人にはそれぞれの歩みがあります。東大首席になった人、偏差値30の学年ビリだった人、異なる道を歩んでいたとしても、今活躍できているのは、正しいカタチで勉強してきたからです。思い立ったがスタートライン。勉強に遅いということはありません。正しい勉強法を知っていれば、試験で点数を取ることも、社会で結果を出すことも、どんな人でも可能なのです。『東大主席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』など、多くの勉強方法を執筆してきた山口真由氏を迎え、確実に実りある勉強法について語ります。(取材・文/狩野南 撮影/熊谷章)
点数を取りたいなら
「考える」よりも「覚える」
1983年(昭和58年)札幌市出身。筑波大学附属高等学校進学を機に単身上京。2002年、東京大学教養学部文科I類(法学部)入学。在学中3年生時に司法試験合格。4年生時には国家公務員I種試験合格。また、学業と並行して、東京大学運動会男子ラクロス部のマネージャーも務める。「法学部における成績優秀者」として総長賞を受け、2006年、首席で卒業。同年4月に財務省に入省し、主税局に配属。主に国際課税を含む租税政策に従事。2008年に財務省を退官。2015年9月~2016年7月、ハーバード大学ロースクール(法科大学院)に留学。2016年8月、ハーバード大学ロースクールを卒業し、日本での活動を再開。著書に、『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。』(扶桑社)、『東大主席弁護士が実践する<パーフェクト>勉強術』(ソフトバンク新書)などがある。
佐藤 山口先生とは共通の知人を通して何度かお会いしていますが、こうやってお仕事でご一緒させていただくのは初めてですね。
山口 そうですね。佐藤先生はとても物腰が柔らかい一方で、意外に野心もあるな、って(笑)。
佐藤 そうですか?(笑)山口先生は、私にとってはずっと憧れの存在。お会いする前は、経歴もビジュアルもパーフェクトなので濃いキャラクターの方なのかと思っていたら、実はすごく温和で優しくて。印象がまったく違いました。
山口 ありがとうございます(笑)。佐藤先生の『ずるい勉強法』を読ませていただいたんですが、私たち、驚くほど勉強法が似てますよね。「1.最初から考えない」「2.真似る」「3.繰り返す」。もう「その通り!」って思いながら読んでました。
佐藤 私も同じように感じました。山口先生の『東大首席弁護士が教える「超速」7回読み勉強法』も、最初は理解せずに読み、回数を重ねるごとにだんだん掘り下げていきますよね。これは私の「答えから見て、問題を見ていく」というのと本質的に同じだな、と。
山口 私も試験勉強のときは解答から見ていました。よく「自分の頭で考えましょう」って言うけれど、右も左もわからないのに、いきなり考えるなんて無理だと思うんです。
佐藤 そもそも考える土台がなかったら、考えられないですからね。
山口 点数を取りたいなら、考えるよりも覚えたほうがいいですよね。最初はとりあえず解答を読んで、そこでわからなくても全然悪くない。「落ち込まずに、2回、3回とやってみたら」と言いたいですね。
佐藤 最初から考えたり理解したりするのではなく、基礎となる答えと問題を繰り返し見て、暗記していくと、自然に理解できるようになる。その蓄積こそが考える土台になるし、この勉強法のほうが試験の点数にも直結しやすいんです。