
予習必須の授業で、効率的に学習を進める
教科によっては予習が必要で、問題を事前に自分で解いておく。
「解答時に根拠がはっきりしていなくてもいいから、問題を解いてきてほしいと伝えています。授業の前に何を学ぶのかに触れておくだけでも、授業での理解がまったく違います」(運営1課責任者 木村啓人さん)
授業は基礎から丁寧に指導。2学期からは実践力を養うために、演習と解説が中心。全校舎で同じオリジナルテキストを使うので同じ内容の授業を受けられるが、講師によってはオリジナルプリントを使用して授業をすることもある。
授業は平均15人程度の少人数制。席順は自由。一人ひとりの生徒の表情を見て、理解度を把握しながら授業を行う。授業中に指名して答えさせることもあり、生徒の理解度を把握したり、生徒の集中力を保ったりする工夫をしている。
受験の最前線で活躍するプロ講師が授業を行うため、授業の質には定評がある。授業では「早稲田を受けるならこれも覚えるべき」「青学で頻出のタイプの問題」といったふうに、生徒が目指すところに合わせた解説もする。
授業は基本、すべて録画しているので、欠席した場合はいつも受講している授業を映像で見ることができる。自宅でも見ることができるが、校舎に来て視聴することを推奨しているため、校舎で録画を見る生徒が多いとのことだ。視聴用のパソコンも用意されている。
スケジュールを決め、自習室で学習する「強制自習」

「増田塾は復習に重きを置く塾です」(木村さん)
授業ではテキストを使うが、宿題は別に課題を出す。これらの宿題に、生徒たちは自習室に来て取り組む。
授業の内容は約1週間後にチェックテストがある。これにより、1週間の自習でいかに授業の内容が定着しているかを確認できる。基礎が抜け落ちていると判断すれば、その部分を補強するためのフォロー課題を出す。このように、授業がない日に何を学習するかは、チューターと相談して決めていく。そして、校舎の自習室に来て学習をする。
「自宅は誘惑が多く、なかなか勉強に集中できないことも多いです。そのため、高校生は『学校が終わった後の何時から自習室に来よう』とチューターや社員とスケジュールを決め、高卒生は毎日朝から自習室に来させて学習させます」(木村さん)
これを増田塾では「強制自習」と呼んでいる。自習室はブースになっていて、隣の席とついたてで区切られている。席は基本、自由に選べる。定期的に塾のスタッフが見守っているので、スマートフォンで遊んだり、居眠りをしていたりすると声をかけられることも。
見学した吉祥寺校は教室は小さいが、通路に面した側はガラス張りになっているので、開放感があった。
頻繁に面談を行い、学習プランを設定
まず、2週間に一度、「個別学習サポート」の面談がある。チューターが30分ほどかけて、生徒と学習プランを練る。主に直近2週間の予定を組んでいくが、部活動が忙しい生徒の場合は学習量を調整し、引退してから集中的に学習量を増やすなどの長期的な計画も考えていく。
この「個別学習サポート」の面談がない週には「自習サポート」の面談があり、スケジュール通りに進んでいるかを確認する。苦戦している生徒がいたら、自習に来るたびにチューターや社員などが声をかけてフォローをしていく。
また、1カ月から1カ月半に一度は、進路指導を担当する社員が生徒や保護者と面談を行う。塾内模試の結果などを踏まえつつ、学習の予定や目指す大学を話し合っていく。運営会社が同じである、栄光ゼミナール大学受験ナビオと連携した受験情報を提供している。
経験豊富なプロ講師や社員講師が在籍

授業を行うのは他の予備校でも指導している、キャリアがあるプロ講師や社員講師たち。穏やかな雰囲気の授業をする講師が多く、落ち着いた環境で学ぶことを希望する女子生徒とも相性がいい。そのためか、高卒生のクラスにも女子の姿が少なくない。
自習の管理は大学生のチューターが行う。チューターは全員が増田塾の卒業生。生徒の高校の卒業生が校舎にいれば、その生徒を担任することも。
志望校別対策は秋以降に
夏までにしっかりと基礎を固めてから、高3の秋以降に志望校別対策を始める。難関私立文系対策を専門とするので、早稲田大学対策、上智大学対策、青山学院対策、立教大学対策などの志望校別の講座に加え、共通テスト対策や英語外部検定試験対策の講座もある。
高卒生は4月から志望校別対策をする予備校もあるが、増田塾では高卒生も夏までは基礎を中心に指導し、志望校別対策は秋以降に行っていく。
高卒生にも対応している
高卒生が通うのは予備校で、大人数の授業というイメージだが、増田塾は高卒生の指導にも力を入れている。チューターと「朝の何時から自習室に来よう」といった予定を立て、授業がない日も勉強ができる。吉祥寺校の夕方の高卒生向けの授業にも、生徒たちは自習室から教室に移動して授業を受けていた。
オプションで個別特訓も用意
「個別特訓」という名称の個別指導も受講することができる。講師を選ぶことができるのが特徴だ。授業を担当するプロ講師と、チューターも指名できる。志望校別対策を集中的にマンツーマンで行いたい時には、その大学の指導に長けた講師を選ぶことができる。ちなみに、授業料は学生講師とプロ講師で異なる。
増田塾に合う生徒、合わない生徒
「強制自習」というキャッチコピーの通り、自習室での学習をしっかりと管理する。そのため、学習管理をしてほしいと考える生徒にとってはとても合う塾だろう。スケジュールも一緒に考えて調整してくれるため、部活動などでなかなか勉強に時間が割けない場合は、長期的なプランを考えてくれる。徹底して学習を管理してくれる塾である。
一方で、管理されるのが苦手、自分で管理ができる、自宅で学習したいといった生徒には向いていないだろう。
増田塾の基本情報
校舎数 |
9校舎 |
---|---|
生徒数 | 非公表 |
授業料 |
【高1生・高2生】 英語(各2コマ):各16,500円/月(税込) 国語・数学(各1コマ):各11,000円/月(税込) 【高3生】 英語・国語(各1コマ):各12,100円/月(税込) 選択科目(各2コマ):各24,200円/月(税込) 【高卒生】 受験5科目セット 84,800円/月(税込) その他学年コースによって、入塾金、各講習費用がかかる。 |
自習室の有無 | あり。校舎の開室時間にいつでも利用可能。 |
質問対応 |
講師による質問対応(授業前後)、チューターによる質問対応(自習中) |
授業の生徒数 | 集団授業の場合、1クラス15人程度。 |
専任講師の比率 | 集団授業はすべて、社員講師もしくはプロ講師が担当。 |
生徒の男女比 | 非公表 |