桜蔭中学校について

 2024年、創立100周年を迎え、女子校としては東大合格者数で全国トップを独走し、医学部進学率の高さでも知られる女子御三家のひとつです。卒業生には医師、弁護士、官僚が多く、OGの交流も盛んです。「礼と学び」の心を大切にし、自立した女性の育成を目指す建学の精神があり、学ぶことで自らを高めようとする志を持つ生徒たちが集まります。

 学習面では各教科で基礎をしっかり固め、論理的な思考、豊かな感受性、創造し表現する力を養い、中学3年では自ら決めたテーマで研究論文を書き上げます。

 また、異性の目を気にせずに伸び伸びと過ごせる学校生活では、必修のクラブ活動も多彩です。例えば、評価の高い英語劇部やアーティスティックスイミングの技を取り入れたリズム水泳部をはじめ、文化祭でレストランを運営する料理部ほか茶道部や花道部、天文気象部にかるた部まで、実にバラエティー豊かにそろっているのも特徴です。

 制服には活動的なスラックス・ベストが新たに加わり、注目されています。(松井誠:TOMAS教務企画局 教務本部)

桜蔭中学校の基本情報
区分 私立
男女校種別 女子校
入試日 2/1
住所

〒113-0033

東京都文京区本郷1-5-25

アクセス

JR 水道橋駅より徒歩7分
地下鉄 三田線 水道橋駅より徒歩5分
地下鉄 丸の内線 大江戸線 本郷三丁目駅より徒歩8分
地下鉄 大江戸線  本郷三丁目駅より徒歩9分
地下鉄 丸の内線・南北線 後楽園駅より徒歩10分

※参照: 桜蔭中学校・高等学校のHP

桜蔭中学校の入試分析

国語の入試分析

傾向:質・量・スピード全てを要する難問

 例年、説明的文章・文学的文章の2題構成。漢字や語句以外は、50~250字程度の幅広い自由記述式問題が占めている。限られた時間で、本文を正確に読み取る力・深く思考する力・的確に説明する力が求められる、最高難度の問題である。

出題:短時間で的確に説明する力が必要

 本年は、大問1の記述が1問減った。ただし、比喩を読みかえ、足りない言葉を補って説明する割合が増えたので、昨年よりやや難化。大問2の問3は、広範囲の出来事を要約する問題のため、時間がかかる。この問題の時間配分が、合否を分けた。例年以上に、説明能力に力点が置かれている出題内容であった。

対策:本質を見抜く力と妥協なき言語化

 本校の問題では、大人並みの読解力が求められる。まずは文章の要点をつかむ訓練をしよう。それができたら文章の細部の一言一句も疎かにせず、比喩が何を意味しているか、行動からどんな気持ちが読み取れるか、言葉からどんな背景が考えられるか、問いかけて読む練習をしよう。そして読み取ったことを短時間で言語化できるよう、語彙を身につけ、的確に説明できるまで言葉を選び直して書く練習も行い、説明能力を高めていこう。

読解問題 頻出テーマ ベスト3

1位 文化と学問

2位 社会の仕組み

2位 友人

算数の入試分析

傾向:高い処理能力が必要

 本年度も昨年度と同様大問が4題であった。全体としての問題量に変化はない。頻出分野としては、図形・速さ・規則性などが挙げられ、特に図形に関しては移動や切断・構成など複雑なものも含まれている。全体的にどの問題に対しても高い処理能力が必要とされることが多い。

出題:素早く条件の把握を

 大問1は計算・場合の数・折り紙、大問2は場合の数・色の塗り分け、大問3は図形の移動、大問4は水量とグラフの出題であった。大問1(2)はかなり手間がかかる問題。大問2は条件が複雑なので手際よく処理すべき問題。大問4も条件が複雑で、素早く条件を把握し迅速に処理すべき問題であった。昨年度より難化。

対策:正確な処理能力の養成

 難問は多くはないが、処理に手間取る問題、作業量の多い問題が多い。日頃から問題文を正確に把握し、図や式、考え方を残し、どのようなプロセスで解いていくのがよいか試行錯誤する必要がある。基本知識・公式や考え方を押さえた上で、頻出問題である図形や速さについては、どう処理するのがよいかを常に意識して訓練する必要がある。規則性や数の性質などの分野でも、論理的に考え表現する訓練によって処理能力を高めることが大切。

算数 頻出テーマ ベスト3

1位 割合と比

2位 立体図形

3位 数の性質・規則性

社会の入試分析

傾向:基本且つ本質を問う問題

 大問3題構成で出題形式は例年と変わらず、短答式、選択式、短文記述の他、資料からの類推など多岐にわたる。基本知識を問う問題も多いが、テキストなどで直接ふれられていない事柄を問う問題も見られる。基本知識の正確な理解と論理的な考察力・判断力が求められる。

