才能勝負!芸術やスポーツでプロになるための学部選び

 「4 才能型」は、主にプロの芸術家、スポーツ選手などを目指す受験生のための大学・学部選択方式である。大学はスキルを磨くための通過点であり、才能と実力の世界で生きていく彼らに「卒業イコールプロフェッショナル認定」という図式は成り立たない。

 「2 有利型」と異なるのは、専門知識を生かせる就職先・職種の選択肢が少ないことだ。極端に言えば、1~3に挙げた学部出身者や、そもそも大学に行っていない一流芸術家やスポーツ選手も数多くいる。学歴以上に、芸術的感性や身体能力に関わる卓越した才能、コミュニケーション能力を持ち、それを磨き続けられるかが一流のプロとなれるか否かの分かれ目だ。

 それでも子どもが「4 才能型」の学部に進学を希望するならば、保護者にはぜひ、その希望を尊重してあげていただきたい。同時に、希望する大学・学部に無事入学しても、仮にその道のプロへの夢を途中で諦めざるを得ない場合、充実した人生を送る方法はほかにも見いだせることをしっかり伝えてあげてほしいと思う。

 例えば、教員として美術や音楽を教えながらアマチュア画家、演奏家として活動を続けたり、コンテストに挑み続けたりする人はたくさんいる。

 また、冒頭で「“主に”プロの芸術家~」と述べたが、実は、美術大学、音楽大学などの芸術系大学、あるいは体育系大学は、一般の大手企業への就職状況が好調な大学が多い。多摩美術大学や武蔵野美術大学、女子美術大学が就職に強いのは有名であり、最近は、体育大学卒の学生に特化した就職説明会も増えている。

 日本大学芸術学部のように、デザイン学科のみならず文芸学科などにもDTP(※2)の科目を設置し、学生のキャリアの幅を広げる仕組みを作っている大学もある。DTPのスキルを身に付ければ、アートや文筆などの専門分野が生かせる仕事以外の分野にも道が開けるだろう。

 受験生のタイプや適性、将来の希望は千差万別で、必ずしも分類した4つの枠に当てはまらない場合もあるかもしれない。そんな折は特に、保護者は子どもの希望と自己決定権を十分に尊重しつつも、社会人の先輩として丁寧にアドバイスしてあげてほしい。

※2 Desk Top Publishingの略。印刷物の原稿作成や編集、デザイン、レイアウト、組版から版下製作までの工程を一貫してコンピューターで行う