トロンは、分散型のプラットフォームである「TRONプラットフォーム」の基軸通貨だ。
日本では、2021年3月から仮想通貨(暗号資産)市場で流通するようになり、徐々に取り扱う仮想通貨取引所が増えてきている。
今回はそんなトロンについて、特徴やこれまでの値動き、今後の見通しなどを解説していく。
- トロンは、トロン財団が開発したTRONプラットフォームの基軸通貨
- TRONのブロックチェーンではDApps(分散型アプリ)や独自トークンの開発ができる
- トロン財団は2022年7月に解散しており、現在はDAO(分散型自律組織)によって運営・管理されている
- 2017年から10年に渡るロードマップに基づいて、アップデートが進められている
トロンを取り扱う仮想通貨取引所はいくつかあるが、その中でもBitPointは取引ツールの性能が高く、少額からトロンの購入が可能な取引所だ。
口座開設は無料でできるので、トロンに関心がある方はBitPointの公式サイトを覗いてみるとよいだろう。
トロン(TRX、TRON)とは?
名称 | トロン |
ティッカーシンボル | TRX |
発行開始 | 2017年8月 |
発行元 | トロン財団 (現在はトロンDAOが運営・管理) |
コンセンサスアルゴリズム | トロン・プルーフ・オブ・ステーク |
価格* | ¥29.20 |
時価総額ランキング | 9位 |
取り扱いのある主な仮想通貨取引所 |
BITPOINT BitTrade |
トロンは、仮想通貨関連の実業家であるジャスティン・サン氏率いるトロン財団が、2017年8月にローンチした仮想通貨だ。
また、トロン財団が開発した分散型(非中央集権型)のプラットフォーム、「TRONプラットフォーム」の基軸通貨となっている。
プラットフォームの高い需要と将来性を見込めることから、投資対象としての人気も上々で、時価総額ランキングでは本記事更新時点で10位*につける。*2024年11月13日時点、CoinMarketCap調べ
国内では、2021年3月にBITPOINTで国内初上場を果たしたのを皮切りに、DMM BitcoinやBitTradeなど、少しずつトロンを取り扱う仮想通貨取引所が増えてきている。
興味がある方は、まずBitPointの公式サイトをチェックしてみてほしい。
トロン(TRX、TRON)の特徴
仮想通貨トロン、およびその基盤であるTRONプラットフォームには、次のような特徴がある。
- エンタメ系のサービスを重視したプラットフォームである
- 独自のコンセンサスアルゴリズムを採用している
- DAOが運営・管理している
エンタメ系のサービスを重視したプラットフォームである
TRONプラットフォームは、動画や音楽サービスでの利用に長けたプラットフォームだ。現在の主流である広告から収入を得る収益モデルではなく、クリエイターが作成するコンテンツに利益が直接還元される仕組みの普及を目指している。
TRONプラットフォーム内において、仮想通貨トロンは決済や投げ銭の手段として用いられる。
なお、TRONプラットフォームはあくまでエンタメ分野に強いだけで、特化しているわけではない。
他のDAppsの開発プラットフォームとなっているブロックチェーンと同じように、TRONを基盤にしたDeFi(分散型金融)プロトコルや、ブロックチェーンゲームが数多く存在する。
独自のコンセンサスアルゴリズムを採用している
TRONでは、ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムに、独自に考案された「トロン・プルーフ・オブ・ステーク(TPoS)」が採用されている。
コンセンサスアルゴリズムは、ブロックチェーンに取引などの記録を保存する際に必要な合意形成のためのアルゴリズムを指す。
ブロックチェーンごとに異なっており、例えばビットコインではプルーフ・オブ・ワーク(PoW)、イーサリアムの場合はプルーフ・オブ・ステーク(PoS)が採用されている。
ベースとなっているのは「デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク(DPoS)」であり、トロンの保有者に対して投票権が割り当てられ、投票によってブロックの承認者が決まる。
資産を多く持つ者がブロックの承認者に選ばれるPoSと違うのは、投票での委任をおこなうことで寡占化のリスクが少ないこと。複数のネットワーク参加者に委任できる仕組みから、処理スピードにも定評がある。
また、委任相手がブロックの承認者となった場合、委任をしたトロンの保有者にも、ステーキング(対象の仮想通貨を保有するだけで利益を得られる仕組み)報酬が分配される。
DAOが運営・管理している
トロンはもともと、ジャスティン・サン氏率いるトロン財団が運営・管理を主導していた。
しかし、トロンのコミュニティが成熟してきたことから、2022年7月にトロン財団は解散することに。現在は中央集権的な組織が置かれず、トロンDAOによって、より民主的な運営・管理がおこなわれている。
余談だが、トロン創設者のジャスティン・サン氏は、トロン財団のCEOを退いたのち、WTO(世界貿易機構)の常駐代表に任命され、仮想通貨・ブロックチェーン業界の発展などに尽力している。
トロン(TRX、TRON)の価格動向
ここで、トロンのこれまでの価格動向を確認しておこう。
過去6年間の価格動向
