次の質問について考えてみてください。
「今、フェニックスにいて、サンディエゴに行くにはどうすればいい?」
 簡単です。サンディエゴに向かって進み続ければ到着します。

 サンディエゴを目指したはずが途中で方向を見失って別の方向に向かっていたら、もう一度向きを変えてサンディエゴを目指します。またしても混乱して反対方向に向かっていたら……行ったり来たりを繰り返して、目的地にたどり着けないかもしれません。
 ですが、あなたには方角の知識があるし、道路標識や人の助けも借りられます。道に迷い続けて行きたい場所に一生たどり着けないことはないでしょう。2都市を結ぶ旅はそれほど難しいものではなく、方法は見つかるはずです。

 どんな場合でも、今いる場所から目指す場所に行くのは、これと同じくらい簡単です。途中で現在地を確認する方法さえわかっていれば大丈夫です。

 たとえば、一度破産すると経済的豊かさを取り戻すのが難しいと感じるのは、向きを変えて願望とは逆方向に向かっているのに気づいていないからです。パートナーのいない人がいい関係を築けないのは、あなたを出発地点に連れ戻そうとする思考と言葉の力に気づいていないからです。

 フェニックスからサンディエゴへの行き方はわかっても、病気から健康な身体へ、理想のパートナーのいない状態から素晴らしい関係の構築へ、経済的困窮からやりたいことができる自由へと移る方法がわかっていないのです。

 感情が指針となることを理解すれば、「現在の思考に関して自分が何をしているかわからない」ということは二度となくなります。
 目的地すなわち願望に向かっているか、そこから遠ざかっているかに常に気づけるようになります。そうすれば二度と迷うことはありません。