クラス数が少ないため、クラス内で学力の差も

 Aさん:23区在住のプログラマーです。妻もフルタイムの事務職です。城北中学に入れたくて早稲田アカデミーに入れましたが、今、息子は小学5年で偏差値が53ぐらいで、城北はちょっと無理そうなので、他の学校も見学に行っています。校舎には3クラスあって、真ん中のクラスです。

 Bさん:東京在住、信用金庫勤務で営業をやっています。夫は単身赴任で地方に行っていて完全ワンオペ育児です。今、娘は小学4年で偏差値が45ぐらいで、第一志望は昭和女子大付属ですが難易度が上がっているから焦っています。3クラスあって一番下のクラスにいます。

 Cさん:中学で教師をやっています。はじめはグノーブルに入れましたが、親子でついていけなくて(笑)、転塾して早稲田アカデミーにお世話になっています。今、小学5年で偏差値は58。2クラスあって、上のクラスの最下層にいます。

 司会:早稲田アカデミーというと面倒見のよさで知られます。今回、みなさま全員が共働きですが、面倒見のよさで選ばれたのでしょうか。

 Aさん:妻が「SAPIXやグノーブルに通わせる人たちはみんな苦労しているから、うちは他にしましょう」というので、面倒見のいいと評判の早稲アカの体験授業を受けさせ、本人も納得したので入塾させました。

 Bさん:うちの場合、娘が学童に行きたがらなくなったので、じゃあ、代わりに塾に入れるしかないなと思って家から徒歩で通える塾をいくつか検討したんです。たまたま近所の早稲アカ校舎は下のクラスが5人前後と少数制だったので選びました。日能研や栄光ゼミナールも雰囲気はよかったのですが、人数が多いのでうちの子には合いませんでした。

 Cさん:私が女子学院出身で、娘を母校に入れたいと思い、合格実績が高いグノーブルに入れたんです。でもあの塾のメソッドでは、宿題を子どもひとりでやれないから、親が横について教える必要があります。私の体力的に無理だったので、なにもしないでいたら、どんどんクラスが下がっていって。自習室がないのも不便でした。それで転塾させました。早稲アカに移って、偏差値は上がったんですが、女子学院は無理ですね(笑)。

 Bさん:でも、偏差値58あるんだからすごいじゃないですか。

 Cさん:いやいや大変ですよ。小規模校なので都合上、上のクラスに紛れ込んでいるだけですから。同じクラスに御三家や早稲田系列を狙う子たちがいるんですが、授業はその上位の子たちに合わせて進むみたいで、うちの子は微妙についていけないんですよ。

 Aさん:そうなんですよ。クラス数が少ないとクラス内で学力に差が出ます。早稲アカは校舎数が多いから、各校舎の生徒数もクラス数も少なくなります。うちは最初、近所の早稲アカの校舎に行ったんですが、そこは2つしかクラスがないんです。それで電車に乗って3クラスある校舎に通わせています。3クラスに分かれていれば学力に合った授業が受けられるそうなので。

 Cさん:ただ、うちの子に「分からないところがあれば質問に来て」と何度も声をかけてくれるんです。ちゃんとフォローはあります。それに予習シリーズは全部説明が書いてあるので家で分からないところを見直せるのは助かりますね。

予習シリーズが難しくなったが補助プリントも

 司会:早稲田アカデミーは予習シリーズ(四谷大塚発行)を使用していますが、いかがですか。

 Aさん:四谷大塚の予習シリーズを使っていますが、改訂で難しくなりましたよね。

 Bさん:そうなんですよ。テキストが難しい。ただ、うちの子のクラスは生徒が5人前後なので、先生がひとりひとりに目を配ってくれ、補助プリントをくださるのでそれを中心に勉強しています。

 Cさん:四谷大塚は入塾テストが難しくて、不合格だったという話はわりと聞きますよ。四谷大塚が実は大手塾でもっとも入塾テストのハードルが高いそうですね。その四谷大塚が作っている予習シリーズはそれなりの学力を求めるのでしょう。

