授業料以外に必要な費用は?
塾では、授業料以外にもさまざまな名目で費用がかかります。授業料が安い塾でも各種費用を加算すると、思ったより高額になることがあります。特に入会月は、まとまった費用が必要になるので注意しましょう。
入塾金(入会金)・年会費
入塾するときや年度の更新時にかかる費用です。入塾金は1万円〜3万円、年会費は1万円〜2万円が相場です。入塾手続きの事務処理、塾生に配布する用品など、入塾時に必要な経費に対してまとめて支払う費用です。
教材費(テキスト代)
テキストの購入や、プリント等の教材を利用するのにかかる費用です。教材の種類にもよりますが、1冊(または毎月)1,000円〜2,000円が相場です。
教材費は、テキストの購入時に実費でかかります。塾指定のテキストがなくても、プリント教材を利用するために毎月教材費がかかることもあります。
模試費(テスト費)
現状の学力を把握したり、志望校の合格判定を出したり、入試に慣れたりするために受ける模試・テストにかかる費用です。模試費の相場は、1回あたり5,000円です。
塾独自の模試やテストを実施している塾では、授業料と一緒に模試費が引き落とされることがあります。また、塾独自の模試を実施していない塾でも、外部模試の受験を必須にしている場合があり、模試費が発生することがあります。さらに、塾で模試やテストを受けない場合でも、個人で模試を申し込めば費用がかかります。
季節講習費・特別講習費
春期講習、夏期講習、冬期講習、正月特訓、志望校対策など、通常授業以外にかかる費用です。季節講習は、主に学校の長期休業日に合わせて行われる講習です。例えば、7月の授業は「通常授業3日+夏期講習4日」のように設定されていることが多く、講習がある月は費用が高くなります。
特別講習には、正月特訓、土曜特訓、志望校別対策講座、適性検査対策、教科別特訓、受験直前講座など、さまざまな種類があります。基本的に受講は任意ですが、受験を有利に進めるために受講する生徒が多いようです。
事務手数料(システム手数料)、施設管理費(維持費・設備費)
事務手数料(システム手数料)は、塾生データの管理、入退室管理システムの利用、各種情報提供、成績管理などにかかる費用です。施設管理費(維持費・設備費)は、教室の賃貸料、水道代、清掃代、冷暖房費など、塾の利用や施設の維持にかかる費用です。事務手数料や施設管理費は、月あたり1,000円〜2,000円前後が相場です。
これらの費用は、「諸経費」としてまとめて徴収されることもあります。また、事務手数料の支払い方法もさまざまで、入塾時にまとめて支払う場合、学期ごとに支払う場合、毎月支払う場合があります。さらに、これらの料金を授業料に含めて徴収する場合もあります。
塾代を節約するためのコツ
上記のように、塾代は高額になりがちなので、できるだけ節約したいところ。塾代を節約する方法を6つ紹介します。
キャンペーンを利用する
塾で実施している各種キャンペーンを利用すると、塾代を節約することができます。費用がお得になるキャンペーンには、次のようなものがあります。
入塾金に関わるキャンペーン
入塾金が無料になったり、半額になったりするキャンペーンです。入塾時に利用することができます。
講習に関わるキャンペーン
季節講習の費用が無料または減額になるキャンペーンです。初めてその塾を利用する外部生に適用されることが多いキャンペーンです。
友達紹介キャンペーン
紹介した友達が入塾すると、ギフトカードやQUOカードをもらえるキャンペーンです。
乗り換えキャンペーン
他塾から転塾した生徒に適用されるキャンペーンで、入塾金が無料になったり、授業料が一部減額されたりします。
割引制度を活用する
入塾金や授業料が割引になる制度を設けている塾もありますので、これらの割引が適用される条件を確認して、有効活用しましょう。
兄弟・姉妹割引
兄弟・姉妹が塾に在籍している場合に割引が適用される制度です。
特待生制度
成績が優秀な生徒に適用される制度です。一定の条件を満たせば、授業料が無料または減額になることがあります。
ひとり親家庭割引
母子家庭や父子家庭の場合に適用される制度です。入塾金や授業料が割引になることがあります。
無料体験授業を受ける
無料の体験授業を実施している塾では、無料の体験授業を受けることで実質的に授業料を減額することができます。
受講科目や受講スタイルを検討する
集団塾では、3教科または5教科をまとめ受講するスタイルが多くなっています。そのため、自分で理社の対策ができるなら、自習室を上手に活用するなどして3教科受講にすると、費用を抑えることができます。