出題:広範な知識の正確な理解

 大問1で東京の水道の歴史や河川に関する問題、大問2で先住民族に関する問題および世界地理、大問3で税制に関する問題が出題された。各大問ともに分野別になっておらず、地歴公融合問題となっている。「地球沸騰化」など時事用語の出題もみられた。記述では基本知識を前提に論理的に類推することが要求された。

対策:基本知識の正確な理解と論理性

 本校の社会では、重箱の隅をつつくような難問・奇問はない。基本知識の正確な理解と、論理的な類推力が要求される。日常から「なぜ、こうなるのか」という好奇心をもって物事を考察する習慣がそのまま受験対策につながる。そのためには、基礎力としての知識力が重要で、その用語を説明できるレベルの理解と、その背景までを論理的に理解していくことが必要である。常に考え、自分なりの答えを持つ姿勢が求められる。

社会 頻出テーマ ベスト3

1位 近代・現代(明治~令和)

2位 中世・近世(鎌倉~江戸)

3位 原始・古代(旧石器~平安)

理科の入試分析

傾向:原理原則に則った良問ぞろい

 例年4分野1題ずつの出題。本年度大問2で生物実験に物理の知識をからめる出題がみられた。日常生活での気づきをもとに観察・実験が行われ、原理原則が説き起こされる。全体的に素直な出題で、テキスト・過去問演習で身につけた知識をもとに問題文中で与えられた情報を整理し、答えを導き出す良問である。

出題:テンポよく、時間配分の流れを作れ

 本年度は大問1で塩づくりの原理、大問2でサニーレタスを人工光で育てるための条件、大問3で本校の立地をふくめた地層についての総合問題、大問4で音の伝わり方についての実験問題が出題された。大問1・4の計算問題、大問2・3の知識問題を、手を止めることなく答えきることが高得点につながった。

対策:盤石な基礎力が得点力を生む

 相互に関連する問題を順々に答える、非常にくせのない問題であるため、他の受験生に差をつけるというよりも差をつけられないような、盤石な基礎力が必要である。テキストだけではなく日常生活の中でも原理原則に基づいた知識をインプットし、各模擬試験でのアウトプット、間違った問題の周辺知識までを含めた丁寧な復習、さらに典型的な計算問題を早く正確に答える演習機会の積み重ねが確実な得点につながると言えよう。

理科 頻出テーマ ベスト3

1位 音

2位 物の溶け方

3位 磁石・電磁石と方位磁針

桜蔭中学校の進路・入試情報

桜蔭中学校の進路情報

 桜蔭中学校は、中高一貫校であるため、ここでは桜蔭高等学校の2024年度の大学入試の結果を掲載しています。

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国公立大学
大学名 合格者数
東京大学 63
お茶の水女子大学 9
一橋大学 4
東京医科歯科大学 13
東京工業大学 0
東京農工大学 1
東京外国語大学 0
東京芸術大学 0
筑波大学 4
千葉大学 6
横浜国立大学 3
京都大学 4
大阪大学 1
東北大学 1
北海道大学 1
東京都立大学 1
その他の国公立大学(医) 16
その他の国公立大学 4
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私立大学
大学名 合格者数
早稲田大学 116
慶応義塾大学 79
上智大学 45
立教大学 25
青山学院大学 21
学習院大学 7
国際基督教大学 3
中央大学 28
日本大学 7
明治大学 52
法政大学 12
東京女子大学 2
津田塾大学 2
日本女子大学 0
東邦大学 7
東京理科大学 36
東京農業大学 2
星薬科大学 1
昭和大学 4
昭和薬科大学 0
北里大学 4
日本医科大学 12
東京慈恵会医科大学 15
東京女子医科大学 0
東京医科大学 5
順天堂大学 30
自治医科大学 0
国際医療福祉大学 24
武蔵野美術大学 1
その他の私立大学 47
海外の大学 2
その他
大学名 合格者数
防衛医科大学校・他 5

※参照: 桜蔭中学校・高等学校のHP

桜蔭中学校の入試情報

桜蔭中学校の入試日程・科目

偏差値

71

※参照: 四谷大塚

入試日程

(2025年度)

<募集人数>
女子 235 名


<出願(インターネット)>
2025年1月10日(金)~2025年1月16日(木)

(情報入力・検定料の支払いは2024年12月21日(土)~2025年1月16日(木))

 

<入試日程>
2025年2月1日(水)


<合格発表>
2025年2月2日(日)
※合格発表サイトで発表

入試科目

(2025年度)

4教科(合計320点)
 国語(50分/100点)
 算数(50分/100点)
 理科(30分/60点)
 社会(30分/60点)

※参照: 桜蔭中学校・高等学校のHP

桜蔭中学校の受験者数・合格者数

  2021年 2022年 2023年 2024年
募集人員(人) 235 235 235 235
出願者(人) 581 557 629 591
受験者(人) 561 534 607 565
合格者(人) 283 282 290 287
実質倍率(倍) 2.0 1.9 2.1 2.0

※森上教育研究所作成資料より

編集協力=福崎剛・フリーライター