武蔵中学校について
武蔵中学校は、2022年に創立100周年を迎えた伝統のある学校だ。これまで、武蔵中学校の建学の理念は「三理想(※1)」であったが、それを現代的に解釈し直し、次の100年を見据えて「新生武蔵」の教育ビジョンを掲げている。具体的には、「世界をつなげる自調自考のエンジン」を身に付けさせることを教育ミッションとしている。
また、中学入試で求める生徒像を「学ぶ意欲があり、知ることや考えることを楽しんで、積極的に取り組む生徒」としており、武蔵中学校の「自ら調べ自ら考える」という教育ビジョンに適合した生徒を求めていることがうかがわれる。
※1 建学の理念「三理想」
1.東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物
2.世界に雄飛するにたえる人物
3.自ら調べ自ら考える力ある人物
武蔵中学校の合格者が一番多い塾は?上位7塾を過去5年のデータで徹底比較!
武蔵中学校の入試問題は、国語が特徴的だ。長文読解では、長文が1つ出されて、それについて記述問題が多く出題される。そのため、記述対策をしっかりしていないと、合格を勝ち取るのは難しい。
では、武蔵中学校の合格者が多い塾はどこだろうか。主要な塾を過去5年間のデータで比較してみよう。
【2023年入試】武蔵中学校の合格者が最も多いのは早稲田アカデミーで65人!
2023年入試で武蔵中学校の合格者が最も多いのは、早稲田アカデミーの65人だ。しかし、SAPIX(61人)や四谷大塚(60人)との差はごく僅かである。続いて合格者が多いのが日能研(28人)になっていて、この4つの塾で武蔵中学校のほとんどの合格者を占めている。
その後に栄光ゼミナール、アントレ、グノーブルなどの塾が続いている。なお、塾を掛け持ちしている生徒もいるため、塾の合格者数はダブルカウントされており、学校が公表している合格者数と合わなくなっている。
武蔵中学校の塾別合格者数の推移・傾向
過去5年の塾別合格者数を見ると、早稲田アカデミー・SAPIX・四谷大塚がほとんどを占めていることが分かる。中学受験では、開成中学校も麻布中学校もSAPIXの合格者数が圧倒的であるが、武蔵中学校に限っては早稲田アカデミーがSAPIXと同等かそれ以上の結果を残している。
これは、校舎の立地と講座が要因ではないか。校舎の立地では、早稲田アカデミーは西武線沿線に校舎が多く、武蔵中学校に通学しやすい生徒が多いと考えられる。
また、武蔵中学校入試で求められる記述力をつけるために「記述演習講座(国語)」「史資料解釈&記述講座(社会)」「スタンダード記述講座(算数)」などの講座が用意されているのも早稲田アカデミーの特徴だ。また、早稲田アカデミーと準拠塾契約を結んでいる四谷大塚もSAPIXに並ぶ高い合格実績を残している。なお、早稲田アカデミーには「NN武蔵」、SAPIXには「SS武蔵」、四谷大塚には「武蔵コース」という志望校対策コースがあり、どの塾でも武蔵中対策が行われている。
続いて合格者が多いのが日能研と栄光ゼミナールだが、5年前と比較すると合格者数が減少傾向だ。日能研は比較的中堅校を狙う生徒が多く、全体的に難関校の合格者は少なめ。栄光ゼミナールも「自分のトップ校に行こう」がキャッチフレーズで、やはり難関校向けの塾とは言い難い。
一方で、アントレ、グノーブル、ジーニアス、エルカミノ、ena、市進学院は、ここ5年で合格者数が少し増加している。これらの塾は、少人数、個別指導の塾であり、いわゆる「面倒見がいい塾」だ。同様に、早稲田アカデミーも「面倒見がいい塾」という定評があり、武蔵中学校合格に必要な力をつけるためには、講師の目が行き届いた指導が必要なのかもしれない。なお、ジーニアス、エルカミノ、ena、市進学院の合格実績やその推移は【2023年完全版】で紹介している。
まとめ|武蔵中学校の合格者が一番多い塾はどこ?
武蔵中学校の合格者が一番多い塾は早稲田アカデミーであり、SAPIXと四谷大塚が同程度の合格者数を出している。続いて、日能研と栄光ゼミナールの合格者が多いが、近年は減少傾向だ。一方で、面倒見のいい少人数指導塾や個別指導塾の合格者が少し増加傾向にある。
今回は、武蔵中学校に合格者が多い塾を7つ紹介したが、完全版では過去5年分・26塾の実績をランキング形式で掲載している。そちらも合わせて確認してみてほしい。