慶應義塾大学に通う教え子との再会
先日、各校舎を巡回しているときに、昔教え子だった講師に会いました。自由が丘校のA先生です。彼女は現在慶應義塾大学に通いながらテスティーで働いているのですが、10年前は生徒としてテスティーに通っていました。
教え子が大学生になって先生をやってくれることは、私にとって最も大きな喜びです。働く場所として選んでくれるということは、テスティーに通って良かったと思ってくれているということですから。
順風満帆ではない彼女の中学受験
さて、彼女は中学受験で女子最難関の慶應義塾中等部に入学したのですが、余裕を持って合格という成績だったわけではありませんでした。
小学4年生のときにテスティーに入塾してからはそれなりに伸びつつも山あり谷ありで、小学6年生の秋に大きく成績が落ち込むこともありました。しかし、そんな困難も乗り越えて合格を勝ち取った彼女のストーリーは、現役で受験を控えたお子さんにとっても参考になる部分が多いはずです。
そこで、今回は彼女の合格の秘訣をシェアしようと思います。
成績が上がるコツは「意味を考えながら解くこと」
Aさんがテスティーに入塾したきっかけは、算数が苦手で、「SAPIXに通っているだけでは学力が伸びないな」と悩んでいたからだそうです。小学1年生になる2月(つまり年長さん)のときからSAPIXに通っていたのでなんとか付いていけたものの、小学4年生になり本格的な受験カリキュラムが始まって、限界を感じていたのでした。
限界を乗り越えることができた彼女の合格の秘訣その1。それは、わからない問題があったらテスティーで必ず聞いて解決したことでした。
集団授業は授業中に質問をしにくいけど、1対1の個別指導だとわからないことはすぐにその場で聞ける。「これはいいな」と思ったそうです。当時久我山にしかなかったテスティーに、わざわざ自由が丘の方から通ってくれました。
そうしてテスティーに通い始め、すぐに結果が出てクラスが上がった彼女ですが、小学5年生のときにまた成績が伸び悩む時期が来ました。小学5年生の算数は矢継ぎ早に新しい単元が出てくるので、それをこなすだけで精いっぱいになってしまったのでした。この問題は多くの子がぶつかる壁です。
その時期を乗り越えた彼女の勉強の秘訣その2。それは「意味を考えながら解く」ということでした。彼女はもともと暗記科目が得意だったのですが、算数も意味を考えないまま式や解き方を丸暗記して解いてしまうクセがありました。得意なことが裏目に出てしまっていたんですね。
小学5年生のときにテスティーで担当していた講師が、そのことに気づいて指摘したことで、言われた彼女自身もハッとしたそうです。覚えただけでわかった気になってはダメだと自覚してから、勉強のやり方を変え、一つひとつの解説をじっくりかみ砕いて読むようになりました。
こういうちょっとした意識や勉強方法の違いが、成績に大きな差を作ります。今回の「丸暗記算数」のようなケースだと、問題が簡単なうちはそれでもできてしまうので、それがダメだということに自分では気づけないこともあります。悪いクセがあったら、早めに大人が気づいて教えてあげたいですね。
過去問の繰り返しが成績を大きく伸ばしてくれる
小学6年生になって、第一志望が青山学院中等部から慶應義塾中等部に変わりました。絶対に無理というわけではないですが、成績的には合格への道はかなり険しいのが現実でした。
第一志望というのは、自分の実力相応ではなく、背伸びをして目指すものです。ですから、合格への道が険しいというのもまた、多くの子にとって共通することだと思います。
その困難な目標を成し遂げた彼女の合格の秘訣。それは過去問をやり込んだことでした。一般的な書店で売っている過去10年分の過去問に加え、テスティーに置いてあるもっと古い過去問も使い、自分の生まれた年の入試問題までさかのぼって解いたのです。
そういった話を聞くと、とても大変なことをやらせたように思うかもしれませんが、彼女はむしろ楽しんでやってくれました。過去問を解く方が普段の勉強をするより楽しかったそうです。テスティーで慶應義塾中等部に合わせた対策をしていたので、解くたびに自分の成長を実感でき、それが楽しかったのでしょうね。
学校ごとに入試の傾向はバラバラです。例えば同じく女子の中で最難関の桜蔭がとても難しい問題を出すのに対して、慶應義塾中等部は基礎的な問題の出題が多く、その分高得点勝負になります。それぞれ合格するために必要となる能力は全く違います。
ちゃんと志望校対策をしてその学校で問われる能力を磨けば、逆転合格するのはそれほど困難なことではありません。どうしても行きたい学校があるのなら、模試の判定だけであきらめるのはもったいないです。一般的な模試で測られるのは総合力であり、特定の学校への合格力ではないのですから。
中学受験成功に必要なのは当たり前を徹底すること
A先生の小学4年生から小学6年生までを振り返りましたが、長くなってしまったのでまとめます。
- わからないことがあったら必ず聞いて解決する
- 丸暗記するのではなく意味を考えて解く
- 志望校対策をし、過去問を徹底的にやり込む
こうして書いてみると当たり前のことばかりですね。結局のところ、成績が上がる子と上がらない子の違い、逆転合格できる子と不合格になる子の違いは、当たり前のことをやれているかどうかです。
成績を上げることはどのお子さんにも必ずできます。ぜひ当たり前のことを徹底して、成績アップ・逆転合格に導いてあげてくださいね。