まずは過去6年間(2018年~2024年11月)の値動きを、TRX/USDチャートでおさらいしてみよう。
2017年8月にローンチされたトロンは、2017年末から2018年初頭にかけてのいわゆる“ビットコインバブル”で、他の主要な銘柄と同じく大きく価格が高騰している。
しかし、バブルが崩壊するとわずかな期間で急落してしまい、2019年~2020年にかけては目ぼしい動きも見られなかった。
2021年に入ると、コロナ禍での経済活動を支えるため、世界的に金融緩和がおこなわれ、それによって生じた資金が仮想通貨市場へと流入してくる。
その結果、トロンも2021年1月から10月末頃まで上場基調が続くのだが、2021年末頃から、今度は世界各国がコロナ禍で緩めていた金融政策を引き締めていく方向に舵を切ると、トロンを含めて仮想通貨市場全体が停滞していくこととなった。
対ドルで見ると、下落基調になってから0.058ドル付近で幾度も買い支えられており、2023年から明確な復調の兆しを見せている。
直近の価格動向
次に、2024年1月から11月までの直近の短期的な価格動向も見てみよう。
この約1年の値動きを見ると、対ドルでのトロンの価格は、2024年1月から上昇基調となっている。
2024年1月~3月はビットコインを含む仮想通貨全体が上昇傾向にあるが、トロンにも追い風となって価格上昇を後押しした形だ。
特に2024年2月以降は、ビットコインの現物ETF承認期待が高まったことで連動した上昇を見せている。
しかし、3月以降はビットコインを含む仮想通貨全体で下落基調にあり、トロンの方も徐々に上昇過程からの反発していた。
2024年11月現在は、トロンブロックチェーンが1400億円相当のUSDT追加発行しミームコイン取引で再注目されていることや、米SECとのトロンの証券性めぐる裁判でとトロン側に有利な状況になったことが上昇に影響している。
また、2024年11月5日の米大統領選で仮想通貨に友好的な姿勢を示すドナルド・トランプ氏が勝利したことで仮想通貨市場全体が上昇しており、TRXも直近では大きく上昇した。
現在は時価総額ランキング10位台に付けている注目の通貨だ。
トロン(TRX、TRON)を購入できる取引所
2021年3月にBITPOINTで国内市場への初上場を果たしてから、トロンを購入できる国内の仮想通貨取引所は徐々に増えてきているのだが、ここではその中から1社をピックアップして紹介する。
BITPOINT
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) |
取り扱い銘柄数 | 25種類 |
最小取引数量 (トロンの場合) |
現物取引(販売所): 買い注文500円、売り注文0.000001TRX 現物取引(取引所): 0.01TRX |
取引手数料 (トロンの場合) |
現物取引(販売所):無料、スプレッドあり 現物取引(取引所):無料 |
仮想通貨の送金手数料 | 無料 |
その他のサービス | 貸して増やす(レンディングサービス) ステーキング |
公式サイト | BITPOINT公式サイト |
関連記事 | BITPOINTの評判・口コミ |
BITPOINTはトロンを国内で初めて取り扱った仮想通貨取引所だ。
トロン以外にも新しい銘柄の取り扱いに力を入れている。カルダノ(ADA)、ジャスミーコイン(JMY)、ディープコイン(DEP)の取り扱いを日本で最初に始めたのもBITPOINTである。
取引の形式は、BITPOINTとユーザーの間で取引をする「販売所」と、ユーザー同士で取引をする「取引所」(BITPOINTでの表記は「BITPOINT PRO」)があり、後者ではより割安な取引コストでトロンの売買が可能だ。
トロン(TRX、TRON)の購入方法
続いては、先ほど紹介したBitPointを例にして、トロンの購入方法を解説する。
- 仮想通貨取引所(BitPoint)の口座を開設する
- 口座に購入資金を入金する
- 取引ツールで値動きを分析する
- 購入数量を決めて注文を入れる
仮想通貨取引所(BitPoint)の口座を開設する
まずはBitPointの公式サイトにアクセスして、口座開設を申し込もう。
口座開設手続きは、以下の3つのステップとなっており、最短1時間で口座開設が完了する。
- メールアドレスと携帯番号を登録する
- パスワードの設定とSMS認証をおこなう
- 口座開設を申し込む
投資実績や資金量などに関係なく、18歳以上で日本に居住している方であれば、基本的に誰でも無料で口座をつくることができる。まだ口座をお持ちでない方は、この機会にBitPointの公式サイトをチェックしてみてはいかがだろうか。
口座に購入資金を入金する
口座開設が完了したら、次はその口座にトロンの購入資金を入金しよう。
BITPOINTは最低入金額の下限が設けられていないため、少額からの取引が可能だ。
取引ツールで値動きを分析する
購入資金を口座に振り込めば、トロンを購入するための準備は完了だ。
ただ、闇雲に購入すると思わぬ失敗をすることもあるため、準備が整ったらまずは落ち着いて、取引ツールに搭載されているチャートでトロンの値動きをチェックしよう。
BitPointの取引ツールは、非常に高性能なものになっている。表示する時間単位をティックから月足まで細かく切り替えられたり、描画ツールやテクニカル分析指標が豊富に揃っているため、値動きの細かな分析が可能だ。
