA |
取り扱いがある仮想通貨取引所 | LINE BITMAX |
※KLAYは現在フィンシア(FNSA)と統合し、新たにカイア(KAIA)という通貨が発行されています。
仮想通貨フィンシア(FNSA/旧LINK・LN)は、メッセンジャーアプリ“LINE”を手がけるLINEグループ傘下の企業、LINE TECH PLUS PTE. LTD.が発行している仮想通貨だ。
また、LINEグループが独自に開発したプライベートブロックチェーン「LINE Blockchain」の基軸通貨となっている。
プライベートブロックチェーンとは、特定の管理者が存在して、ユーザーも限定されているブロックチェーンのことを指す。
透明性は乏しいものの、プライバシーは確保しやすいという利点がある。
そして、取引の情報をブロックチェーンに記録する際にマイニングなどの仕組みを必要としないため、利用時にネットワーク手数料(ガス代)がかからない。
ちなみに、イーサリアムやSolanaなど主要なブロックチェーンの多くは、中央集権的な管理者が存在せず、だれでも参加できるパブリックブロックチェーンとなっている。
FNSAは現在KLAYと統合されてKAIAという通貨になっているが、LINEグループ傘下の仮想通貨取引所「LINE BITMAX」で扱っている
仮想通貨フィンシア(FNSA/旧LINK・LN)の特徴
仮想通貨Finschiaの主な特徴は、以下のとおりだ。
- LINEトークンエコノミーのための通貨である
- LINE NFTでの支払いに使える
- 仮想通貨LINK(LN)からリブランディングされた
LINEトークンエコノミーのための通貨である
LINEは、LINE Blockchainを活用して、各種サービスとユーザーの関係をよりフラットにし、ともに成長していける新しい経済圏「LINEトークンエコノミー」の実現を目指している。
そのLINEトークンエコノミーにおいて、Finschiaはサービス利用時や買い物などの決済で使用できるほか、エコシステムに貢献したユーザーへのインセンティブとしても用いられる。
ユーザーの貢献によりエコシステムが成長していき、成長とともに高まるFinschiaの需要に対し、インセンティブの仕組みでFinschiaを供給する設計となっている。
LINE NFTでの支払いに使える
LINEトークンエコノミーは、基軸通貨である「Finschia」、仮想通貨取引所の「LINE BITMAX」、そしてNFTマーケットプレイスの「LINE NFT」を、エコシステムを支える3つの柱としている。
LINE NFTは、IP(知的財産)ホルダーがLINE Blockchain基盤のNFTを発行・販売できるほか、ユーザー同士の二次販売までワンストップでできるプラットフォームだ。
アニメやキャラクター、アーティストなどの幅広いジャンルのNFTが揃っており、その中の一部のNFTは、Finschiaで購入することができる。
NFTについて詳しく知りたい方は以下記事もぜひ参照しておこう。
仮想通貨LINK(LN)からリブランディングされた
先述の通り、仮想通貨フィンシアは、元々仮想通貨リンク(LINK・LN)という名前で親しまれていた。しかし、2023年上旬にフィンシアへとリブランディング(名称変更)されることとなった。
今回の名称変更は、フィンシアの基盤となっているLINEブロックチェーンのメインネット統合を受けて実施されたとのことである。
リブランディングされる銘柄はあまり多くないので、今後の動向に注目が集まっている。
仮想通貨フィンシア(FNSA/旧LINK・LN)の価格動向
ここで、Finschiaのこれまでの価格動向を確認しておこう。
2020年1月以降の価格動向
まずは、2020年1月からの長期的な価格動向を、FNSA/JPYチャートで振り返っていこう。
FNSAは2020年中には目ぼしい値動きがなかったが、2021年に入ると大きく高騰している。
この高騰はコロナ禍における大規模な金融緩和によって、仮想通貨市場全体が金余り相場(過剰流動性相場)となったことに起因しており、FNSAだけでなく主要な銘柄は同時期に軒並み高騰している。
ただ、金融緩和などの影響でインフレが進むと、今度は世界各国が金融引き締めのフェーズに突入し、2021年末から現在まで下落基調が続いている。
統合後のKAIA価格動向
現在、FNSAはKLAYと統合しKAIAという通貨が発行されている。
ここでは統合後のKAIA価格動向を見ていこう。
KAIAはKLAYとFNSAが統合して誕生した通貨だ。2024年10月末に発行された当初は大きく上昇していた。
しかし、その後は2024年11月現在まで下落過程にある。
ただし、ボラティリティ自体はそれほど大きなものではない。大きく下落しているように見えるが、2024年10月末には0.150ドルで現在は0.11ドルと小幅な推移となっている。
現在は仮想通貨市場全体での上昇が見られているため、今後押し目を付けて上昇できるかが重要だ。
