立教大学 新座キャンパス
立教大学 新座キャンパス 出典:立教大学の公式HP

興味のある学びができることを目標に 

 司会:まず自己紹介をお願いします。

 Aさん:立教大学 観光学部 観光学科4年生です。現在は地域の観光資源やまちづくりについて学んでいます。九州の県立高校出身で、3年間弓道部に在籍していました。高校3年の春から地元の個人経営塾に通っていました。

 Bさん:上智大学 文学部 新聞学科3年生です。ジャーナリズムを学んだり、マイノリティなど社会学的な視点からメディアを学んだりしています。中高一貫の都立校出身で、6年間バドミントン部でした。高校1年の冬から東進ハイスクールに通っていました。

 Cさん:関西大学 社会学部 社会学科3年生です。現在はメディアコースを専攻し、テレビや音楽、広告など幅広いメディアについて学んでいます。関西の県立高校出身で、吹奏楽部で3年間活動しました。高校2年の秋から河合塾マナビスに通い始めました。

 司会:現在通っている大学を選んだ理由は何ですか?

 Aさん地元の観光資源を使った魅力的なまちづくりに関心があって、それを学びたいと思っていました。経営にも興味があったので他大学の経営学部も出願していたのですが、立教大学には観光学部があると知って、より観光に特化した深い学びができそうと感じて受験しました。

 Bさん:実は東京の国公立が第一志望だったので、上智は共通テスト利用で滑り止めなんです。もともと汎用性が高いからと法学部を受験していたのですが、受験結果が出そろった時、シンプルに「新聞学科の授業が面白そう」と感じて最終的に入学を決めました。

 Cさんメディアや心理学に興味があったので、それらを学べることが前提でした。ただ部活が忙しくて、勉強がほかの受験生より遅れている自覚があったので、「5教科も勉強するのは大変!」と思って3教科で受験できる私学を目指しました。あと、実家から通える距離かどうかも個人的には大事なポイントでしたね。

高校の部活動と勉強の両立で苦労も 

 司会:高校時代の部活動の様子を教えてください。

 Aさん:もともと祖母が弓道をやっていて、そのかっこいい姿に憧れがあって入部しました。

 週6の部活に加えて日曜にも自主練をしていたので、練習はほぼ毎日でしたね。弓の引き方や放し方の型を繰り返し練習したり、家でゴム弓や巻藁という練習道具を使って矢を射たりしていました。

 Bさん:かっこいい! 

 私は、運動が好きだったことと、男女が一緒に練習するバドミントン部では、「女子が男子に勝てる」と燃えて入部しました。高校2年の時にケガの影響でマネージャーになったのですが、中学1年で入部してから6年間続けました。

 練習は週6か週7で、学校ではショットの100本ノックやペアの実戦練習をやり込み、家では素振りやフットワークの練習。マネージャーになってからも、練習メニューを作る仕事が増えたので変わらずに忙しかったです。

 Cさん:運動部のストイックさってすごい!

 私は中学と同じ部活を選び、吹奏楽部で3年間クラリネットを演奏していました。練習時間は2人と同じ感じで、登校日は放課後に3時間、休日はほぼ丸一日。個人とパート練習に分かれたり、本番が近づくと全体で合奏練習をしたり。私も、テスト期間は楽器を家に持ち帰って自主練することもありましたが、持って帰る時はやる気はあっても、家に着くとなかなか……っていう(笑)。

 Bさん:あるあるだね。お察しします(笑)。

 司会:勉強との両立で大変だったことは?

 Aさん:もちろん大変だったとは思いますが、それが当たり前みたいになっていたからなあ。学校の弓道場が小さくて、前半と後半で分かれて練習していたので、空いている時間に皆と勉強するのも楽しかったですし。

 でも、学校の小テスト前の土日に大会が入って、丸一日潰れる時は大変でしたね。「明日までにこの範囲を勉強しないと!」と焦って、大会のお昼休憩に問題を解いたりしていました。

 Bさん:志望校が難関校だったので、学校の授業だけではカバーしきれないと感じながらも、部活が忙しくて勉強の時間が取れない焦りがありました。高校1年の冬頃は、「あの子はあんなに勉強しているのに」と比べてしまうこともありましたね。

