NFT(非代替性トークン)には、デジタルアート、ゲームアセット、デジタルフォトなど、様々な種類が存在するが、その中の1つにデジタルトレーディングカードがある。
NFTの認知度が高まるにつれて、デジタルトレーディングカードのNFTでの市場も拡大しており、トータルの取引高が100億円を超えるような人気タイトルも登場し始めている。
今回は、そんなデジタルトレーディングカードのNFT(NFTトレカ)について、代表的なタイトルや売買方法などを解説していく。
- デジタルトレーディングカードのNFT(NFTトレカ)には、どういった特徴があるのか
- NFTトレカの、国内外で代表的なタイトル4選
- NFTマーケットプレイス「OpenSea」で、NFTトレカを売買する方法
OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスでデジタルトレーディングカードのNFTを購入するには、決済のためにイーサリアムなどの仮想通貨(暗号資産)が必要になる。
イーサリアムなどを用意するときは、500円から仮想通貨を購入できるコインチェックがおすすめだ。
口座開設は無料、オンラインで手軽に申し込めるので、ぜひこの機会にコインチェックの公式サイトをチェックしてほしい。
NFTのトレカとは?
従来のデジタルトレーディングカードというのは、あくまでもゲームの中だけに存在するものだった。
そのため、ゲーム内でカードを手に入れたり、他のプレイヤーのカードと交換したりすることはできても、ゲームの中からカードを持ち出すことはできなかった。さらに、オンラインゲームの場合はどんなに労力やコストをかけてレアなカードを手に入れたとしても、サービスが終了しまえばカードのデータは消失する。
しかし、NFT化されたデジタルトレーディングカード(以下、「NFTトレカ」)は、従来のデジタルカードとは仕組みが大きく異なっている。
ちなみに、NFT(非代替性トークン)とは、ブロックチェーンを基盤にして発行される、唯一無二の性質を持つデジタルデータのこと。
NFTトレカは、デジタルトレーディングカードをNFTとして発行することで、同じようにブロックチェーンを基盤につくられたカードゲームの外にもカードを持ち出せるようになった。
そのため、従来のデジタルトレーディングカードとは異なり、仮にゲームのサービスが終了してしまったとしても、NFTトレカはそのまま手元に残り、失われることがない。
また、唯一無二の性質を持つことで資産的な価値が生じ、ゲーム内外のNFTマーケットプレイスで仮想通貨や法定通貨を介した売買が活発におこなわれている。
なお、NFTトレカはカードゲームの中で使われるものだけでなく、単純にコレクション性にフォーカスしたものも数多く存在している。
NFTトレカの市場規模
ここでは、代表的なNFTトレカのタイトルを4つ、紹介しよう。
- Parallel(パラレル)
- Sorare(ソラーレ)
- ももクロNFTトレーディングカード
- CryptoSpells(クリプトスペルズ)
Parallel(パラレル)
名称 | Parallel(パラレル) |
リリース時期 | 2021年3月 |
基盤のブロックチェーン | イーサリアム |
トークンの規格 | ERC1155 |
最低販売価格(二次販売)* | 0.0024ETH |
Parallel(パラレル)は、イーサリアムチェーンを基盤にしたトレーディングカードゲームの1つ。
基本的なルールとしては40枚のカードでデッキを組み、他のプレイヤーと対戦して先に相手のライフをゼロにすれば勝利という、比較的オーソドックスなゲームだ。
このゲームにおける「Parallel」とは種族のことを指し、5種類の種族のキャラクターを中心とした美麗な3Dアートがカード化されている。
NFTトレカの中でも突出した人気を誇っていて、Parallelの主要なマーケットのOpenSeaでは、本記事執筆時点(2022年9月下旬)におけるトレーディングカード部門の取引高ランキングで、堂々のトップに立っている。
OpenSeaでのこれまでの総取引高は7万2,000ETHとなっており、記事執筆時点のイーサリアム/円の価格で換算すると、約133億7,500万円に上っている。
Sorare(ソラーレ)
名称 | Sorare(ソラーレ) |
リリース時期 | 2019年7月 |
基盤のブロックチェーン | イーサリアム |
トークンの規格 | ERC721 |
最低販売価格(二次販売)* | 0.0038ETH |
Sorare(ソラーレ)は、OpenSeaにおけるトレーディングカード部門の売上高で、Parallelに次ぐ2位のトレーディングカードゲームだ。
