申告書のつくりがわかれば
記入は楽勝、心配無用!

第1回目の連載で述べたとおり、確定申告には、「必ずしなければならない人」「すれば必ずトクする人」「すればトクする可能性の高い人」がいます。その対象となる人もサラリーマンやOL、個人事業主、年金で暮らしている人、不動産収入のある人、株などで資産運用している人などさまざまです。

 それぞれ必要な知識や計算方法などが変わってくるのですが、この場でこれらすべてについて、細かく説明していくわけにはいきません。ただ、どのパターンにも、共通する点が一つあります。それは、申告書の基本的なつくりは「申告書A」「申告書B」「第三表(分離課税用)」とも変わらない点です。

 申告書のつくりという根本を理解しないまま作成していくのは、店員に言われるままに、複雑な契約書に記入していくようなものです。不安を感じて当然なのです。

申告書とは税額計算の
流れを書き留める記録紙

 逆に言うと、申告書のつくりさえ押さえてしまえば、後はちょっと調べたり、誰かに聞いたりするだけで、おおむねなんとかなってしまいます。車だって車種によって、サイドブレーキを手で操作するタイプのものもあれば、足で操作するタイプのものもあります。でも、発車する前に解除して、停車した後にかけるという基本に違いがあるわけではありません。

 確定申告も同じで、所得の種類や申告の目的はさまざまですし、使う確定申告書は異なっても、収入から必要経費を差し引いて所得を算出し、そこに税率をかけて、税額を求めるという流れは同じです(連載第1回参照)。そして、その計算の流れの記録紙が申告書なのです。

 次ページでは、実際の申告書を例に、そのつくりと記入の流れを見てみましょう。