今後の復調に期待するならば、今の内にLINE BITMAXでKAIAを購入しておいて、長期目線で保有してみるのも1つの戦略と言えるだろう。
仮想通貨フィンシア(FNSA/旧LINK・LN)を購入できる取引所
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所) 信用取引(販売所) |
取り扱う仮想通貨 | 7種類 BTC、ETH、XRP、BCH、LTC、KAIA、XLM |
最小取引数量 | 現物取引:取り扱い銘柄すべて1円相当額 信用取引:0.0001BTC 他 |
取引手数料 | 現物取引:無料、スプレッドあり 信用取引: 〃 |
日本円の入金手数料 | LINE Payでの入金:無料 振込入金:無料(振込手数料は自己負担) |
日本円の出金手数料 | 方法に応じて、110円または400円(税込) |
仮想通貨の送金手数料 | 通貨ごとで異なる |
その他のサービス | 暗号資産貸し出しサービス マネーフォワードME連携機能 |
公式サイト | LINE BITMAX公式サイト |
関連記事 | LINE BITMAXの評判・口コミ |
前述のとおり、国内でFinschiaを購入できるのは、LINEグループ傘下の仮想通貨取引所「LINE BITMAX」だけだ。
LINE BITMAXでは、Finschiaを含む7種類の仮想通貨を取り扱っており、いずれも1円から投資できるので初心者の利用にも適している。
また、仮想通貨取引のサービスだけでなく、保有している仮想通貨を貸し出して、貸借料を得られるレンディングサービスも手がけており、長期保有して遊ばせている仮想通貨があれば、貸し出してより効率よく運用することもできる。
貸借料の利回りは、預け入れる銘柄とプランによって異なるのだが、特にFinschiaを貸し出すプラン*は利回りがよく、年換算で8~12%のリターンを得ることが可能だ。*借り受け額には上限があり、タイミングによっては貸し出しを受け付けていない場合もある
※KLAYは現在フィンシア(FNSA)と統合し、新たにカイア(KAIA)という通貨が発行されています。
仮想通貨フィンシア(FNSA/旧LINK・LN)の購入方法
続いて、LINE BITMAXでのFinschiaの購入方法を解説しておく。
- LINEアプリ内でLINE BITMAXにアクセスする
- LINE BITMAXの口座を開設する
- 取引口座に購入資金を入金する
- 購入金額を決めて購入する
LINEアプリ内でLINE BITMAXにアクセスする
LINE BITMAXには専用の取引ツールがなく、口座開設から取引までLINEアプリ内で完結するようになっている。
そこで、まずは口座開設を申し込むために、LINEアプリ内でLINE BITMAXにアクセスしよう。
LINEアプリにログインして、下部メニューバーにある「ウォレット」をタップすると、ウォレットのサービス一覧が表示される。
その中にLINE BITMAXのボタンがあるので、それをタップするとLINE BITMAXにアクセスできる。
ちなみに、LINE BITMAXの口座開設は、他の多くの仮想通貨取引所と違い、Webサイトから申し込むことができない。
もしも、パソコンなどでLINE BITMAX公式サイトにアクセスしていた場合は、サイト内に表示されているQRコードをスマホのカメラで読み込んで、LINEアプリ内にあるLINE BITMAXに移動しよう。
LINE BITMAXの口座を開設する
LINE BITMAXにアクセスしたら、次はトップ画面にある「口座開設に進む」をタップしよう。
口座開設申し込みの流れは、以下の3ステップとなっている。
- 利用規約等への同意
- 基本情報の入力
- 本人確認書類の提出
申し込み後、通常は即日~3日で審査が完了して、口座が開設される。
取引口座に購入資金を入金する
口座を開設したら、続いてその口座にFinschiaの購入資金を入金しよう。
LINE BITMAXの場合、入金方法は「LINE Payから入金」と「銀行口座から振込入金」の2種類が用意されている。
どちらもLINE BITMAX側から手数料を徴収されることはないが、振込入金の場合は、銀行などの金融機関でかかる振込手数料を自分で負担しなければならない。
そのため、LINE Payを使っている方であれば、振込で入金するよりもLINE Payから入金することをおすすめする。
購入金額を決めて購入する
口座に購入資金を用意できたら、いよいよFinschiaを購入してみよう。
Finschiaの取引画面で「買う」ボタンをタップすると、購入金額の設定画面が表示される。
そこで日本円での購入金額を決めて「買う」をタップすれば、取引内容を確認したのち購入手続きが実行される。
ちなみに、LINE BITMAXには成行注文だけでなく、売買の価格、売買する数量・金額、注文の有効期限を事前に設定しておいて、設定した価格に到達すると自動で注文を執行してくれる「予約注文機能」も備わっている。
