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情報戦の裏側

日テレ炎上!レディー・ガガ発言を「超訳」してしまう業界構造

窪田順生 [ノンフィクションライター]
【第4回】 2016年11月17日
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日本テレビがレディー・ガガ氏の発言を「意訳」しすぎて炎上した。メディアが外国語を「超訳」して、真意とはかけ離れた報道をすることは珍しくない。その背景には、「憎悪」「怒り」「不安」を煽らないと視聴率や部数が伸びないという、業界の背負う“業”のようなものがある。

日テレの「意訳」が
ネットで炎上

 米大統領選でトランプ氏の勝利をうけて、マスコミも蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた11月9日夕方、奇妙な報道があった。

外国語を「意訳」しすぎて情報操作をしたのではないかーーそう思いたくなるほど、テレビ局各社の「意訳」が常識の範囲を超えて炎上することが多い(画像は日本テレビ「news every.」番組より)

 日本テレビの「news every.」が「速報」として、トランプ氏が住むトランプタワー前に、人気歌手のレディー・ガガ氏が車であらわれ、「Love trumps hate.」(愛は憎しみに勝る)というプラカードを掲げた映像を紹介、このようなナレーションを流した。

 「手に持ったプラカードに書かれていたのは、『トランプは嫌い』のメッセージ」

 さらに、このプラカードと同じことをガガ氏が叫んだところで、画面上にも「トランプは嫌い」のテロップを表示したのだ。

 これを受け、ネット上では「ひどすぎる誤訳」という指摘が相次いだ。ガガ氏はインスタグラムでも同じプラカードを掲げた写真を公開し、「Love trumps hate.」というメッセージに続いて、「Let’s take care now of each other」と、対立をしないように呼びかけていたからだ。

 ただ、その一方で、「意訳の範囲だろ」と擁護する声もあがっている。実はこの「Love trumps hate.」は、ガガ氏が支持を公言していたヒラリー・クリントン氏が選挙キャンペーンで使用したフレーズ。「〜に勝つ」という動詞・trumpと、差別的発言を繰り返す人物・Trumpをかけた皮肉。それを踏まえて「視聴者にわかりやすく、字幕翻訳家の戸田奈津子さんばりの『意訳』をしたのではないか」というわけだ。

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窪田順生 [ノンフィクションライター]

くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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