本記事執筆時点におけるOpenSeaでの総取引高は5万ETHで、日本円に換算すると約92億9,300万円になる。
世界中の280を超えるクラブチームから公認を受けてつくられた「Sorare:football」と、米メジャーリーグ全30チームの選手を収録した「Sorare:MLB」があり、いずれも実在するプロサッカー選手とメジャーリーガーがカードデザインに用いられている。
さらに、将来的には米NBAのプロバスケットボール選手を用いた「Sorare:NBA」もリリースされる見通しだ。
ももクロNFTトレーディングカード
名称 | ももクロNFTトレーディングカード |
リリース時期 | 2021年10月 |
基盤のブロックチェーン | イーサリアム |
トークンの規格 | ERC721 |
最低販売価格(二次販売)* | 0.005ETH |
ももくろNFTトレーディングカードは、その名のとおり、日本のアイドルグループ「ももいろクローバーZ」がカードデザインに用いられた、コレクション性がメインのNFTトレカだ。
株式会社CyberZが販売元で、2021年10月に第一弾として、トランプをモチーフに10周年記念の東京ドームLIVEの様子を映したNFTトレカが、1パック10枚セット、2,288パックの数量限定で販売された。
現在は、第一弾のNFTトレカがパック開封後のばら売り状態で、OpenSeaの二次流通に乗っている。
CryptoSpells(クリプトスペルズ)
名称 | CryptoSpells(クリプトスペルズ) |
初リリース時期 | 2019年6月 |
基盤のブロックチェーン | イーサリアム |
トークンの規格 | ERC721 |
最低販売価格(二次販売)* | 0.02ETH |
CryptoSpells(クリプトスペルズ)は、2019年6月にリリースされた、CryptoGames株式会社が運営する日本発のトレーディングカードゲーム。
集めたカードでデッキを組んで、他のプレイヤーと遊べるだけでなく、ゲーム内でカード発行権を手に入れて、オリジナルのカードを発行することもできる。
また、手に入れたカードはNFTコンバーターを通じ、MyCryptoHerosなどの他のブロックチェーンゲームで使用することも可能だ。
国内外で高い人気を集めていて、主な二次流通市場のOpenSeaでの総取引高は、本記事執筆時点で1,900ETH(約3億5,200万円)を記録している。
NFTトレカの売買方法
次に、NFTトレカの売買方法を紹介しよう。
ここではOpenSeaで二次取引がおこなわれている「ももクロNFTトレーディングカード」を例にしながら、購入方法を中心に紹介していく。
- 仮想通貨取引所でイーサリアムを購入する
- ウォレットを用意する
- OpenSeaとウォレットを接続する
- NFTトレカを購入する
仮想通貨取引所でイーサリアムを購入する
ももクロNFTトレカはNFTマーケットプレイスのOpenSeaで、イーサリアムを主な決済通貨とした二次取引がおこなわれている。
したがって、ももクロNFTトレカを購入する場合は、先に仮想通貨取引所でイーサリアムを調達(購入)する必要がある。
イーサリアムは仮想通貨市場の中でもメジャーな通貨なので、日本国内のほとんどの仮想通貨取引所で取り扱っているが、中でもおすすめはコインチェックだ。
コインチェックなら、イーサリアムを含むすべての仮想通貨を500円から購入することができるので、初心者の方でも手軽に取引することができるだろう。
また、コインチェック独自のマーケットプレイスもあるので、そちらでNFTを購入することも可能だ。
まだ口座をお持ちでない方は、この機会にコインチェックの公式サイトの利用を検討してみるとよいだろう。
ちなみに、NFTを取引する際に決済で使用できる仮想通貨は、NFTマーケットプレイスごと、もしくは出品されているアイテムごとに異なっている。
当然、イーサリアム以外の仮想通貨が決済通貨になっていることもあるので、気になるNFTトレカを見つけた場合は、そのNFTの決済通貨と販売価格、決済通貨を調達できる仮想通貨取引所を、先に確認しておくことが大切だ。
ウォレットを用意する
また、OpenSeaの利用には、仮想通貨のウォレットが必要不可欠だ。
OpenSeaは複数のウォレットに対応しているが、どれを使えばよいか迷ったときは、イーサリアムチェーン、BNBチェーンなどの様々なブロックチェーン上のサービスに対応している「MetaMask」を選んでおくといいだろう。
MetaMaskの入手方法については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてほしい。
