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逆境から生まれるイノベーション
【第4回】 2011年4月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
加藤徹生 [社団法人wia代表理事]

震災が明らかにしたグルーポンの「素顔」
――台頭する「寄付プラットフォーム」が拓く新たな可能性【前編】

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 この度の大震災で際立っていることがひとつある。この日本で、かつて経験したことのない規模の寄付が行われているのだ。寄付の総額は今も上昇しつつあるが、約1兆円と言われる日本の年間寄付総額の数割に達することは間違いがない。その中で、寄付市場における新たな革新的な試みが続き、一方で、日本の寄付市場における課題が浮き彫りになりつつある。

 まずは、いち早く寄付市場に革新的なマーケティング手法を持ち込んだグルーポンの試み、そしてその背景にいた人々の挑戦を見ていこう。

「後悔のないことをやろう」
余震が襲う中で考案された「マッチングギフト」

 「これは、数百年に一度の災害だ」
 「後で後悔しないように、やれることは全てやろう」

 これは、東日本を襲った大震災の当日、グルーポン・ジャパンの本社の経営陣の中で交わされた会話だ。ビルの揺れすら収まらず、家に帰ることすらできなかった社員の言葉から、「マッチングギフト」という仕組みが提案された。単純に寄付を集めるだけではなく、集まった寄付の分だけ自社で金額を上乗せする――つまり、ユーザーの寄付が倍になるという――仕組みだ。

意志決定のシーンを思い浮かべながら話す瀬戸氏。

 CEOの瀬戸は危機の中、震災の被害の規模さえ想定できない中で、自社からの寄付だけで1億円を投じること、また、その寄付を呼び水に、グルーポンのウェブサイトを活用して、被災者の為の寄付を集めていくことを決めた。それは、グルーポンというベンチャー企業の強みを生かしたという意味で、「戦略的なチャリティー」だった。 

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加藤徹生 [社団法人wia代表理事]

社団法人wia代表理事/経営コンサルタント。
大学卒業と同時に経営コンサルタントとして独立。以来、社会起業家の育成や支援を中心に活動する。 2009年、国内だけの活動に限界を感じ、アジア各国を旅し始める。その旅の途中、カンボジアの草の根NGO、SWDCと出会い、代表チャンタ・ヌグワンの「あきらめの悪さ」に圧倒され、事業の支援を買って出る。この経験を通して、最も厳しい環境に置かれた「問題の当事者」こそが世界を変えるようなイノベーションを生み出す原動力となっているのではないか、という着想を得、『辺境から世界を変える』を上梓。
2011年6月末より、東北の復興支援に参画。社会起業家のためのクラウドファンディングを事業とする社団法人wiaを、『辺境から世界を変える』監修者の井上氏らとともに9月に立ち上げた。
twitter : @tetsuo_kato


逆境から生まれるイノベーション

2011年3月11日。

巨大地震と大津波による壊滅的な被害によって、ほぼすべてのインフラと行政サービスが機能麻痺に陥る中、異彩を放った「新しい動き」があった。

様々なクラウド技術、ツイッターやフェイスブックなどの「ソーシャルメディア」、災害情報や支援情報を瞬時に集約した「クラウド型技術」、そして寄付市場で起こりつつある変動。

本連載では、震災という逆境の中でこれらの技術が劇的に進化を遂げる様を描き出し、そこから、日本の新たな社会像を模索していく。

「逆境から生まれるイノベーション」

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