女子学院中学校について

 1870年の創立以来、キリスト教の精神を基盤に、生徒一人ひとりをかけがえのない存在として受け止め、生徒自らが学ぶことに喜びを見いだし、自ら学ぶ方法を身につけて進路を切り拓く教育を目指しています。また、女子御三家の中でも明るく自由な校風が魅力といわれ、制服も細かい校則もありません。

 学校生活は毎朝15分間の礼拝から始まり、その時間は自分自身にしっかりと向き合う時間として位置づけられ、多くのOGたちは礼拝堂の体験を女子学院で得た大切な時間だと語ります。マグノリアホールや屋上庭園、大小2つの体育館など施設も充実しており、開放的な雰囲気の中で生徒たちは生徒会、クラブ活動といったさまざまなイベントにも自主的に取り組んでいます。

 学習面では東大をはじめとする難関大学への特別な受験指導はないものの、中高6年間で基本的な学力を培い、さらに磨きをかけて高めるといった、生徒の自主性を尊重しながら高い学力を身につけるのも特色です。(松井誠:TOMAS教務企画局 教務本部)

女子学院中学校の基本情報
区分 私立
男女校種別 女子校
入試日 2/1
住所

〒102-0082

東京都千代田区一番町22-10

アクセス

東京メトロ有楽町線 麹町駅より徒歩3分
東京メトロ半蔵門線 半蔵門駅より徒歩6分
JR市ヶ谷駅・都営新宿線 市ヶ谷駅より徒歩8分
東京メトロ南北線 市ヶ谷駅より徒歩10分
JR 四ツ谷駅より徒歩12分
東京メトロ南北線 四ツ谷駅より徒歩13分
東京メトロ丸の内線 四ツ谷駅より徒歩15分

公式HP 女子学院中学校・高等学校のHP

※参照: 女子学院中学校・高等学校のHP

女子学院中学校の入試分析

国語の入試分析

傾向:合格の鍵は正確さ+変化への対応力

 例年、説明文、随筆から読解2題と、漢字の書き取り1題という構成。近年、記述の比重が高くなり難化していたが、本年はその流れがストップ。選択式の問題が増えた。本文を短時間で正確に読み取る力を問う傾向は変わらない。毎年、問題内容に多少の変化があるため、即座に対応できる冷静さと判断力が必要。

出題:選択式の問題が激増、でも侮れない

 昨年6間だった選択式の問題が、本年は14問と激増。易化した反面、1問も落とせない。いかにミスを防げたかで合否が分かれる。言葉の微妙な違いに惑わされないよう、短時間でも正確さを重視したい。記述問題は言い換えと要約中心。答えに必要な言葉を落とさず、足りない言葉をどの程度補えたかが勝負である。

対策:時間管理と地道な勉強の積み重ね

 まずは、標準的な問題を確実に、素早く正解できるよう練習する必要がある。それには時間を区切って、根拠とともに正解を出す訓練が効果的である。次に記述対策である。言い換えが中心なので、本文から答えにつながる表現を探せても、そのまま使えない。簡潔に言い換えられるよう、日頃から語彙力を養っておく必要がある。また足りない言葉をどう補うか考えながら、要約する練習を積み重ね、迅速にまとめられるよう備えておきたい。

読解問題 頻出テーマ ベスト3

1位 自然と人間

2位 文化と学問

3位 人としてどう生きるか

算数の入試分析

傾向:多問即答+αの難問

 本校の算数は、例年大問が6~7題、解答箇所は25~30問程度である。40分という時間を考えると、迅速な処理能力と正確さが求められる。分野的な偏りはあまり見られずまんべんなく出題されているが、処理に時間のかかる問題や作業量の多い問題も増えており、留意が必要である。

出題:飛ばす勇気も必要

 解答箇所は27でほぼ例年通りであった。相変わらず多いので、すぐに解けるものから優先して解き進める判断が大切。大問2は変則的なつるかめ算、大問4の速さと大問7の流水算は線分図を描いて丁寧に処理する必要があった。また、大問6の八角形の面積は小さい正方形の対角線が4cmであることに気づけるかがポイント。

対策:時間配分と正確性とスピード

 本校の算数の特徴は、設問数に比して時間が40分と短いこと。そこで、解ける問題をいかに素早く見抜き正解するかが重要となる。日頃の学習から1問を解く時間を意識し、確実に正解することを心掛けたい。また「時間をかければできる問題」を見切る力も必要となる。この見切りの精度を上げる訓練を積むことで、限られた時間の中でより多くの正解が可能になる。また、過去問を通して40分という時間の使い方を身につけることも大切。

算数 頻出テーマ ベスト3

1位 平面図形

2位 速さ

3位 立体図形

社会の入試分析

傾向:基本知識の徹底理解と即断即決

 多くの問題は基本知識で解答できるが、問題数が極めて多いのでじっくり考える時間はない。瞬時に判断する即断力が求められる。出題形式は、短答式、正誤判定、並べ替え、短文記述と多岐にわたる。4科目均等配点のため、社会の得意な者にとっては大きな得点源となる。

出題:即断即決の思考力

 本年度は「水」がテーマ。本年度はリード文のない一問一答形式であった。大問1は水・河川に関する近世までの歴史、大間2は近代の歴史、大問3は地理、大問4は公民の問題。従来の中学入試の枠を超えた出題も多く、やや難化傾向が続いている印象。同題数も多いので、解答の取捨選択も重要となる。

