司会:まずは簡単な自己紹介をお願いします。

 Aさん:ITエンジニアをやっていて、リモートワーク中心の生活です。都内の合格実績が高い個人経営の塾に息子を通わせています。本人が医者になりたいと言うので、御三家か駒東、海城といった、医学部進学実績が高い難関校に進学できたらと思っています。

 Bさん:販売の仕事をしています。正社員なので遅いシフト勤務が逃れられず大変です。東京で数校舎がある塾に息子を通わせています。四谷大塚偏差値で60弱ぐらいの男子校に入ってもらいたいですね。

 Cさん:企業で経理をやっています。娘が地元の小さな塾に通っています。地元で何十年もやっている老舗塾でもあります。うちもBさんと同じで、学習面で手厚い私立校に入れたいです。頌栄や大妻を目指しています。

すべてをお任せできる塾を選択

面倒見がいい塾
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 司会:大手塾の寡占の時代に、なぜ、個人経営の四谷大塚準拠塾を選ばれたのでしょうか。

 Aさん:夫婦で仕事が忙しいから、すべてお任せできる塾を選びました。費用は他より高いですが、その分、塾にいる時間が長いので、自宅での勉強はほとんどありません。息子は塾がない時は、友達と遊んだり、録画したアニメを見たりしています。

 Bさん:上の子がグノーブルだったんですが、自習室がないし、親がやることがとても多くて、うちとは合わなかったんです。それに電車に乗っての通塾だとお迎えが大変で。なので下の子は、家から一番近い塾に入れました。高校受験や公立一貫校対策がメインみたいですが、私立中学の合格実績もあるので。自習もでき、質問にも応じてもらえるとのことだったので。

 Cさん:私は大学時代の4年間、大手塾で講師バイトをやっていたんですよ。その時、生徒の名前と顔が一致していなかったんですね。だから、大手塾は選択肢にありませんでした。小さな塾なら生徒ひとりひとりを見てくれると期待して今の塾を選びました。期待通りで満足しています。

些細なことでも質問ができる

 司会:たしかに小さな塾は面倒見がいいというイメージがありますが、具体的にはどんな感じでしょうか。Aさんの子どもさんの塾のように、宿題がないと親は楽ですね。

 Aさん:少しは家でもやりますよ。毎朝、計算と漢字ドリルをやって、週末に「予習ナビ」という動画教材を見て、次の週の勉強の予習をします。Bさんのお子さんの塾も面倒見はいいんですか。

 Bさん:授業の最初に先週習ったことのテストをしますよね。そのテストで合格点が取れないと、補講に来いと言われるんですよ。息子はサッカー教室もあるから、必要以上に塾に行きたくないので、ちゃんと自分から勉強するようになりました。

 Cさん:私立中高一貫校みたいな手厚さですね。私立校も小テストで赤点を取ると補講ですよね。うちの子の塾は手厚いというよりも、見守ってくれるという感じです。「なんでも相談に乗るよ!」という雰囲気なので、些細なことでも質問ができるんですよ。これ、助かっています。

 Bさん:保護者と講師も距離が近くなりますよね。お迎えに行ったついでにちょっとしたことを相談できるのがいいんです。

「予習シリーズ」を補助するプリントを配布

 司会:小さい塾だと大手にはないサービスが入ってくるわけですね。

 Cさん臨機応変さがありますね。生徒たちが植物に興味がない感じだったら、みんなで外に出て、植物を探して、写真を撮ったそうです。実際に生えているのを見ると、名前を覚えやすいからと。

 Bさん:「予習シリーズ」って細かすぎることがあるじゃないですか。それを補助するプリントを配ってくれて、それがとても使いやすいんですよ。

 Aさん:うちの子の塾は自習の時間がありまして、先生が見守る中、みんなで勉強をするんです。これだとふざけて騒ぐ子もいないし、集中できます。

情報量では大手塾にかなわない

進路相談
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 司会:お話を聞いていると素晴らしいのですが、反対にデメリットはありますか?

 Aさん:テキストですかね。難関校対策としてはSAPIXやグノーブルのテキストの方がいいと塾が言っています。

 Bさん:うちは御三家を狙わないので、「予習シリーズ」でいいかなと思います。栄光ゼミナールが使っている「新演習」も基礎的でいいですが、少し物足りないと感じます。

 Cさん我が子の塾は、費用は安くはないですね。少人数制だからだと思いますが。たぶん、SAPIXより若干高いんじゃないでしょうか。

 Bさん:あと、事務の方がいないので電話がつながらないとか、トイレを先生が掃除しているとか。そういうところは大変そうですね。

 Cさん学校の情報に偏りがあるかもですね。近隣の学校には卒業生がたくさん進学しているから情報を持っていますが、遠くの学校の情報はないですね。たとえば渋幕とか東邦大東邦とか、千葉の学校の情報が欲しい時はちょっと頼りない。

 Bさん:近くの学校の情報は持っていますね。入試傾向も熟知しているし、「あの学校はスパルタのおじいさん先生が定年退職したから安心ですよ」みたいな裏情報も教えてくれたり。

 Cさん:中学受験の有名な本に「大手塾を選べ。カリキュラムがしっかりしているから」とあったのですが、準拠塾は四谷大塚のカリキュラムなのでなんら心配はありません。

 Aさん:「『難関校や上位校に入れたいなら大手塾』という発想は古いのかな?」とも思います。今は大手が中堅校対策を請け負っているので、小さい塾ほど「御三家やそれに準ずる学校に入れます」とアピールしないと残れないでしょう。

 Bさん:そうですね。うちの子の塾は御三家への合格実績はないのですが、偏差値60ぐらいの学校にはちゃんと入っています。大半の子は偏差値50前後の学校に進学しますが、実は大手塾も同じでしょう。

 司会:どの塾も優秀ですね。みなさん、現役受験生の親御さんです。これからもお子さんのサポートを頑張ってください。

知名度で勝る大手塾か、面倒見のいい小規模塾か?

 大手塾が校舎数を増やしているため、塾を選ぶ時はそれらから選ぶことが多いだろう。しかし、小さな塾にもメリットはある。大手塾は校舎によって差が生じるが、小さい塾はそれがないというメリットもあろう。今回の座談会の出席者たちはみな、自分の子どもが通う塾を信頼し、満足している。これから塾を選んだり、転塾先を探したりする場合、近所の小さな四谷大塚準拠塾も検討してみてはいかがだろう。

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