 これはまた後で話しますが、通っていた東進ハイスクールでは、同じ学年と志望校の子が集まるグループ内で、今週の進捗を発表するミーティングがあるんです。そこで英単語アプリの進捗などがすべて共有されるので、自分の至らなさが明白になって……。

 Cさん:私は時間の焦りもそうですが、眠気と戦うのが大変でした。特に高校1年の時は、慣れない環境で授業と部活を続けて家に帰ると「とにかく眠い!」みたいな(笑)。課題や小テストが多い高校だったので、学校の勉強で精一杯だったと思います。

 練習に熱中し過ぎて、クラリネットパート全員が不合格になったテストが一度ありましたが、そのほかはすべて合格したので、学校の勉強とは両立できていた印象です。

両立の鍵は“スキマ時間”。自分だけの勉強法を確立して挑む

 司会:どのように両立していたんですか? おすすめの勉強法があれば教えてください。

 Aさん隙間時間の有効活用ですね。特に共通テストが近づく高3の11月からは、世界史の流れを覚えるために毎日ドライヤーをしながら教科書を音読していました。歴史上の出来事を単語ではなく流れで覚えることができるので、模試や共通テストの文章の穴埋め問題はすぐにわかるし、正誤問題では問題文に違和感を抱くアンテナが身につきました。おかげで本番でも高い点数を取れたので、おすすめの勉強法です!

 Bさん:ドライヤーの時間かあ、女子ならではの隙間時間ですね(笑)。

 でも、流れを覚えるという勉強法は私も似ています。私は日本史選択でしたが、石川晶康の『日本史Bテーマ史 講義の実況中継』を使って、金融史・貨幣史みたいなテーマ別に整理したり、金谷俊一郎の『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本』で歴史の流れを把握したりしていました。

 あと、自分で音読するわけではなかったんですけど、政治経済や倫理政経の読み上げの音声を聞いていました。それこそ、音声をイヤホンで聞きながら素振りやランニングをすることも。

 Cさん:「ザ・部活との両立」だね、すごい!

 Bさん:今思えばちょっと怖いよね(笑)。

 Cさん:ほかにもおすすめの参考書とかある?

 Bさん:そうだな。英語は『Vintage(ビンテージ)』や、古文では文法書をよく見返していました。間違えた部分の振り返りだけではなくて、その周辺も合わせてもう一回インプット! 数学は『理系数学の良問プラチカ』を使って苦手な類似問題を解きまくってアウトプットしていましたね。Cさんは使っていた参考書を覚えている?

 Cさん:日本史は鈴木和裕の『時代と流れで覚える!日本史B用語』。左ページに年表、右ページに穴埋めがあって見やすかったような。塾の教材と並行して使っていて、見開きの一覧で見たい時に使っていました。

 Aさん:2人とも覚えててすごいね。私は数学で青チャートを何回も解いていたのは覚えてるけど、ほかははっきり思い出せない(笑)。

 Cさん:もう4年前ですからね(笑)。でもAさんと同じく、隙間時間の活用はかなり共感します。私は高校まで片道1時間くらいかかったので、通学中は時間の使いどころだと思って。

 塾の先生に「とにかく単語は毎日やれ」と言われていたので、常にターゲットや古文単語を片手に電車に乗っていたし、座席に座ってノートを広げて問題を解くことも。電車には本当にお世話になりました。

スロースタートでも、自分のスタイルをコントロールして走る

 司会:塾はどのようにして選びましたか? また、実際に通ってみてどうでしたか?

 Aさん:最初は東進ハイスクールの体験に行ったのですが、映像授業よりも誰かの目が届く場所で勉強したいと感じて、個人経営の塾に決めました。動画を倍速にする癖やウトウトしてしまう勉強態度が合わなくて(笑)。それに、自分のペースを乱されずに集中できることも大事だったので、その塾に知り合いがいなかったことも好都合でした。

 Cさん:確かに、友達から休憩に誘われた時に、「ホントはこの問題だけ解いてから休憩したいんだよなあ!」っていう時はありますよね。

 Aさん:そうそう。さらにその塾は、何か教わるというよりも、わからないところを質問する自習型スタイルだったので、自分で勉強をコントロールしながら利用できた点も大きかった。