一方で、個別指導塾は1教科から受講できますが、個別指導塾で5教科を受講すると料金が高くなってしまいます。そのため、集団塾と併用したり、オンライン塾を利用したりすることで、費用を抑えることができます。
必要な講座を選定する
塾では通常授業の他に「日曜特訓」「志望校対策講座」「適性検査対策講座」「数学苦手克服講座」「英語特別特訓」「長文読解対策」「夏期合宿」など、さまざまな講座が用意されています。塾からいろいろな講座を勧められると思いますが、受講する講座が増えれば授業料や教材費がどんどん高くなってしまうのは当然のこと。
受講しない講座があると不安になってしまう生徒や保護者もいますが、課題を消化しきれなかったり、復習する時間が取れなかったりしては、無駄が多くなってしまいます。費用を抑えるためにも、効率的に学習を進めるためにも、必要な講座を選ぶことが大切です。
自治体の助成事業を利用する
自治体では、「塾代助成事業」「習い事応援事業」などの事業を行っていることがあり、これを利用することで塾代の一部を補填することができます。助成事業では、毎月5,000円〜1万円の助成金を受け取れる自治体が多いようです。自治体によって申請基準や対象者が異なりますので、お住まいの自治体の公式サイトなどで確認してください。
中学生の塾代に関するよくある質問
中学生の塾代に関するよくある質問をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
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集団塾と個別指導塾は、どちらがいいですか?
集団塾と個別指導塾は、それぞれにメリット・デメリットがあるので、一概にどちらがいいとは言えません。生徒の学力や家庭の状況を考慮して判断するのが望ましいでしょう。 -
いつ頃から塾に通うのがいいですか?
ひとつの目安は、中2の2月です。できるだけ入塾の時期を遅らせることで、塾代を抑えることができますが、受験に間に合わなくては意味がありません。そのため、塾で新年度が始まる中2の2月を入塾のタイミングにするのがおすすめです。 -
季節講習は受けたほうがいいですか?
季節講習は、短期間に効率よく復習できるので、スケジュールと費用に無理がなければ受講するとよいでしょう。一方で、「記述対策講座」「数学特訓」などの特別講習は、受験する高校と生徒の学力によっては不必要です。 -
授業料が安い個別指導塾を見かけますが、どうして授業料が安いのですか?
授業料が安くても、総額では費用が高くなることがあるので注意してください。たとえ授業料が安くても、教材費や維持費等に費用がかかり、予想以上の金額になってしまうことがあります。 -
お得に塾に通う方法はありますか?
自習室や定期テスト対策など、無料で使える塾のサポートをフル活用するのがおすすめです。自習室にチューターが常駐している塾もありますし、自習中にわからないことを講師に質問できる塾もあります。また、定期テスト対策を無料で受講できる塾もあります。さらに定期テスト対策では、受講していない科目の対策をしてくれるところもあります。塾で受けられるサポートをフル活用して、お得に塾に通うようにしましょう。
まとめ|中学生の塾代の平均はいくら
今回調査した結果、中学生の塾代は、個別指導塾(1教科)で15,000円〜20,000円、集団塾(5教科)で30,000円〜45,000円という結果になりました。
志望校合格を目指す生徒にとって、塾は必要不可欠です。しかし、他の習い事に比べると費用が高く、季節講習や特別講習を受講するとさらに費用がかかります。ぜひ今回紹介した「塾代を節約するコツ」を参考に、コスパよく塾を活用してみてください。
塾選びで費用面はもちろん大切ですが、塾のターゲットとお子様がマッチしているか、もとても重要なポイントです。
学校の授業を聞き取れているが復習不足で成績が伸び悩むタイプ、一部の単元でつまずいているためピンポイントの補強が必要なタイプ、そもそも授業中に集中できないため基礎固めから必要なタイプ、学習に強い苦手意識を持つためモチベーションアップが急務なタイプ・・・。お子様の状況は様々です。
塾にはそれぞれターゲットとしている生徒像があります。当てはまれば、大抵の塾で成果が出ます。気になる塾がある場合は必ず教室に出向いて、塾とお子様がマッチしているかどうか、を確認するようにしてください。