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コカ・コーラはなぜ秘伝のレシピを特許で守らないのか

~『レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い? 特許・知財の最新常識』(新井信昭 著)を読む

情報工場
【第35回】 2017年1月21日
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あえて特許を取らず「絶対秘密」を貫くコカ・コーラ

 忙しいビジネスパーソンの皆さんは、コンビニおにぎりでお昼をすませてしまうことも多いかもしれない。

 コンビニおにぎりは、海苔がパリパリの状態で食べられるように、ご飯と海苔がフィルムで分けられて包装されている。外装のビニールをはがす時にフィルムが抜けて海苔がご飯に巻きつく仕組みだ。

 これにはいくつかのタイプがある。以前は、包装の三角形の頂点にあたる部分を切り取り、そこから中のフィルムを引き抜く「パラシュート型」が主流だった。その後、頂点から底辺に向けて直線状に包装をカットテープで切り取り、左右の二角を引っ張るとフィルムが抜ける「セパレート型」が多くなった。

 いずれのやり方も、美味しいおにぎりをスムーズに取り出して食べられるよう、考案者がアイデアを絞り出し、工夫をこらしたものだろう。それが独創的で商品の競争力の源泉になるものならば、簡単に他人に真似されたくないはずだ。

 このようなアイデアや仕組み、発明品などを、考案者の財産として一定の期間保護する権利を「知的財産(知財)」という。

 特許は代表的な知財だ。先ほど紹介したおにぎりの包装にも特許を取得したものがある。企業で新たな技術が開発されると、一般的には権利を守るために特許出願が推奨される。

 だが、特許出願が、アイデアを保護するどころか、盗用につながるケースもあると聞いたら、信じられるだろうか?

 本書の著者である新井信昭氏は、東京農工大学大学院や、ものつくり大学の非常勤講師として知的戦略論を教えるかたわら、株式会社グリーンアイピー代表取締役と知財コミュニケーション研究所代表を兼務する知財の専門家だ。

 新井氏は精密機器メーカーに勤務しながら、39歳で弁理士本試験に合格。その後、芝浦工業大学夜間部の学生と特許事務所所長の二足の草鞋を履き、同大学2部電気工学科を卒業。さらなる知見を得るために52歳で東京農工大学大学院に入学し博士号(工学)を取得した。知財では独自性が重視されるが、その専門家である新井氏も、なかなかユニークな経歴を持つ人物なのだ。

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浅羽登志也

情報工場シニアエディター。1989年、京都大学大学院修士課程修了後、リクルート入社。同社スーパーコンピュータ研究所にてインターネットに関する研究に従事。1992年、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)に創業メンバーとして入社。インターネット黎明期からサービス開発・技術開発に携わる。IIJは、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダで2006年12月東証一部上場。1999年、IIJ取締役、2004年より2009年までIIJ取締役副社長。2008年より2015年までIIJイノベーションインスティテュート代表取締役社長。2015年7月よりIIJフェロー。情報編集にも興味を持ち、2007年より松岡正剛氏主催のイシス編集学校で松岡流編集術を学ぶ。現在イシス編集学校の師範を務める。2010年に軽井沢へ転居。自然農法で、自家用の蕎麦や大豆を栽培中。

 


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