学生の活動こそが大学の知名度向上の源泉

 順天堂大学は、2007年の箱根駅伝総合優勝の翌年の08年、私立大学医学部の先陣を切って学費の大幅な値下げを実施したことで、その年の医学部志願者数を大幅に増やした。今井正人選手が初代「山の神」となった05~07年は、その総合順位が5位、4位、1位と毎年上昇し、志願者数も5200人、5614人、5662人と徐々に増えていった時期でもある。

 また、22年に医療科学部、23年に健康データサイエンス学部、24年に薬学部を千葉県浦安市の新キャンパスに新規開設したことも、志願者数増につながっている。同年には宝仙学園との間で初の系属校協定を結び、医学部への内部進学枠を設けたことも話題となった。

 以上3校の例を見ても(予想通りではあるが……)、やはり「箱根駅伝の総合順位」と「入試の志願者数」の間に直接的な相関性を見いだすことはできない。だが、実感として、スター選手の誕生やその競技成績が大学の知名度を上げ、ひいては入試の志願者数増に一役買っていることもあながち否定しきれないのではないだろうか。

 例えば、Google「Trends」で、任意の年の1月前後に期間を絞って出場大学の名前を検索すると、上位に入賞した年などは、検索件数が急激に伸びるケースが見受けられる。

 24年の箱根駅伝で総合3位と大躍進した城西大学は、同年1月の検索件数が大幅に伸びた。25年の総合6位に続いて今年の箱根駅伝でも総合7位に入り、23年から4年連続でシード権を獲得。女子も25年の全日本大学女子駅伝と富士山女子駅伝の2大駅伝制覇。その他の競技でも好成績を収めている。27年度入試では、志願者数が伸びるのでは……と筆者はひそかに期待しているのだが。

 もちろん、箱根駅伝のみならず、他のスポーツや、学問研究、文化活動など、在学する学生の多彩な活躍が大学の外にも広く伝わることで、ファンが増えていくことは間違いない。受験生が「大学に入って、こんなことをしてみたい」と憧れを覚える在学生の活動こそが、大学の知名度を上げていく。