 Bさん:早稲田アカデミーと四谷大塚の違いはそこかなと。四谷大塚はある程度の勉強ができる子を対象にしていて、早稲田アカデミーはうちの子みたいに学力が微妙でも手厚くフォローしてくれます。ただ、予習シリーズは難しいですよね。Cさんのお子さんぐらい偏差値があると、予習シリーズも合うのかもしれませんが。

 Cさん:算数とかはグノーブルの方が簡単だったかなと思うぐらいです。ただ、早稲アカは、授業や質問対応で分かるまで教えてくれます。質問が混んでいるから、諦めて帰ってきたら、講師が電話をくださったこともあります。

 Bさん:宿題をサボったら、注意するだけではなく、居残りで宿題をやらせてくれることも。下のクラスにも手厚いですね。塾によっては上のクラスには補講をするのに、下のクラスにはしないというところもあるとママ友から聞きましたよ。

 Aさん:Bさんのお嬢さんはいい先生に当たったんですよ。早稲アカは校舎が多いので、校舎長や講師の質にばらつきがあるように感じます。ちょっとそこは気になります。

校舎や講師によって当たりはずれも

 Cさん:分かります。異動が多いですね。校舎長の人柄も気に入って入塾させたのに、小学5年になったら違う校舎に異動になってしまって。

 Bさん:講師も異動がありますよね。今、うちの子は穏やかな先生に教わっていますが、熱血の先生になったら合わないかもなと思っています。大手だと先生が変わる可能性が大きいので。

 Cさん:でも、思ったより体育会系というわけでもないですよね。うちの子は熱血の先生に教わっていますが、怖いことはないし、問題ないって。前にいた塾の方が厳しい先生がいて、テストで点数が悪いと強めに注意された生徒もいたそうです。

 Aさん:うちの子も先生が怖いとはいいませんね。ハチマキも巻かないし、体育会系という感じではないですね。

 Bさん:小学6年になるとハチマキを巻く子も増えるみたいですよ。それでうちの娘はハチマキは絶対に嫌だというので、入塾の前に質問したら「巻かなくても大丈夫ですよ」といってくださったので安心しました。

 司会:早稲田アカデミーが体育会系からの脱却を試みているとは聞きますね。

 Bさん:でも、ちゃんとしつけもしてくれますよ。私語厳禁ですからね。落ちついて授業が受けられます。

 Cさん:うちも同じです。転塾の時に他の塾の体験授業を受けましたが、授業が騒がしいところもあったので、娘本人が「早稲田アカデミーはうるさい生徒がいないからいい」というので選びました。私語厳禁は当たり前です。騒ぎながら授業をするのがいいという発想は間違っていると思います。

 Aさん:お恥ずかしいのですが、うちの息子はおとなしく座っていられるタイプではないので、授業態度も教えてくれる塾を選びました。

 司会:みなさん、早稲アカへの満足度は高いようですが不満はありますか。

 Aさん:早稲田や慶應の系列中学への合格実績の高さやNN志望校別コースが看板なので、小学6年になるとそれ以外の子にはちょっと手薄いとは聞きますね。ただ、まったく面倒を見てくれないわけではないようです。中には最上位クラスしか見てくれない塾もありますからね。

 Bさん:先にもいいましたが、先生たちの異動が不安ですね。あと、うちの子のクラスは今は超少数制なのでいいんですが、人数が増えるとまた感想も違ってくると思います。

 Cさん:うちの子の場合、宿題が難しくて多いから苦戦していて、私が先生に相談して調整してもらいました。私はそういう交渉ができますが、遠慮がちな親御さんだとなかなか先生にいえなくて苦労することもあるかもしれません。

まとめ

 老舗の四谷大塚、合格実績トップのSAPIX。それらに対して、早稲田アカデミーは追随する立場の塾だ。そのため、サービスの点で優れる。また、校舎が多いので通塾の利便性が高い。下位のクラスに対しては補助プリントも使用し、幅広い学力の生徒の面倒を最後まで見てくれる塾であるようだ。