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前回に引き続き、リアル・フリート会長の小寺圭氏のインタビューをお送りする。過去の成功体験に酔いしれる団塊の世代と、成功体験を持たないバブル以降の若者――この極端な二者の不調和が今、企業の停滞を招いている。打開するカギは何なのか?小寺氏(65歳)と、代表取締役社長・熊本浩志氏(35歳)のタッグにヒントがありそうだ。
個人も、国際競争力がないと
豊かさを手に入れることができない時代に
1946年生まれ。ソニー株式会社において中近東、アジア、ヨーロッパに駐在しマーケティングに関する要職を歴任後、ソニーマーケティング株式会社社長、ソニー・チャイナ会長を経て、2006年より2008年まで日本トイザらス社長兼会長を歴任。2010年12月より現職
南 日本は少子化が進行中ですし、国内成長の道はすでに絶たれているのですよね。事実、海外で稼ぐしかないと私は思います。小寺会長はどのようにお考えでしょうか?
小寺 政治家もずるくて、「今は経済が低下していますが…」と、何だかまたいつか景気が上がっていくかのようなコメントをします。しかし、もう日本に経済を上昇させる波なんて来ませんよ。人口が減る国、さらに労働年齢人口が下がっている国で、栄えた国なんて世界的に見ても無いです。
だから、自分たちが暮らしをよくしようと思ったら、もう外国に出て行くしかない。出て行きたくないというのも価値観としてはいいと思います。でもそれは、坂を転げ落ちていくだけだということは覚えておいてほしいですね。
南 そこは労働者の市場価値にもリンクしてくと思います。これからのビジネスパーソンが自分の市場価値を上げていくには、もう世界との接点がないとだめだということですよね。
小寺 要するに競争が国際化しているわけですから、必然的に個人レベルでも国際競争力がないと求められないのは必然的ですよね。さらに今までは会社・企業単位でしたが、これからは個人の時代です。競争力のない個人は自分の生活をよくすることは望めません。
南 でもこの変化にどうやって対応していけばいいのか分からないものです。一体、どうすればいいのでしょうか?