家庭教師のメリット
家庭教師は、集団塾と比べると次のようなメリットがあります。
完全1対1の個別指導
家庭教師のメリットのひとつは、完全1対1の個別指導が受けられることです。個別指導塾でも1対1の授業を受けられますが、「個別」と謳っていても実際には1対2や1対3で指導を行っている塾が多いのが現状です。
家庭教師は、兄弟などでペア受講をしないかぎり、完全1対1の指導を受けることができます。完全1対1の個別指導なら、問題をじっくり解説してもらえたり、わからないことが質問しやすかったりします。
柔軟なカリキュラム
集団塾と異なり、家庭教師はオーダーメイドのカリキュラムで指導を受けることができます。苦手の克服、検定対策、塾の補習、私立カリキュラムへの対応など、生徒のニーズに合わせた指導を受けられます。また、不登校や発達障がいなどの生徒に対応した家庭教師も多く、集団塾よりも生徒の層が広くなっています。
生徒に合わせたスケジュールと授業時間
家庭教師は、塾よりもスケジュールや授業時間に融通が利きます。基本的には無料で授業の振り替えができるので、急な用事があっても安心です。実際に授業に要した時間だけの料金システムの会社もあります。
また、家庭教師は、集団塾よりも細かく授業時間を調整してくれるので、「習い事と両立したい」「遅い時間に授業を受けたい」などの要望に対応してくれます。授業時間も、1コマ15分などの細かい時間設定のところもあり、授業時間をカスタマイズしやすくなっています。
モチベーションの向上
家庭教師を利用する生徒は、「塾の成績が低い」「勉強がわからない」などの原因で、学習に対するモチベーションが下がっていることがあります。このような生徒に対して、家庭教師はモチベーションをアップするような働きかけをしてくれます。
苦手課目の克服や塾の補習として家庭教師を利用すると、「勉強がわかった」「できるようになった」という達成感を味わうことで、生徒のモチベーションが向上していきます。
保護者との連携
家庭教師は自宅で勉強を教えてくれるので、保護者と連携した指導が可能になります。毎回の授業で何をしたのか、どんなところに課題があるのか、今週の宿題は何が出ているのかなど、保護者と情報を共有することにより、保護者も生徒のサポートができるようになります。
家庭教師の授業は、1週間のうちの1〜2時間程度。それ以外の時間は家庭学習をすることになるので、家庭教師と保護者が連携して生徒の学習をサポートしていきましょう。
通塾に時間がかからない
自宅まで家庭教師が来てくれるので、通塾に時間がかかりません。その時間を予習、復習に当てることができ、勉強時間の確保ができます。また、塾への送迎の必要がないので、保護者の負担も軽減されます。
家庭教師のデメリット
家庭教師にデメリットもあるので、事前に確認しておきましょう。
費用が高い
家庭教師は、集団塾やオンライン塾に比べて料金が高い傾向があります。また、一見授業料が安くても、1コマの授業時間が短かったり、教材費や管理費などで費用が上乗せされたりするところもあります。契約をする前に、月額や年額にかかる費用の見積もりを出してもらいましょう。
教師の質がバラバラ
家庭教師派遣会社では、学生教師からプロ教師まで、幅広い人材が活動しています。そのため、指導力や性格などにばらつきがあることも事実です。
もし十分な指導が受けられない、相性がよくないと感じたら、教師の交代を依頼することができます。教師の交代は無料のところが多いので、まずは相談をしてみてください。
授業以外で質問できない
塾に通っている生徒は、自習室を利用したり、チューターに質問したりすることができます。一方で、家庭教師を利用している生徒は、自宅での学習が中心で、授業以外で教師に質問することができません。そのため、電話やメッセージアプリで質問できるサービスがあるかどうかも確認しておきましょう。
家庭教師の活用方法
家庭教師を活用するための方法を5つ紹介します。
目標を共有する
家庭教師と目標を共有することが大切です。たとえば、塾の補習や苦手課目の克服のためであれば、塾のカリキュラムやテキストに合わせた指導をお願いしましょう。また、家庭教師のみで志望校合格をねらうのであれば、合格までの逆算カリキュラムを立ててもらい、そのカリキュラムに基づいた指導を依頼しましょう。
サービスをフル活用する
家庭教師派遣会社の中には、「オンライン自習室」「授業動画配信」「メッセージアプリでの質問対応」など、各種サービスを提供しているところがあります。これらのサービスで、より質の高い学習ができるようにしましょう。進路相談や悩み相談に対応しているところもありますので、積極的に活用しましょう。
モチベーション管理
「勉強が苦手な子のやる気をアップさせる」というふれ込みの家庭教師派遣会社はたくさんあります。とくに、勉強が嫌いという生徒は、学習のモチベーションを向上させる手段として家庭教師を活用してみましょう。
