中学受験で塾に通う必要がある理由を解説

 塾は他の習い事に比べても費用がかかりますし、親のサポートも必要になります。

 そのため、「塾に通わないで受験を...」と考える方もいますが、中学受験をする上で通塾は必須であると考えるべきです。

志望校別の勉強のサポートをしてくれる

 難関校以上の中学を受験する場合、公立小の学習だけでは入試に対応できません。

 志望校の難易度に合わせたカリキュラムで学習を進めてくれることが、塾の強みです。

 定期的な実力判定テストで得意・苦手分野を分析し、適切に勉強のサポートをしてもらえます。

学校や受験についての詳しい情報を提供してくれる

 受験では、学力と同じくらい受験情報が大切になります。

 入試問題の傾向、面接の対策、受験までの見通し、願書の書き方、子どものサポートの仕方など、受験のプロだから分かる情報を提供してもらえるのは、大きなメリットです。

クラスメイトと勉強しモチベーションを高められる

 小学生の受験ではモチベーションを高めることが重要で、クラスメイトと切磋琢磨できる環境は学習環境として理想的です。

 競争原理を取り入れて、テストの順位で座席を決めているような塾もあり、向上心をもって学習に臨めるようになります。

中学受験で塾に通う前の親の準備とは?

中学受験の塾に悩む親の画像
出典: pixta

 中学受験は「親子の受験」ともいわれます。

 塾に入れても、受験疲れやモチベーションの低下、劣等感などが原因で退塾してしまう子どももいます。
そうならないためにも、しっかりと保護者がサポートする必要があります。

家の勉強を親がサポートする必要がある

 中学受験をするためには膨大な学習量が必要であり、塾の宿題や予習・復習、時間管理など、親のサポートが必須です。

 例えば、早稲田アカデミーは宿題の量が多いといわれている塾です。

 早稲田アカデミーは『予習シリーズ』(四谷大塚の教材)というメイン教材が宿題に出されることが多く、単元の予習が必要になることが時間がかかる理由のひとつです。

 通塾日数が多いことも、宿題の量が多くなる原因のひとつでしょう。

 また、SAPIXも、宿題が多いといわれている塾です。

 宿題がプリント中心に出されますので、適切に宿題の管理をしないと、単元の復習をするときに役立てることが難しくなってしまいます。

 宿題量が多いことに加えて、宿題プリントの管理もサポートが必要になるでしょう。

 また、馬渕教室も、宿題が多いといわれています。

 ただ、自習室で宿題の分からないところを質問することができるため、塾の先生にサポートしてもらいやすい環境にあります。

 時間管理をしたり、分からない所を教えてあげたり、時には実体験をさせてあげたりしましょう。
途中で挫折しないように、「勉強は楽しい」「やればできる」と思えるような精神的なサポートも大切
です。

子どもの健康状態に気をつける必要がある

 受験は、子どもにとって精神的にも肉体的にもストレスがかかります。

 生活リズムを整えたり、栄養のある食事を作ってあげたりして、健康管理をしてあげましょう。

子どものモチベーションに気をつける必要がある

 中学受験は子どものモチベーションを維持できるかが非常に大切です。

 短期的な目標を設定したり、肯定的な言葉かけをしたりするなどして、モチベーションの維持に努めましょう。

中学受験を行うメリットは?

中学受験の様子の画像
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 当然のことながら、中学校は義務教育です。

 受験をしなくても進学することができるのに、なぜ中学受験をするのでしょうか。

高校受験や大学受験で有利になる

 公立中学校よりも前倒しでカリキュラムが組まれていることが多く、早期に高校受験の対策を始められます。

 中高一貫校では、中学1年から高校2年までに中高6年間の学習を終わらせて、残りの期間は大学受験に備えるカリキュラムが組まれている学校もあります。

独自の教育や課外活動がある学校に通える

 英語教育、ICT教育、国際交流、校外学習、宗教教育、独自カリキュラムなど、各学校では特色のある教育を行っています。

 ハイレベルな授業を受けたり、他校ではできない体験や経験ができるのは大きな魅力です。

 以下に、特色のある教育を行っている学校の一部を掲載します。

特色のある教育を行っている学校

子どもが質の高い学生に質の高い学生に子どもが囲まれて生活できる

 子どもにとって生活環境はとても大切です。

「学習するのが当たり前」という環境で育てば、自然と勉学に励むことができますし、よい刺激を受けることでどんどん成長していくことができます。

中学受験で通う塾の選び方

 塾には、補習塾・進学塾、集団指導・個別指導、授業型・自立型など、カリキュラムやクラスの人数、指導方法によっていくつかの種類があります。
子どもに合った塾を選ぶことで、前向きに学習することができ、実力を伸ばしていくことができます。