そして、ウォレットが用意できたら、そのウォレットのアドレス宛てにイーサリアムを送金しておこう。
OpenSeaとウォレットを接続する
次に、OpenSeaとMetaMaskなどのウォレットを接続する作業をおこなう。
OpenSea公式サイトのトップページ右上にあるウォレットのアイコンをクリックすると、利用できるウォレットの一覧が表示される。
その中から自身が使用しているウォレットを選択すると、ウォレットが起動して接続の許可を求められるので、応じれば接続は完了だ。
NFTトレカを購入する
OpenSeaにウォレットを繋いで利用できる状態になったら、ほしいNFTトレカを選択して購入の手続きに進もう。
NFTの詳細画面で「Buy now」をクリックすると、購入の確認画面が立ち上がるので、確認したうえで「Complete Purchase」のボタンをクリックすれば購入手続きが実行される。
以上が、OpenSeaでのNFTトレカの購入方法だ。
また、OpenSeaで手に入れたNFTトレカは、いつでも自由に出品することができる。
自身が保有するNFTの中から売りたいアイテムを選択し、詳細画面で「Sell」ボタンをクリックすると、固定価格、もしくはオークション形式で出品の設定をおこなうことができる。
興味を持った方はぜひ、コインチェックなどの仮想通貨取引所で決済用の仮想通貨を調達して、NFTトレカの売買に参加してみてほしい。
なお、コインチェックについては「コインチェックの評判」の記事で詳しく解説しているので併せせて確認しておきたい。
NFTトレカのよくある質問
最後に、NFTトレカに関するよくある質問を3つ紹介する。
- ネットワーク手数料(ガス代)とは何か?
- NFTトレカは日本円でも買えるのか?
- NFTのロイヤリティとは何か?
ネットワーク手数料(ガス代)とは何か?
ネットワーク手数料(ガス代)とは、NFTなどの取引の内容をブロックチェーンに記録する際にかかる手数料のこと。
例えば、OpenSeaではNFTを購入するとき、購入オファーをキャンセルするときなどに、ネットワーク手数料の支払いを求められる。
NFTトレカは日本円でも買えるのか?
多くのNFTマーケットプレイスは、仮想通貨で決済する仕組みとなっている。
しかし、日本の企業が運営しているNFTマーケットプレイスの中には、日本円を使ってNFTを購入できるところもある。
例えば、楽天NFTにはNFTトレカの取り扱いがあり、日本円での決済に対応している。
NFTトレカの購入で仮想通貨を調達することに抵抗を感じる方は、こうした日本円での決済に対応している日本のNFTマーケットプレイスを利用してみるのもよいだろう。
NFTのロイヤリティとは何か?
NFTのロイヤリティとは、二次流通における売り上げの一部が、自動的にクリエイターへ還元される仕組みのこと。
例えば、先ほど紹介した「ももクロNFTトレーディングカード」には10%のロイヤリティが設定されており、保有しているももクロNFTトレーディングカードを販売すると、他のユーザーが購入したタイミングで売却価格の10%が自動的に差し引かれ、クリエイターに還元される。
NFTトレカのまとめ
今回は、デジタルトレーディングカードのNFT(NFTトレカ)の代表的なタイトルや、OpenSeaでの売買方法などを解説した。
- NFTの中には、デジタルトレーディングカードをNFT化したものもある
- 従来のデジタルトレーディングカードと違い、NFTトレカは半永久的に保有することができる
- NFTマーケットプレイスを通じて販売(二次販売)をおこなうことができ、利益を上げられる可能性も
- 人気カードゲーム「Parallel」のOpenSeaにおける総取引高は100億円を超える
ブロックチェーンを基盤にしたNFTトレカは、ゲームの中でしか存在価値のない従来のデジタルトレーディングカードとは東風なり、ゲームの外でも保有することが可能となり、資産的な価値を持っているためNFTマーケットプレイスで売買をこなうこともできる。
この記事を読んでNFTトレカに興味を持たれた方は、ぜひブロックチェーン上でカードゲームをプレイしたり、NFTマーケットプレイスで二次流通しているものを購入したりと、NFTトレカに実際に触れてみてはどうだろうか。
NFTトレカを購入する際、OpenSeaなどの多くのNFTマーケットプレイスでは、イーサリアムなどの仮想通貨が決済通貨として必要になる。
イーサリアムなどを調達するときは、500円から仮想通貨の取引ができるコインチェックがおすすめなので、NFTトレカに興味がある方は、コインチェックのことも併せてチェックしてほしい。