そのためには、教師との相性が合うことが大切です。事前に希望を伝えたり、体験授業を利用したり、相性のよい教師を探すようにしましょう。
予習・復習・宿題をきちんとする
前回の授業が身についていなかったり、宿題をやっていなかったりしたら、無駄に授業時間を割くことになります。家庭教師の授業を受けている時間は、1週間のうちの1〜2時間程度が多いので、授業時間を有効に使えるように、予習・復習・宿題をきちんとしておきましょう。
家庭教師を選ぶ際のポイント
今回紹介したように、家庭教師を派遣している会社はたくさんあります。その中から、生徒にあった家庭教師を見つけるために、次のポイントをチェックしましょう。
個人契約か家庭教師センターとの契約か
家庭教師の契約は、個人契約と家庭教師センター(家庭教師派遣会社)との契約の2パターンがあります。個人契約は料金が安いことが多いのですが、十分なサポートが受けられない可能性があります。一方、家庭教師センターは、指導ノウハウが蓄積されていたり、教師の交代ができます。
指導経験が豊富か
家庭教師を依頼するいちばんの目的は、子どもが志望校に合格することです。そのためには、指導力のある教師を依頼することが大切です。
たとえば、同じ志望校の合格者を出していたり、地域の受験情報に精通していたりするプロの家庭教師を選ぶことです。ただし、学生教師よりも料金が割高なことがあるので、事前に料金をよく確認しておくようにしましょう。
生徒と教師との相性がよいか
家庭教師を選ぶ際には、子どもと教師の相性が合うことが重要です。教え方はもちろん、人間性に優れた教師だと、子どももやる気を持って学習に取り組んでくれます。
どうしても相性が合わない場合は、教師の交代を依頼して、子どもがやる気を持って学習できる環境を整えてあげましょう。
体験授業があるか
家庭教師の授業がどのようなものか、実際に体験授業を受けてみることもできます。契約をしてから「やっぱり辞めたい」といった事態にならないよう、体験授業を受けたり、社員から説明を聞いたりして、納得してから入会するのが賢明です。
家庭教師センターのサポート
授業や進路相談を教師任せにせず、しっかりとサポートしてくれる家庭教師センターを選ぶと安心です。家庭教師センターの役割としては、「教師の選定」「教師への指導」「進路相談」「質問対応」「教師の交代依頼」「トラブルの仲介」など、多岐に渡ります。これらのサポートが充実しているところを選ぶと、困った時にもしっかりと対応してもらえます。
授業の振替ができるか
基本的には、授業を無料で振り替えてくれることがほとんどです。しかし、「前日21時まで」「授業前なら当日OK」など、連絡するタイミングにより授業料が発生してしまうことがあります。
当日連絡で大丈夫なところを選べば、急な体調不良でも振替をしてもらえるので安心です。
料金が妥当か
家庭教師と塾を掛け持ちする家庭の場合、高額な費用が発生し家計を圧迫することになります。一方、教師の質を確保すると、どうしても費用が高くなってしまいます。教師の質と費用を比較して、納得できる料金の家庭教師を選ぶようにしましょう。
家庭教師が向いている生徒と向いていない生徒
家庭教師が向いている子どもと向いていない子どもがいます。子どもが家庭教師に向いているかどうかをチェックしてみてください。
家庭教師が向いている生徒
まず、家庭教師が向いている生徒の特徴を5つ紹介します。
塾や学校の授業のペースに追いつけない生徒
塾の補習や私立学校の補習として家庭教師は効果的です。1対1の個別指導をしてもらえて、使用するテキストも融通が利くため、生徒のわからないところを中心に、じっくりと指導をしてもらうことができます。家庭教師では入塾テストを行っていないので、学力が低い生徒でも授業を見てもらうことができます。
家庭学習の習慣を身に付けたい生徒
家庭教師は、家庭での学習をサポートしてくれます。どのテキストをどこまで進めるかなど、1週間の学習計画を立ててくれる家庭教師なら、毎日の勉強で「何をしようか」と悩む必要がありません。また、メッセージアプリなどで質問を受け付けてくれる家庭教師なら、わからないところをそのままにせず学習を進められるというメリットがあります。
モチベーションが低い生徒
家庭教師派遣会社の多くは、生徒のモチベーションアップに力を入れています。そのため、「勉強が嫌い」「やる気が出ない」「勉強がよくわからないからやりたくない」という生徒は、集団塾より家庭教師のほうが向いています。
塾とは時間が合わない
習い事や部活が忙しくて塾に通う時間がない生徒も、時間を自由に決められる家庭教師なら利用しやすいですね。通塾に時間がかからないので、子どもの生活リズムに合わせた授業を受けることがきます。
不登校や発達障がい児への対応
家庭教師派遣会社には、不登校や発達障がいの生徒が学習できるコースを用意しているところがあります。そのため、「不登校で勉強が遅れている」「学習障がい(LD)で読み書きが苦手」といった事情をお持ちであれば、まずは家庭教師に相談してみましょう。
