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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

公的機関は悩み多き存在
“三つの障害”が起業家精神と
イノベーションを退行させる

上田惇生
【第229回】 2011年2月14日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
2100円(税込)

 「最も起業家的なイノベーション志向の人たちさえ、公的機関とくに政府機関のマネジメントの座におかれるならば、その内部力学のゆえに、半年後には月給泥棒ないしは政治屋となる」(ドラッカー名著集(5)『イノベーションと企業家精神』)

 ドラッカーは、公的機関には既存の事業がイノベーションの障害となりやすい原因が3つ存在するという。

 第一に、公的機関は、成果ではなく、予算に基づいて活動する。いわば、他者の稼ぎから支払いを受ける。その予算は、活動が大きいほど大きくなる。公的機関の成功は業績ではなく、獲得した予算によって評価される。

 第二に、公的機関は、多様な利害関係者によって左右される。活動の成果が収入の原資になっていないために、あらゆる種類の関係者が実質的な拒否権を持つ。そのようななかで、すべての人たちを満足させなければならない。

 第三に、公的機関は、善を行なうために存在する。公的機関は自らの使命を道義的な絶対とし、経済的な費用効果の対象とはしない。すなわち、目標を実現できないことは、努力を倍加すべきことを意味する。

 「公的機関にイノベーションや起業家精神が見られないのは、退嬰的な月給泥棒、権力マニアの政治屋の抵抗によるものとされている。だが、事態はそれほど簡単ではない。改革論者の万能薬たる人の入れ替えによる解決は、幻想にすぎない」(『イノベーションと企業家精神』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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