購入数量を決めて注文を入れる
値動きをよく分析した上で購入のチャンスが来たら、いよいよ数量などを設定してトロンを購入しよう。
BitPointでは、成行注文だけでなく指値注文も行える。注文方法を駆使することで、より有利な価格で取引するための戦略の幅が広がる。
以上、トロンの購入方法を紹介した。
BitPointは取引ツールの性能が高く、少額からトロンの購入が可能な取引所だ。
これからトロンを購入しようと考えている方は、ぜひBitPointの利用を検討してみてはいかがだろうか。
トロン(TRX、TRON)の今後の見通し・将来性
最後に、トロンの将来性について考察してみよう。
- 長期的なロードマップに従って開発が進められている
- ネットワーク手数料収入の増加
- エンタメ以外の分野でもエコシステムの拡大を図っている
- さまざまな企業と提携をおこなっている
長期的なロードマップに従って開発が進められている
トロンは、多くのブロックチェーンのプロジェクトと違い、ローンチされた段階から以下のような10年に渡る長期的なロードマップが設定されている。
- Exodus(旅立ち)【2017年8月〜2018年12月】
- Odyssey(冒険) 【2019年1月〜2020年6月】
- Great Voyage(大航海)【2020年7月〜2021年7月】
- Apollo(アポロ)【2021年8月〜2023年3月】
- Star Trek(スタートレック)【2023年4月〜2025年9月】
- Eternity(永遠) 【2025年4月〜2027年9月】
このロードマップの中で現在はStar Trek(スタートレック)段階に当たる。
絵空事のようなロードマップを提示して、まともに開発が進まないブロックチェーンのプロジェクトもある中、これまで堅実にアップデートがなされてきたことは、トロンの強みの1つと言えるだろう。
また、ロードマップによると、今後はブロックチェーンゲームの分野で、開発に必要な資金調達の仕組みが用意されるなど、よりよい開発環境の整備が進められていく見込みだ。
ネットワーク手数料収入の増加
2024年8月に入りトロンの価格が大きく上昇している。上昇の背景には、ネットワーク手数料収入の増加が影響していると考えて良いだろう。
トロンのブロックチェーンは、2024年8月にネットワーク手数料収入でイーサリアムを超えた。この背景には、ステーブルコインやミームコインの取引増加が大きく影響していると考えられている。
さらに、トロンの創設者であるジャスティン・サン氏は、ガス代がかからないステーブルコイン・ソリューションを開発中であると発表した。
この新しいソリューションは、ユーザーが無料でピアツーピアの取引を行えることを目指しており、2024年10~12月までに導入が予定されている。
トロンのエコシステムだけでなく、イーサリアムや他のイーサリアム仮想マシン(EVM)互換のパブリックチェーンにも拡張される構想があるため、広範な影響を与える可能性がある。
トロンがこのような技術革新を続けることで、ブロックチェーン業界全体に新たな競争の波をもたらし、より多くのユーザーが仮想通貨を利用するきっかけとなる可能性がある。
エンタメ以外の分野でもエコシステムの拡大を図っている
前述のとおり、TRONプラットフォームはエンタメ以外のDAppsも開発できるプラットフォームであり、特に近年はDeFiの分野での躍進が目覚ましい。
次のグラフは、本記事更新時点(2024年11月)での、主要なブロックチェーン上のDeFiにおけるTVL(預かり資産)を表示したものだが、トロン上のDeFiのTVLはイーサリアムとソラナに次ぐ3番手の規模となっていることがわかる。
DeFiを含めてさまざまな分野で需要を拡大していけば、トロンの流動性もより安定したものになっていくことだろう。
さまざまな企業と提携をおこなっている
トロン財団は、韓国のテクノロジー企業であるサムスンや、ノルウェーのソフトウェア会社であるOperaなど、多くの大手企業と提携している。
すでに、サムスンのアプリストアでトロンのブロックチェーンを基盤にしたDAppsが取り扱われるなど、提携が実を結んでいる部分もある。今後も各企業との提携を活かしたトロンの発展が期待されている。
トロン(TRX、TRON)の予想まとめ
今回は仮想通貨トロンについて、特徴や今後の見通しなどを解説した。
- トロンは、分散型のプラットフォームである「TRONプラットフォーム」の基軸通貨
- TRONプラットフォームは、エンタメ系のサービスでの利用を重視している
- DeFiの開発も盛んであり、ブロックチェーン全体のTVLはイーサリアムに次ぐ
- 10年の長期に渡るロードマップに沿って、開発が進められている
トロンは、本記事更新時点で時価総額ランキング10位(CoinMarketCap調べ)に付けている人気の仮想通貨である。
トロンDAOのもとで、長期的なロードマップに沿った開発が日夜進められていることから、将来性にも期待できる。この記事を通して興味を持った方は、実際に仮想通貨取引所を通してトロンに触れてみてはいかがだろうか。
その際、おすすめしたい仮想通貨取引所はBitPointだ。操作性の高いプラットフォームから、少額で手軽にトロンの購入ができる。
トロンに興味がある方は、BitPointのことも合わせてチェックしておくとよいだろう。