駿台高校部は塾 駿台予備学校は予備校
中学生が通う進学塾・学習塾に駿台中学部がある。こちらの卒業生たちから「同じ塾の同じ校舎に通いたい」という要望が多く出たため、2017年に高校部が開設された。
中学部には「高校受験コース」と「大学受験コース」がある。
「高校受験コース」は、公立中学の生徒が高校受験合格を目指すためのもの。高校受験対策の塾は、公立中学の内申点を上げるための指導をするタイプか、学力を伸ばして高校の一般入試の突破を目指すタイプかに分かれるが、駿台中学部はもちろん後者である。定期テスト対策はせず、東京や千葉のトップ校の合格を目指す。
中学3年の2学期から始まる「志望校別スーパー特訓」には、「都立TOP校コース」(日比谷、西、戸山、青山、国立、立川、新宿など)、「都立共通問題コース」(小山台、三田、駒場、竹早、小松川など)、「千葉公立TOP校コース」(県立千葉、県立船橋、東葛飾、千葉東、薬園台、市立千葉など)の公立高校合格を目指すものと、「開成・国立コース」(開成、筑波大附属駒場、東京学芸大附属、筑波大附属)、「難関私立コース」(MARCH附属、ICU、広尾学園など)といった難関私立や国立高校合格を目指すコースがある。
もうひとつの「大学受験コース」は中高一貫校の生徒のためのもので、中学1年から大学受験に向けて学習をしていく。中高一貫校向けの塾は進度がとても早いところも増えているが、駿台中学部は公立中学よりも1年程度早い。むやみな先取りをすると基礎が抜け落ちることもあり、学習の内容が身につかないことも多いからだ。
この中学部の生徒から、高校進学後も同じ塾に通い続けたいという要望があり、駿台高校部ができた。
講義と演習を組み合わせた授業で学力アップを目指す
駿台高校部の1クラスは5人から20人ほどで、ときには3人ぐらいのクラスもある。予備校の授業は予習してきた内容の解説が中心となるが、駿台高校部では授業で習った内容を復習をしていく。
授業ではまず、前回の授業の確認テストをする。その後、講師がその日学ぶ内容を説明するが、生徒を指し、発言させる。
一回の授業は60分(確認・講義・演習)+60分(講義+演習)の2時間。ひと月の授業回数を1科目3回までとし、学校の学習や部活動を優先したい高校生も通いやすくしている。
授業をコンパクトにし、その分野を学習するのに重要なポイントを中心に指導する。そうすることで復習しやすくし、確実に学力を上げられるようなカリキュラムになっている。やみくもに情報量を多くインプットはしないし、過剰な量の問題を解かせることもしない。
少人数制でありながら、全員がプロ講師
駿台予備学校同様に大学生のアルバイト講師はおらず、プロ講師が授業をする。離職率が低く、キャリアを積んだベテラン講師が多いため、授業の技術が高く、知識量も豊富だ。
少人数制なので、授業以外でも講師と生徒の距離は近い。わからないところを質問すれば、講師が丁寧に答える。また学習方法の相談にも応じる。
授業中の生徒の様子やクラス状況・学力状況を進路アドバイザー(教務サイド)と情報共有し、きめ細やかに大学受験に向けて指導していく。
専用テキストで「原理・原則」をしっかり身につける
駿台高校部専用のテキストを使用する。シンプルだが、その分、講師は授業で知識を駆使でき、生徒たちの様子を見ながら授業でどこまで掘り下げるかも調整ができる。予習を必要としないため、授業と復習(宿題)が中心となる。
クラス分けをしていないから、テキストも全員が同じものを使用する。
「どの大学を狙うにしろ、重要な原理原則の部分は同じだからです。その部分をキチンと学習することで難関大学に合格できます」(駿台教育センター高校部 統括 堀口一義さん)
ちなみに入塾テストは基本的にないが、授業についていくのに苦戦する生徒がいても、少人数制なのでフォローができる。進路アドバイザーが学習方法などの相談やアドバイスをしてフォローしていく。
オンライン授業や録画授業にも対応
体調不良や部活動が忙しいなどの理由で、生徒が校舎にいけない日も出てこよう。そういったとき、自宅にいながらいつもの授業にリアルタイムで参加できる。タブレットやスマートフォン、パソコンを使用し、授業の視聴が可能だ。やむを得ず、リアルタイムで受講できない場合は、録画した授業を2週間視聴することができる。
AI教材「atama+」や質問アプリ「manabo」を導入
駿台では、「駿台予備校」も「駿台高校部」も学習にタブレットを導入している。高校部でリアル授業を受講している生徒は、無料でAI教材「atama+」を全教科で利用できる。
診断テストで理解度をチェックし、苦手になっている分野の根本的な原因を見つけ、学年をさかのぼってAIが最適な問題を提示する。基礎の抜けなどを補完することで苦手を克服していく。また、理解度が低い分野は講義動画でインプット学習、学習がうまくいっている分野は問題を解いてアウトプットするなど、AIが生徒に合わせてカスタマイズしていく。
従来なら、家庭教師や個別指導を利用しなければならない「個々に合った学習カリキュラム」の作成が、「atama+」があれば生徒ひとりで行うことが可能だ。これにより隙間時間などの活用もでき、効率的に学習ができる。
また、質問アプリ「manabo」を通して、オンラインで質問をすることが可能だ。予約はいらず、音声通話、チャット、ホワイトボード、画像共有によりリアルタイムで答えていく。対応をするのはPT(プライベートティーチャー)という現役大学生を中心としたオンライン家庭教師たちだ。
わからない問題を撮影し、「manabo」アプリに投稿するとオンライン指導がスタートする。これによりわからない問題を放置せず、その場で解決できるようになる。質問のために校舎に行く必要もなく、利便性が高い。
駿台高校部に合う生徒・合わない生徒
駿台高校部は英語と数学をメインに指導している。
「文系・理系を問わず、英語と数学の勉強の仕方を身につけることができれば、ほかの科目も自分で学習できるよう素養・土台が固められるからです」(駿台教育センター高校部統部 堀口一義さん)
数学は論理的な思考力を身につけるのに、英語は暗記などの方法を覚えるのにいい科目だからだ。そのように、生徒が自分で学習ができるように、勉強の仕方を教えていく方針である。そのため、学習習慣から管理してもらいたいといった、過保護さを求める生徒には合わないかもしれない。
駿台高校部の基本情報
校舎数 |
12校舎 |
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授業料 |
HPからご確認ください。 ※変更の可能性がございますのでご確認の程お願いいたします。 |
自習室の有無 | あり |
質問対応 |
授業の前後や自習室利用時に個別対応、 またはオンライン質問システムにて自宅から質問可能 |
専任講師の比率 | 100% |