やってはいけない失敗その1:子どもの立てた計画にケチをつける

 人は「やるべきこと」を押し付けられるのが嫌いな生き物です。自分で決めた内容だからこそ、当事者意識を持ってやり遂げたいと思うもの。大人でもそうであるように、子どもも同じです。

 ですからスケジュールを立てるときには子どもが主体となり、あくまでも保護者はサポートという位置づけでやらなければいけません。初めてスケジュールを立てるときには、無理なスケジュールや不十分なスケジュールができあがるものです。

 何事も初めてやることがいきなりうまくいくことはありません。「そんなんじゃダメよ!」と言いたくなるのをグッとこらえて、まずはスケジュールを立てたことを褒めましょう。それで1週間やってみて、ダメだったら翌週は改善すればよいだけのことです。

 子どもに「できないことをやらされて、頑張ってやってみたら叱られた。スケジュールを立てるのなんてもうやりたくない」と、思わせないようにご注意ください。

やってはいけない失敗その2:計画通りにいかなかったときに叱る

 その1の続きのような話になりますが、初めて計画を立てた子が、いきなりその通りに実行できることは少ないです。

 以前にご紹介した実験でも、「大学生」の被験者たちですら計画を立てた人のうちの3人に1人は計画通りにできなかったのです。確かに計画を立てると実行できる「確率」が格段に上がりますが、100%になるわけではないので注意してください。

 ここでもし計画通りにできなかったことを叱ると、やはり子どもに「スケジュールなんか立てなければよかった」と思わせてしまいます。叱るというよりも、計画通りにできなかった「事実」を一緒に確認し、「改善策を一緒に考える」というスタンスで臨むようにしてください。

やってはいけない失敗その3:計画通りにうまくいったときに追加でもっとやらせようとする

 その2の逆のパターンで、計画を立ててうまくいった場合に親がやりがちな失敗がこれです。子どもにしてみれば、頑張って早く終わらせたのに追加でもっと勉強させられるとなったら、頑張るメリットを感じなくなります。そして「スケジュールなんか立てなければよかった」と思ってしまうことでしょう。

 覚えておいていただきたいのですが、多くの親が期待しているほど、子どもはたくさん勉強してまで成績を上げたいとは思っていません。そう思わせるためにはまた別のアプローチが必要です。

 まず今の時期にしておくことは、子どもが「もっとたくさん勉強したい」と思ったときに、物理的に時間が足りない!とならないようテキパキ勉強できるように訓練しておくことです。

 同じ勉強量を短時間でこなせるようになれば、「伸びしろ」が生まれます。そのときが来るまでは、伸びしろを作れただけで良しとして、予定より早く終わって生まれた余りの時間はご褒美に遊び時間にしてあげましょう。

まとめ|子どもとスケジュールを立てるときに絶対にやってはいけない3つのこと

 以上、「子どもとスケジュールを立てるときに絶対にやってはいけない3つのこと」でした。

 端的にまとめると、子どもに「スケジュールなんか立てなければよかった」と思わせないようにしましょうということです。お子さんの立場になって考えてみれば、どれもわかりやすいことですよね。ぜひこれらに気をつけながら、規則正しい学習リズムを作り上げてくださいね。