家庭教師が向いていない生徒
一方で、次のような子どもは家庭教師は向いていません。
競争心がある生徒
「友だちと切磋琢磨するのが好き」「クラス分けテストに燃える」という子どもは、集団塾が向いています。
自宅だと学習に集中できない生徒
「ついゲームをしてしまう」「妹弟がいると勉強に身が入らない」など、自宅だと勉強に集中できない生徒も、塾に通うほうが良いでしょう。また、塾に通えば自習室が利用できるので、学習に集中できる環境を手に入れることができます。
ある程度の学力や家庭学習の習慣が身についている
ある程度学力がついている生徒や、家庭学習の習慣が身についている生徒も、家庭教師の必要性が低いと言えます。塾での補習や苦手克服のために家庭教師を利用することが多くなっているので、自力で学習できるなら塾の方がコスパがよいかもしれません。もちろん家庭教師だけで難関校を目指すこともできるので、費用や受験情報などを考慮して塾か家庭教師のどちらを選ぶかを検討しましょう。
家庭教師に関するよくある質問
家庭教師に関するよくある質問をまとめました。
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塾と家庭教師のどちらがよいですか?
塾と家庭教師のどちらがよいかは、目標、生徒の性格、現在の学力など、様々な条件によります。上記の「家庭教師が向いている生徒」「家庭教師が向いていない生徒」を参考に検討してください。
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オンラインと対面は、どちらがよいですか?
家庭教師の中には、オンライン指導に対応しているところもあります。また、個別指導塾でもオンライン指導を行っていることがあります。
オンラインだと交通費などが不要で、料金が安い傾向にあるのがメリットです。一方で、パソコン越しでの指導だとわかりにくかったり、オンライン授業を始めるにあたって機材が必要だったりと、デメリットもあります。
オンライン指導の内容や形態は、家庭教師や塾によって異なるため、問い合わせて確認しておくのが望ましいです。
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家庭教師の料金は高いですか?
家庭教師の料金は、家庭教師センターによって異なります。小学生から高校生まで一律料金のところもあれば、医学部受験をする生徒の料金が非常に高くなっていることもあります。
いずれにせよ、志望校に合格することが目標ですので、料金だけで決めるのではなく、教師の指導力や家庭教師センターのサービスなどを総合的に勘案して決めるようにしましょう。
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家庭教師の先生には、どんな人がいますか?
学生の教師が多いですが、社会人のプロ家庭教師もいます。どのような教師を派遣してもらえるかは、事前に希望を出せることが多いので、希望があればはっきりと伝えましょう。また、教師の個性は様々ですので、体験授業等を通して、どんな先生を派遣してもらえるかを確認するようにしましょう。
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家庭教師と相性が合わなかったらどうしたらよいですか?
「相性が合わないな」と感じたら、教師の交代も考慮に入れましょう。ただし、教師を交代すれば絶対によくなるとは限りません。今の教師と歩み寄りが可能なのかも考えて、交代してもらうかどうかを判断しましょう。
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学生の教師でも大丈夫ですか?
多くの家庭教師センターでは、事前に研修を行っていますので、学生の教師でも大丈夫です。ただし、その地域の受験情報に詳しくなかったり、受験校の出題傾向を把握していなかったりする可能性はあります。そのような時は、プロの家庭教師にお願いするか、家庭教師センターのサポートを活用するようにしましょう。
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お茶やお菓子の準備は必要ですか?
基本的に、お茶やお菓子の準備は必要ありません。しかし、気になるなら出しても大丈夫です。とくに、生徒が安心してコミュニケーションを始められるようなら、初回はお茶菓子を食べながらカウンセリングをしてもらうのもよいかもしれません。
まとめ|おすすめの家庭教師
本記事では、おすすめの家庭教師13選を紹介しましたが、気になる家庭教師は見つかりましたか。家庭教師を選ぶ際のポイントや家庭教師が向いている子どもの適正についても解説しました。これらの情報を元に子どもに合った家庭教師を見つける判断材料としてください。