より有利なレートまで引き付けてからFinschiaを購入したい場合は、予約注文を使ってみるとよいだろう。
以上、LINE BITMAXでのFinschiaの購入方法を紹介した。
LINEアプリ内で、口座開設から取引まで手軽にできるようになっているので、興味を持った方はこの機会にLINE BITMAXの利用を検討してみてはいかがだろうか。
仮想通貨フィンシア(FNSA/旧LINK・LN)の今後の見通し・将来性
最後に、Finschiaの将来性について考察してみよう。
- LINEトークンエコノミー拡大のための開発が進められている
- STEPNなどのDAppsが、LINE Blockchain上で利用できるようになる
- 海外市場での取り扱いが増えてきている
LINEトークンエコノミー拡大のための開発が進められている
ホワイトペーパー記載のロードマップによると、LINE Blockchainは次の3つのフェーズに分けて、開発が進められている。
フェーズ1::LINE Network
LINEのサービスを中心とした、LINE Blockchainエコシステム基盤の整備
フェーズ2:Alliance Network
複数の開発企業とのアライアンスにより、LINE Blockchainを基盤としたDAppsの構築
フェーズ3:Open Network
ネットワークへの参加形態を多角化し、エコシステムを拡張
具体的なスケジュールは示されていないが、LINE NFTやLINE Blockchain Walletといったエコシステムの基盤となるサービスの整備が進み、徐々にDAppsがリリースされ始めていることから、現在はフェーズ2の段階にあると言えるだろう。
LINEアプリの月間アクティブユーザー数は9,500万人を超えており、LINEトークンエコノミーはその多くのユーザーを引き込める潜在的なポテンシャルがあることから、今後の開発の動向に要注目だ。
STEPNなどのDAppsが、LINE Blockchain上で利用できるようになる
STEPN(ステップン)は、運動して仮想通貨を稼ぐことができるMove to Earnのブロックチェーンゲームの1つで、日本でも高い人気を誇る。
現状はイーサリアム、Solana、BNBチェーンの3つのブロックチェーン上で稼働しているが、2022年8月にLINE Xenesis株式会社から、LINE Blockchain上でもSTEPNの開発がおこなわれることが発表された。
STEPNに限らず、人気が出ることを期待できるDAppsが、LINE Blockchain上で利用できるようになれば、おのずとLINEトークンエコノミーが拡大して、Finschiaの価格にもポジティブな影響を及ぼすかもしれない。
海外市場での取り扱いが増えてきている
Finschiaは2018年9月に発行されて以降、取り扱う仮想通貨取引所が長らく限られていたが、2022年8月にMEXC Global、9月末にはGate.ioへの上場を果たして、海外での上場先が少しずつ増えている。
上場先が増えれば当然ながら、Finschiaの保有者が増加しやすくなり、流動性の安定につながっていく。
また、新しい上場先で取引されることにより、CoinMarketCapといった仮想通貨のデータアグリゲーター(データを収集・整理し、そのデータを配信する業者あるいはサービス)による時価総額ランキングが上がっていけば、それを見てFinschiaに投資対象としての関心を持つ者も増えていくことだろう。
仮想通貨フィンシア(FNSA/旧LINK・LN)の予想まとめ
今回は、仮想通貨Finschiaについて、その特徴や今後の見通しなどを解説した。
- Finschiaは、LINEグループが独自に発行した仮想通貨
- LINE Blockchainの基軸通貨で、LINEトークンエコノミーを支えるためにつくられた
- LINE PayやLINE NFTでの支払いに使うことができる
- LINE Blockchainでは、STEPNなどさまざまなDAppsの開発が進められている
- 2024年にKLAYとのチェーン統合している
Finschiaは、LINEグループが開発した独自のブロックチェーン「LINE Blockchain」の基軸通貨である。
LINEアプリは多数のアクティブユーザーを抱えており、LINE Blockchainとそれを基盤に形成されるLINEトークンエコノミーには、潜在的にユーザーを増やせるポテンシャルがあると言えるだろう。
そして、LINE Blockchain上で、活発にDAppsの開発が進められていることから、その将来性に期待が寄せられていることもわかる。
なお、今後はKLAYとのチェーン統合も予定されているので、続報を見ながら取引するかどうかを検討してみてほしい。
この記事を通してFinschiaに興味を持った方は、国内唯一の上場先であるLINE BITMAXで口座を開設して、実際にFinschiaに触れてみてはいかがだろうか。