子どもの学力に合う塾を選ぶ

 志望校が中堅校なのに最難関クラスに入るとついていけませんし、簡単すぎると志望校に合格する実力を身につけられません。

 大手塾では、学力や志望校別にクラスを編成していることがありますので、実力に合った塾やクラスに入りましょう。

行きたい学校の合格実績がある塾を選ぶ

 これから中学受験を考えている場合、子どもの実力が不透明であり、志望校も漠然とした希望であることが多いため、さまざまな合格実績を出している大手受験塾に入塾するのが一般的です。

 ただし、公立中高一貫校を目指す場合は、合格実績も大切になります。

 なぜなら、公立中高一貫校の入試は、「適性検査」という選抜方式をとっており、私立の受験とは異なる対応が必要になるからです。

 この場合、塾選びでは「適性検査」に対応したカリキュラムがある、大手以外の塾も選択肢に入ります。

 公立中高一貫対策で有名な塾としては、早稲田アカデミー、ena、四谷大塚、日能研、SAPIX、臨海セミナー、栄光ゼミナールなどがあります。

自分の家や学校からの通いやすい塾を選ぶ

 通塾に時間をかけるのは勿体無いですし、保護者にとっても送り迎えが負担になります。

 高学年になると夜まで授業をする塾もありますので、通塾時間や安全面に配慮しましょう。

「集団」と「個別」から塾を選ぶ

 集団指導なら、友達に刺激を受けながら勉強ができる、個別指導なら、自分のペースに合わせた学習ができるなど、それぞれにメリットがあります。

 ただし、これから入塾を考えている場合は、まずは集団指導塾を検討するべきです。

 その上で、「集団ではついていけない」などの場合には、個別塾個別指導塾を検討するのがよいでしょう。志望校に合わせた学習ができるか、子どもの性格に合っているかなどの観点で選びましょう。

中学受験の塾はいつから通うべきかまとめ

中学受験はいつから通うべきかの画像
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 いつから通うか迷ったら、新4年生(3年生の2月)をひとつの目安と考えてください。

 受験勉強に関して言えば高学年になってからではスタートが遅れてしまうこともあり、早めに塾に通うほうがよいですが、「受験疲れ」を起こさないためにも保護者のサポートは必須です。

「学習習慣を身につける」「受験勉強をするための基礎的な力をつけておく」などの意味では、早めに入塾することが受験に有利に働くことがあります。

 例えば、浜学園では、1年生から講座を開講しており、学習習慣をつけること、公開模試などの問題を解く力をつけること、学習への意欲を高めることなどを目標にしています。

 また、最難関校合格に向けて「最高レベル特訓算数」や「灘中合格特訓」のコース、飛び級制度を設けており、思考力育成や応用力・発展力の向上を目指して指導をしています。

「最高レベル特訓算数」や「灘中合格特訓」に入るためには、「浜学園で行われる公開テスト模試で上位の成績を収める」という条件があるため、この条件を満たすために早期に入塾する家庭も多いようです。

ただし、子どもの性格や能力によって入塾に適切なタイミングは異なるため、慎重に見極める必要があります。

監修:鈴木孝一氏のワンポイントアドバイス

 基本は新4年生(3年生の2月)から。ただしこれは、小学校での学習内容がしっかりと身についていて、学校のテストは全科目ほぼ満点しかとったことがない、という子どもに限ります。

 

 もしそうでない場合は、日本語力(国語力)の不足が疑われます。どの科目においても、問題文をきちんと理解できる、という力が必須だからです。小学1−3年生で毎回100点がとれていないようなら、新4年生よりももっと前からの通塾や何らかの対策が必須だと私は考えます。