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「引きこもり」するオトナたち

体重は40キログラム以上も増減!
5年間も苦しめられた「地獄の摂食障害」の日々

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第46回】

 地獄のような「引きこもり」の日々を送りながら、ひょんなきっかけから、アーティストとして“社会復帰”できた人もいる。

 前々回の当連載で紹介した、イラストレーターのKacco(カッコ)さん(43歳)。「引きこもり」や心の病などをカミングアウトした人たちが所属するプロダクション「K-BOX」の主宰者だ。

仕事中に突然、目まいや吐き気…
入院するも「摂食障害」で体重は激減

 Kaccoさんが引きこもったのは、28歳のとき。阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などが起きて、日本が漠然とした不安感に包まれていた95年頃のことだ。

 転職を繰り返した末、宅建の資格を取り、不動産関係の会社に勤めていたKaccoさんは、仕事中、目まいや吐き気、頭痛などに襲われるようになった。

 いまから振り返れば、そうした症状は、小さい頃から抱えていた。しかし、症状の出るスパンがだんだんと短くなってきて、ついには週に何度も現れるようになるなど、仕事どころではなくなってしまったのだ。

 そこで、内科で診てもらったものの、原因はわからずじまい。神経内科へ行ってみても、「どこも異常がない」といわれた。

 その後、紹介された脳外科に検査入院。仕事も辞めた。しかし、原因はやはりわからなかった。

 病院の食事は、食べては嘔吐の繰り返し。入院生活は長くなった。

 そのうち、食べ物に対する恐怖感が強くなり、食事を運ぶ台車の音がゴロゴロと聞こえてくると、鳥肌が立った。そして、動悸がしたり、気分が悪くなって倒れたりした。やがて、点滴で対応できる限界まで、体重が落ちた。

 結局、Kaccoさんが紹介された先は、大きな病院の精神科。まず「摂食障害」と診断され、次に「そううつ病」や「パニック障害」などともいわれた。

 入院生活は、通算で1年7ヵ月にも及んだ。しかし、地獄のような日々は、退院してから始まった。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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