 ただ、苦手な数学に関しては、もっと追い込む環境に身を置いてもよかったのかなと。学校の先生が勉強を厳しく管理してくれてはいたのですが、塾では自由にできる分、数学の勉強をどうしても避けてしまうことがあったんです。苦手科目だけその科目に特化した塾に通うとか、もっと効率的な勉強方法があったのかもしれないと今は思います。

 Bさん: 私は、部活後でも通いやすいオンライン形式で、学校の優秀な子が多く通っていたこともあって東進ハイスクールに決めました。通ってみて思ったのは、塾のシステムにはメリット・デメリットのどちらもあること。例えば、勉強の進み具合や成績が可視化されるシステムは、負けず嫌いで、結果を認められることがうれしいと思える私にとっては刺激的でしたが、周囲と比べて落ち込んでしまう子にはよくないかな。

 あと種類が豊富なカリキュラムは、自分の苦手分野を把握して、どう進めていきたいかの軸を持っていた私にはいいポイントだったけど、チューターに勧められるままに手を出す子や、自分に必要な勉強を判断しづらい子には、単なるハードワークになってしまう危険性があるかもしれません。

 Aさん:確かにそうだね。でも部活で忙しくて時間が限られていると、ほかの子とのギャップを実感しながら、講義を組み合わせて必要な勉強をやり込んでいくスタイルも大事かも。

 Bさん:私は本当にそうでした。開示される成績に最初は絶望していましたが、勉強し始めると、やればやるほど伸びていって、だんだん周りの影響をよいプレッシャーだと捉えらえるようになりました。Cさんはどうやって塾を決めたの?

 Cさん:私は、自分一人では勉強の進め方がわからないし、「そもそも強制されないと勉強も質問もできない!」と思っていたので、自習型の塾より講義型がいいなと思っていました。ただ入塾時期が遅かったので、すでに授業が進んでいる集団塾に入るのは難しくて、最終的に河合塾マナビスに決めました。

 Bさん:実際に通ってみて、塾の長所や短所はあった?

 Cさん:学校の授業では教えてくれない、解き方の裏ワザを勉強できたところはよかったですね。教材もしっかりしていてわかりやすいので、基本的に参考書や問題集で困ることはありませんでした。

 動画授業では受講後、チューターに「今日学んだことを説明する時間」があるので、半ば強制的にアウトプットできて、その時にわからないことも質問できるので一石二鳥でした。ただ、動画を見ながらついウトウトしたりしちゃって、身に入っているつもりで勉強していても、実は内容を覚えていなかったりするのはダメだったなあ。それもあって、個人戦の感覚が強いように思えたので、対面での緊張感が欲しい人や友達と一緒に頑張りたい人には物足りないかも。

自分と仲間を信じて、明るい未来へ

 司会:最後に、受験生に向けて一言お願いします。

 Aさん:部活との両立の観点では、「隙間時間をうまく使ってね」と言いたいです。部活をしていることは、その分同じ環境にいる仲間が多いという強みもあります。周りの友達を巻き込んで、空いている時間に一緒に勉強するなど、自分たちならではの勉強法を探してみるといいんじゃないかな。

 Bさん:いい言葉! じゃあ私からは実践的なアドバイスを。他人と比べて落ち込む必要はまったくないけど、時には自分を客観視することも必要です。部活と勉強の両立は大変ですが、今何が必要かを考えて実行することをおすすめします。

 また、苦手科目は捨てて、得意科目を伸ばす戦法は“奥の手”です。私はどうしても伸びない数学から逃げてしまって悔やんだので、苦手科目にも上手に向き合って、「自分の可能性を信じてみてください」と言いたいです!

 Cさん:ほとんど言われちゃったから、短くまとめます(笑)。

 受験って、勉強自体はもちろん精神的にも大変なことが多いと思います。でも今頑張ったら、憧れの大学生活が待っています。大学は楽しいところなので、無理せずに頑張ってほしいなと思います。応援しています!

【取材協力者プロフィール】
Aさん 立教大学 観光学部 観光学科4年(女)、九州の個人経営塾、弓道部3年間

Bさん 上智大学 文学部 新聞学科 3年(女)、東進ハイスクール、バトミントン部6年間

Cさん 関西大学 社会学部 メディア専攻 3年(女)、河合塾マナビス、吹奏楽部3年間