箱根駅伝の順位は志願者数の増減に影響するか?!

 ものは試しである。

 著者もこれまでに「箱根駅伝と大学の知名度」に関する記事や論考はいくつか見たことがあるが、ここでは、箱根駅伝出場校の2005年以降の総合順位と、各年の一般選抜の志願者数を豊島継男事務所の協力を得てグラフにしてみることにした。

 前のページのグラフは、出場校の中から「山の神」を生んだ青山学院、東洋、順天堂の3大学の例を示したものだ。グラフを見る前提として、まず、私立大学全般に共通する近年の志願者数動向を大まかに確認しておこう。

 16年度に入学定員の厳格化が始まり、これを機に大半の私立大学で一般選抜の志願者数が増えた。逆に、21年度は新型コロナ禍の影響で一般選抜の実施が危ぶまれ、受験生が年内入試に流れたことで一般選抜志願者数は一転減少へ。23年度に厳格化が一度緩和されたものの、25年度以降は再び厳格化が行われ志願者数増が続いている。

 以上を踏まえつつ、青山学院大学のグラフを見てみると、09年度からコロナ禍の影響を受ける20年度までは志願者数が5万~6万人台を維持している。箱根駅伝の記録でいえば、シード常連校となったあたりから毎年連続で総合優勝するようになった時期と志願者数増加の時期が重なる。

 なお、21年度の志願者数減は、コロナ禍の影響の他に同大学の入試改革によって他大学との併願が難しくなったという事情も考慮すべきだろう。24年度以降は、再び連続優勝と志願者数の増加傾向が重なっている。

 東洋大学の08年の志願者数は5万9638人だった。それが翌09年度には6万9157人と1万人近く増加している。09年といえば、柏原竜二選手の活躍もあって同大学が初の総合優勝を飾った年だ。志願者数増加との関係性は未知数だが、東洋大学の知名度が一気に拡大したことは確かだと思う。

 近年に目を向けると、26年度が11万9233人、25年度は11万3762人と、24年度以来志願者数が10万人台を回復している。特に24年度は、日本大学の不祥事による志願者数減を東洋大学が吸収したともいわれた。

 25年度からは、首都圏の大規模な私立大学では初めて「基礎学力テスト型推薦入試」を年内に実施したにもかかわらず、一般選抜の志願者数が増加傾向にある。