女性初の総理大臣をめざすと公言している蓮舫氏が、最大野党の党首となった。小池百合子氏が東京都知事に選ばれたこともあわせて、女性の時代の到来、幕開けだと期待する向きもあるだろう。僕も個人的には女性が社会で活躍することには大賛成だし、小池氏が都知事選で勝った時は、これで「女性活躍推進」時代が本当にスタートすると思った。
しかし、蓮舫氏が民進党の党首選に勝利したニュースには、そのような期待感を感じない。これは、個人的に僕が蓮舫氏を好きとか嫌いとかの話ではない。「女性活躍推進」の文脈から考えて、蓮舫氏が女性の強い支持を得られるとは思えないからだ。そこで今回は、蓮舫氏と小池氏を対比させながら、女性活躍時代の女性リーダーに求められる資質について考えてみたいと思う。
「女性が憧れる女性」の姿とは?
さて、そもそもの話、一口に「女性」と言っても、さまざまな女性がいる。最近は国防女子と名乗る女性たちも出現しているが、彼女たちとSEALDsのデモでアジっている女子学生たちとを、同じ女性として論じるには無理がある。当然だが、女性もいろいろ、価値観もいろいろだ。なので、「女性」という言葉をある程度、限定的に使用する必要がある。
今回は女性活躍推進の話なので、当記事で「女性」という時は、「企業や社会でリーダーシップを持って活躍したいと考えている女性」のことを想定して論じる。女性活躍推進はそのような女性たちがリードするし、また、そうした女性たちからの支持がなければ真の女性リーダーとなれないからだ。
特に次代を担う若い女性、つまり20代、30代の女性たちが「あんなふうになりたい」と憧れたり、「素敵だ」と思ったりする女性。そうした女性こそが、女性の時代を切り開く。今回は、そのような視点から、小池百合子氏、蓮舫氏がどう評価できるかを考察する。
では、現代女性がどのような女性に憧れたり、素敵だと思ったりするかというと、それは「カッコイ女性」である。カッコいいというのは、まずビジュアル面で「女を捨てていない」こと。そのうえで、「男前」であることだ。そうした女性に女性は憧れるし、女性活躍推進の実現に必要な女性のリーダー像として認められるということだ。
これまで2000名を超える男女ビジネスパーソンの転職サポートをしてきた森本千賀子氏(株式会社リクルートエクゼクティブエージェント エクゼクティブ転職コンサルタント)も、インタビュー記事の中で「現代の女性エグゼクティブの特性として“潔さ”と“柔軟さ”を持ち合わせている。一言で表現すると“男前”である」と指摘している。やはり「男前」が現代の女性リーダーのキーワードということなのだろう。
では、そうした視点で蓮舫氏と小池百合子氏を見た場合、どのような評価ができるのか?