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日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?
【第16回】 2017年3月17日
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村上尚己

なぜ「トランポノミクス」が日本経済の追い風になり得るのか?

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悲観論ばかりがメディアで取りざたされる「トランプの経済政策」。しかしその本質が、彼の過激な発言の影に隠れて見えなくなっている可能性はないだろうか? 「トランプ相場」の到来を的中させた外資系金融マーケット・ストラテジストの村上尚己氏は、「トランポノミクスは日本経済にとって追い風になるだろう」と予測している。氏の最新刊『日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?』から一部をご紹介しよう。

トランプ政権は日本経済の追い風に!

前回まで、トランプ政権の経済政策が何をもたらすのかについて、米国や諸外国の経済のみならず、私たちの生活に直結する日本経済との関係のなかで説明してきた。いま一度、結論を言えば、トランプ政権の誕生により、2010年代前半から先進国を蝕んできた緊縮病が終わりを告げることになる―これが私の認識である。

トランポノミクスとアベノミクスは経済成長を徹底的に優先する点で共通しており、その手法にも多くの類似点が見られる。また、トランプ政権は拡張的な財政政策を打ち出しているという点で、世界的な経済政策トレンドの最先端を走っていると見ることもできる。

たしかに減税やインフラ投資などについては、共和党を中心とした米国議会からの逆風が予想され、実現性には依然として不透明な部分が残る。しかし、もし仮にトランプ政権の大規模な財政政策が実行に移されれば、米国の経済成長率が4%を目指す可能性は十分にある。

また、米国の政策が功を奏すれば、それは日本経済にとって力強い援軍になる。米国の実績が日本の財政政策拡大をさらに後押しするからだ。議論に上がっているヘリコプターマネー政策も含め、安倍政権が積極的な財政政策に打って出れば、一旦は頓挫した脱デフレの動きは2017年から再び加速するだろう。日銀の新たな金融政策フレームの後押しもあるいま、まさにアベノミクスが「再起動」することになる。脱デフレの勢いが強まれば、2%インフレの早期実現も期待でき、2020年にはGDP600兆円も十分射程内に入ってくることになる。

※参考
「日銀=手詰まり」論は誤り。注目すべき2政策とは?―メディアが報じない「マイナス金利」以降の金融政策
http://diamond.jp/articles/-/116547

主要国の賃金推移比較

上記の賃金推移の各国比較を見てほしい。20年以上にわたりデフレを放置した国家は、日本を除けば皆無である。メディアもそれに乗っかって、「脱成長」の旗を振ってきた。その結果、たくさんの人が「日本はこのまま少しずつ貧しくなっていく。それは仕方がないことだ」と思い込まされている。

しかし考えてみていただきたい。ここまでひどい経済上の無策・失策が続いてきたにもかかわらず、日本がいまでもそれなりの経済を保てているのは驚くべきことではないだろうか?

そしていま、ついに日本もまともな経済政策に着手しつつある。増税を望む勢力などの阻害要因も、ひとまずは鳴りを潜めている。さらに幸運なことに、トランポノミクスという追い風も吹いている。日本経済がかつてのように「成長を続けるふつうの国」に戻れば、どんなに素晴らしいことになるだろうか? まさにいま、日本経済には「最高の時代」を迎えるための諸条件が揃っているのである。

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村上尚己(むらかみ・なおき)

アライアンス・バーンスタイン株式会社 マーケット・ストラテジスト
1971年生まれ、仙台市で育つ。1994年、東京大学経済学部を卒業後、第一生命保険に入社。その後、日本経済研究センターに出向し、エコノミストとしてのキャリアを歩みはじめる。
第一生命経済研究所、BNPパリバ証券を経て、2003年よりゴールドマン・サックス証券シニア・エコノミスト。2008年よりマネックス証券チーフ・エコノミストとして活躍したのち、2014年より現職。独自の計量モデルを駆使した経済予測分析に基づき、投資家の視点で財政金融政策・金融市場の分析を行っている。
著書に『日本人はなぜ貧乏になったか?』(KADOKAWA)、『「円安大転換」後の日本経済』(光文社新書)などがあるほか、共著に『アベノミクスは進化する―金融岩石理論を問う』(原田泰・片岡剛士・吉松崇[編著]、中央経済社)がある。また、東洋経済オンラインにて「インフレが日本を救う」を連載中。


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