栄光ゼミナール(中学受験)とはどんな塾か?
栄光ゼミナール(中学受験対策)は、「徒歩で通える地域密着塾」である。校舎数が多いので、いろんな街にある。そのため、「送り迎えができないので子供が徒歩で通える塾がいい」というニーズに合う。
また、地域密着型の塾らしく、少数制で面倒見がいい。それでいてZ会グループという大手教育産業の傘下なので、コンプライアンス意識の高さなどの安心感もある。
テキストは分かりやすい「新演習シリーズ」
テキストは同じZ会グループのエデュケーショナルネットワークが作る「新演習シリーズ」。基礎を重視した内容で、非常に分かりやすい内容になっている。
中学受験対策では、学校の教科書には載っていない事項も学習する必要がある。そのため、理科のテキストはカラーで図や写真を使い、生徒がはじめて触れる内容を理解できるように分かりやすく説明が書かれている。ひらがなと漢字の量のバランスがよく、小学生が抵抗感なく読める内容になっている。
一方、算数は最初に説明が書かれず、まず端的に「なにを学ぶのか」の要点が書かれ、それから例題に入る。算数に関しては問題を解いていくことで学んでいくという方向性のようだ。全体として、「とにかく分かりやすい」が特徴的なテキストだ。
四谷大塚偏差値で60ぐらいの中堅上位校までに対応しており、それより難易度が高い学校を受験するならば、その対策は志望校対策講座などで別に行っていく。
実直で穏やかな講師が多い
実直で穏やかな講師が多いのが特徴。女性講師の定着率も比較的高い。子供もいる女性講師も活躍し、年齢にも幅があり、女性の教室長もいる。お迎えにいった保護者が気軽に話しかけることができる。
「初対面で生徒を呼び捨てにする」といった旧来型の体育会系講師はいない。
授業は少人数制で、教室がガラス張り!
校舎数が多いため、ひとつの校舎の生徒数が少なめになり、少数制なのが魅力だ。教室も自習室もすべてガラス張りで開放感がある。
私が見学したのは浦和校の理科の授業だ。まず、復習テストをし、それからその日学ぶ単元の説明に入っていく。
講師が板書をし出すと、いたずらが好きそうな生徒が友達にちょっかいを出そうとする。その瞬間、講師がその生徒をさして、問題の答えを尋ねる。やんちゃざかりの小学生たちに集中して授業を聞かせるためのスキルを持っている。
このクラスは20人以上だったが、通常は10人前後の授業が多いから、講師がひとりひとりに目を配るので学級崩壊のリスクが少ない。授業は丁寧で分かりやすく、進度も比較的ゆっくりで、6年生の夏前までにすべてのカリキュラムを終わらせる。
豊富なコース設定で、難関校受験から公立中進学まで対応
栄光ゼミナールは多くのコースを設けているのが特徴だ。小学生向けのコースは難関私国立中入試対策、中学入試対策、公立中高一貫校受検、公立中進学などのコースがある。中学受験対策をしていたが公立中学進学に変更して、高校受験に目標を定めるという場合もコース変更ができる。
公立中高一貫校は都道府県や学校によって入試傾向が違い、それに合わせた対策が必要となってくる。栄光ゼミナールでは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、宮城県、栃木県、茨城県、京都府の公立中高一貫校対策に対応している。
公立中高一貫校入試では作文や記述問題が多いため、それに対しての準備が必要だ。栄光ゼミナールでは作文指導にZ会の「作文コース」を採用し、添削のプロが丁寧に答案を採点し、それに栄光の担当講師がコメントをつけて返却する。
中学受験塾の多くは、公立中高一貫校対策にはそう力を入れていない中で、栄光ゼミナールは例外的な存在ともいえよう。また、栄光ゼミナール内の公立中高一貫校受検コースとは別に、都立中高一貫校対策のための『E-style Produced by 栄光ゼミナール』という別ブランドの塾も展開している。
そして、一度見学してもらいたいのが科学実験教室の栄光サイエンスラボだ。
現在、中学入試で理科の実験問題が増えている。実験問題は座学だけではなかなか理解しにくく、記憶としても覚えづらい。そのため、実験教室の人気が高まっている。
その中でも栄光サイエンスラボは少数制で、かつ、実地校舎が多いので(東京都・麻布十番校、勝どき校、吉祥寺校、経堂校、自由が丘校、高田馬場校。神奈川県・鷺沼校、センター北校、武蔵小杉東急スクエア校、横浜校、千葉県・新浦安駅前校、埼玉県・南浦和校)通いやすいのが特徴だ。コースはキンダーコース(年中生)、プレップコース(年長生)、バチュラーコース(1年生・2年生)、マスターコース(3年生・4年生)、ドクターコース(5年生・6年生)、中学受験コース(5年生・6年生)。
また、授業をすべて英語で行うイングリッシュコース(1年生から3年生までのガリレオクラスと4年生から6年生のエジソンクラス)がある。こちらは英検3級レベルで、入塾前にレベルチェックがある。
実験授業はまず講師がその日に行う実験について説明をし、生徒たちが実験結果を予想する。それから実際に実験をし、答え合わせをさせる。
その日は蒸発の実験で、試験管に液体を入れ、それをバーナーで加熱する。小学校ではバーナーを使った実験をしないことも多い中で、そういった実験ができることは経験や教養を得ることにもなろう。
私が見学したドクターコースでは、中学受験を間近に控えた生徒たちが多く参加しており、中学入試を意識した指導も行われていた。例えば、「結果を記述する時に、"濁った"ではなく、"白く濁った"と具体的に書くように教えています」と、担当講師は指導していた。
栄光ゼミナールは共働き家庭にも向いている
栄光ゼミナールは共働き家庭こそ中学受験を、と勧めている。「家庭にはできるだけ負担をかけない指導」を心がけている。
一般的に学童保育は3年生までが対象のところも多い。そういった家庭が4年生から栄光ゼミナールに入れれば、子供は自力で徒歩や自転車で塾に通える。
授業がない日も自習室に通って、勉強ができる。自立自習室「i-cot」はガラス張りで、学習をしている生徒の様子をスタッフが見守る。分からないところがあれば、随時、講師やスタッフが質問に対応してくれる。保護者が子供の勉強を全部管理できるわけではない場合は向いているだろう。
また、成績順で席を決めることもしないし、過剰に競争心を煽って、スパルタ指導でとにかく勉強をさせ、少しでも偏差値が高い学校に入れようとするという塾風ではないので、なにがなんでも難関校という希望がある場合は合わないこともあろう。
そして、栄光ゼミナールに通っている生徒が「御三家を受けよう」となった場合は、同じZ会グループ傘下にある「最難関中学受験専門塾 Z会エクタス栄光ゼミナール」と「栄光ゼミナール中野校 最難関女子中学受験専門館」に通うこともできる。前者は筑波駒場や御三家を目指す生徒のための塾で、後者は桜蔭と女子学院対策の塾だ。それらに転塾したり、志望校対策講座だけ受講しにいったりもできる。
保護者は栄光ゼミナールをどう思っている?
栄光ゼミナールの基本データ<中学受験対策>
校舎数 | 中学受験197校 |
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生徒数 | 非公表 |
年間にかかる費用 |
小学1年生(2科) 11,220円
その他、学年・コースに応じて、以下の費用がかかる。 |
自習室の有無 | あり。教室の開室時間にいつでも利用可能。 |
質問対応 | 授業の前後や自習室の利用時に、個別に対応。 |
1クラスの生徒数 | 10名程度 |
専任講師の比率 | 非公表 |
生徒の男女比 | 非公表 |