対策:基本知識の習得と時事問題

 本年度は、従来と比べて難問が増えている印象がある。ゆえに、基本問題は一つたりとも落とすことは許されない。一問一答形式の問題集を複数冊反復して、各用語について簡単に説明できるしベルの理解が求められる。また、日々のニュースや新聞などで現代社会の動きを考察していくことも必要であろう。そのうえで、演習中心の学習で典型問題の即断力を鍛えていくことが合格の王道である。

社会 頻出テーマ ベスト3

1位 中世・近世(鎌倉~江戸)

2位 国会・内閣・裁判所

3位 原始・古代(旧石器~平安)

理科の入試分析

傾向:総合力の発露としての即答力を

 4分野から1題ずつの大問ごとに10か所強の解答欄に解答する小問が出題されている。40分の試験時間の中で、計算問題・説明問題・作図問題・問題文の深い読み取りの力を要求される、非常に高い総合力が必要な、本校らしい出題であった。

出題:本年度は地学・生物が要であった

 大問1はクレーターを鍵とした月・地球・太陽の関係、大問2は野菜の構造とその根拠・都市での樹木の生育条件、大問3は気体の溶けた水溶液の中和反応、大問4は液体・気体中での浮力という出題であった。後半は本校受験生の実力では差が付かず、前半の冷静な選択肢吟味と短文での説明力が勝負を分けたと思われる。

対策:広く深い知識に支えられた即答力を

 多問即答型で分野的な偏りが少ないので、苦手分野を作らぬよう演習を重ねることが必要である。該当する解答をすべて答えよという冒頭の指示に、受験生に求められる知識の正確さ、深さがうかがえる。加えて説明問題では、示された条件をふまえ正確に過不足なく表現する想定演習が不可欠である。易しい問題から始まる大問の半ばで、判断に時間がかかる問題が差し込まれるので、そこで何秒使えるのかを意識することが望まれる。

理科 頻出テーマ ベスト3

1位 地球・月・太陽・惑星

2位 植物のつくりとはたらき

3位 ばね

女子学院中学校の進路・入試情報

女子学院中学校の進路情報

 女子学院中学校は、中高一貫校であるため、ここでは女子学院高等学校の2024年度の大学入試の結果を掲載しています。合格者数のうち()内は既卒生の数です。

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国公立大学
大学名 合格者数
北海道大学 2(0)
東北大学 2(1)
山形大学 1(0)
金沢大学 1(0)
筑波大学 3(0)
千葉大学 1(0)
お茶の水女子大学 5(1)
東京大学 26(1)
東京医科歯科大学 3(0)
東京外国語大学 1(0)
東京藝術大学 2(2)
東京工業大学 9(1)
東京農工大学 8(1)
一橋大学 6(2)
東京都立大学 2(0)
横浜国立大学 2(2)
横浜市立大学 1(0)
山梨大学 2(2)
浜松医科大学 1(1)
名古屋大学 2(1)
名古屋市立大学 1(0)
京都大学 7(1)
大阪大学 1(0)
佐賀大学 1(0)
防衛医科大学校 4(1)
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私立大学(5名以上)
大学名 合格者数
早稲田大学 127(10)
東京理科大学 95(20)
上智大学 82(14)
慶應義塾大学(医以外) 71(16)
明治大学 67(18)
中央大学 29(8)
立教大学 27(5)
青山学院大学 22(6)
法政大学 17(3)
北里大学(医以外) 11(6)
日本女子大学 10(0)
芝浦工業大学 10(0)
明治学院大学 10(2)
日本大学 9(2)
多摩美術大学 7(3)
国際基督教大学 6(1)
東京都市大学 6(1)
津田塾大学 6(2)
東京電機大学 5(0)
同志社大学 5(1)
東京女子大学 5(1)
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私立大学 医学系(2名以上)
大学名 合格者数
順天堂大学(医) 8(1)
日本医科大学 7(2)
国際医療福祉大学 7(3)
東京慈恵会医科大学 4(1)
杏林大学(医学部) 3(2)
東京医科大学 3(2)
慶應義塾大学(医) 2(1)
東邦大学(医) 2(1)
海外大学
大学名 合格者数
韓国外国語大学 1(1)

※参照: 女子学院中学校・高等学校のHP

女子学院中学校の入試情報

女子学院中学校の入試日程・科目

偏差値

69

※参照: 四谷大塚

入試日程

(2025年度)

<募集人数>
女子 240 名


<出願(インターネット出願と書類の郵送)・受験料支払い>

・ID登録・報告書(様式)等印刷開始:2024年11月11日(月)~

・出願情報入力:2024年12月20日(金)~2025年1月15日(水)

・出願・受験料支払い・書類の郵送:2025年1月10日(金)~2025年1月15日(水)

 

<入試日程>
2025年2月1日(土)


<合格発表>
2025年2月2日(日)
※合否照会サイト上、及び学校講堂入口上で発表

入試科目

(2025年度)

4教科(合計400点)
 国語(40分/100点)
 算数(40分/100点)
 理科(40分/100点)
 社会(40分/100点)

※参照: 女子学院中学校・高等学校のHP

女子学院中学校の受験者数・合格者数

  2021年 2022年 2023年 2024年
募集人員(人) 240 240 240 240
出願者(人) 723 769 700 708
受験者(人) 664 709 645 642
合格者(人) 274 276 275 283
実質倍率(倍) 2.4 2.6 2.4 2.3

※森上教育研究所作成資料より

編集協力=福崎剛・フリーライター