早稲田アカデミー
出典: 早稲田アカデミーの公式サイト

最難関高校入試に最適化されたオリジナルテキスト

 メイン教材は教育開発出版「新中学問題集」で、これ以外にも他社の教材を組み合わせて使用している。それらとは別にオリジナル教材があり、その中には最難関校対策向けのものもある。

 最難関の高校入試では公立中学校の教育指導要綱の範囲を超える内容が出題される。しかし、市販の参考書や問題集ではその「超える範囲」の内容は載っていない。なぜなら、最難関の高校を受験する生徒の数はそう多くはないから、「超える範囲」を載せた教材を出版しても版元には利益が出ないからだ。最難関高校入試でしか出題されない「超える範囲」をカバーする内容の量と質が早稲田アカデミーのオリジナルテキストの強みだ。

ほぼすべての校舎で早慶対策ができる

 中学1年から中学3年はレギュラークラスと選抜制の特訓クラスがある。

 他の塾は多くの校舎を持っていても、難関高校……たとえば、早慶対策のクラスは一部の拠点校舎のみで行うことがほとんどだ。その場合、生徒は電車に乗って、その校舎まで通う必要があるが、中学生は部活もあるので通塾に時間がかかると負担が大きくなってしまう。

 一方、早稲田アカデミーで高校受験対策をしている校舎は全部で116あるが、すべての校舎の特訓クラスで早慶対策ができる。完成度の高いテキスト、そして、講師への研修を徹底させ、どの校舎でも同じ内容の授業ができるようにシステム化しているからだ。ゆえに早稲田アカデミーの早慶の合格実績は高くなる。もちろん、校舎には早慶のような難関私立以外を狙う生徒のためのクラスもあるが、それらもすべての校舎で同じ内容の授業が行われるようにシステムが構築されている。

 授業では、まず、前回の授業の内容を振り返る小テストをし、それからその日のテーマの内容を学び、最後にテストをし、理解して解けるようになっているかどうかを確認する。

 1クラスは15人から20人ぐらい。双方向式の講義で、一方的に講師がしゃべるのではなく、積極的に生徒に問いかけ、生徒がそれに答えていく。

「授業では天井を作らないようにしています。数学の授業では一つの問題に対して、いろんな解法を生徒に考えさせたり、教えたりしますが、そのときに『中学2年だから、ここまででいい』という上限を設けさせません。高度な内容にもチャレンジしていきます」(早稲田アカデミー ExiV西日暮里 校長 宇津城靖人さん)

 双方向式の授業といっても、生徒が自由に発言をし、効率が悪くなるものではない。教室内に「私語禁止」と大きく書かれるように、生徒は勝手にしゃべり出すことはしない。授業の最初にはちゃんと挨拶もし、行儀も教えていく。

「勉強をする姿勢も教えていきます」(高校受験部長 酒井和寿さん)

 そのため、授業崩壊が起きにくい。落ち着いた環境で授業が受けられる。

気さくで明るい「本気でやる子を育てる」講師陣

 早稲田アカデミーの講師というと、体育会系というイメージがあるが、実際には前時代的なスパルタの厳しい指導をする講師はまずいない。明るく快活な講師が多い。

 ただ、「本気でやる子を育てる」という方針に沿い、生徒のモチベーションを上げるようにしていく「熱さ」「純粋さ」といった体育会系の良い部分は残していく意向とのことだ。気さくで明るい雰囲気の講師が多く、生徒は緊張せずに講師と接することができるが、一方で、講師と生徒がフラットな友達感覚ではない。

「教室は道場のようなもので、講師は師範で生徒を指導する立場です。そのため、統率力が必要だと考えています」(酒井さん)

体系化された研修でどの校舎でも同質の指導を受けられる

 塾が規模を拡大していくことの難しさは、講師の質を保つことだ。やみくもに講師を増やすと、授業のクオリティが下がっていくことがしばしばある。そうならないようにするためには、研修を体系化させ、すべての校舎で同じ内容、同じクオリティの授業をするようにしていく必要がある。

 中学受験部門と高校受験部門が完全分離している塾もあるが、早稲田アカデミーはそうではなく、中学受験対策も高校受験対策も両方できる講師が多い。

 また、早稲田アカデミーは大手塾のため塾の卒業生が多く、彼らから高校の情報も入ってくる。そして、模試などの数値データも豊富に持っている。それらの情報を利用し、受験校選びのアドバイスができるように講師に研修をしている。

 講師と保護者との面談は年に最低2回。中学3年の11月には受験校選びの面談が始まるが、1回、最低でも30分はかける。難関高の推薦入試は内申点だけでは通用せず、筆記試験や面接試験が重視される。それらの対策ももちろん体系化し、どの校舎でも同じ内容で指導ができる。

小学生向けKコースとExiV

 早稲田アカデミーの高校受験対策は小学5年(小学4年)からスタートだ。英国数の基礎固めをし、小学6年の2~3月は中学の内容を学んでいく。特徴は英語で「Online English Education」という1対1のオンライン授業がある点だ。塾の授業で学んだ文法を、外国人講師との会話で復習し、受験英語にも対応しながら、「書く、読む、聞く、話す」の4技能を習得していく。

 早稲田アカデミーには、ExiVという旗艦校舎が御茶ノ水、渋谷、新宿、西日暮里、たまプラーザの5カ所にある。先に述べたように、早稲田アカデミーの強みは116校舎で早慶などの最難関校対策の授業が同じ内容、同じクオリティで提供できることだが、ExiV校舎ではさらにワンランク上のクラスが設置されている。

 首都圏で「早稲アカのExiV」は最難関高校受験を目指すブランドとして広く認知されている。そのExiVの中でいくつかのクラスがあり、「S1」「S2」クラスは都立・県立難関校やMARCH附属高を、「SK2」「SK3」クラスは慶應女子高・国立附属高、早慶附属高、都立・県立最難関高を、そして、最上位の「SK1」クラスは筑駒や開成をターゲットにしている。

早稲田アカデミーに合う生徒と合わない生徒は?

生徒が自走(自立して勉強をすること)できるように導くのが早稲田アカデミーです」(宇津城さん)。

 一定以上の学力の生徒をターゲットにしている塾であり、内申点をあげるために手厚く指導をするわけではない。定期テスト対策の前に、通常のカリキュラムをストップすることもない。そのため、定期テスト対策や内申点を上げるための指導を重点的に希望する生徒は、その点を得意とする塾に行った方がいいかもしれない。