スマートエイジングライフ
医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」
【第7回】 2017年3月8日
阿保義久 [北青山Dクリニック院長]
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骨の老化防止「牛乳を飲むだけでいい」は間違いだった!

骨量だけではなく質が大切
「糖化」は大敵

 骨の老化現象を表すのに、骨密度や骨量という概念がしばしば用いられます。骨密度が低下すると骨粗鬆症という骨がもろく折れやすくなる病気に罹ることが知られています。

 骨密度を増やすには、骨の主原料であるカルシウムの摂取が重要なのは言うまでもありません。しかし、単にカルシウムを大量に摂取しても骨の中にカルシウムは蓄積されません。

 既に触れたように、カルシウムは骨と血液・体液の間を行き来しているのですが、その出し入れを巧みに調節しているのがマグネシウムです。マグネシウムがなければ骨の中に十分なカルシウムが取り込まれません。骨粗鬆症を防ぐにはカルシウムの摂取に加えて十分なマグネシウムの摂取が必要です。

 骨密度は、骨の形成に必要なこれらカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの量を測定しているのですが、骨の健康状態や若々しさを評価するためには骨の密度や量だけではなく、その質が大切であるということが注目されています。

 骨の質を決める要素として最も重要なのはコラーゲンです。コラーゲンはカルシウムやマグネシウムなど骨を構成するミネラルを結ぎ合わせる働きがあります。骨内にコラーゲンがしっかりと行きわたっていなければ、例えカルシウムやミネラルが豊富(骨量が豊富)でも、もろく折れやすい骨になります。

 そして、骨の質を決めているコラーゲンの質も重要です。コラーゲンの質は、タンパク質と体内の余分な糖が結びつくことによっておこる「糖化」によって悪化します。糖化は代表的なタンパクの一つであるコラーゲンを悪化させるのみではなく、あらゆるタンパク質を変性・劣化させます。そして、身体のほとんどはタンパク質でできているので、糖化はコラーゲンの質すなわち骨の質の悪化のみではなく、体中のあらゆる臓器、特に脳や血管を侵すことも知られています。糖化を防ぐことが、骨や体のアンチエイジングの重要なポイントと言えます。

阿保義久
[北青山Dクリニック院長]

東京大学医学部卒業。腫瘍外科・血管外科医。2000年に北青山Dクリニックを設立。下肢静脈瘤の日帰り根治手術椎間板ヘルニアのレーザー治療痛みのない内視鏡検査・進行がんに対する革新的治療―がん遺伝子治療まで、質の高い医療サービスの提供に励んでいる。著書に『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』などがある。


医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」

「アンチエイジング」とは美容医療だけを指すのではなく、心臓血管、脳、消化管、骨・関節など、全身に関わり、身体年齢の老いを遅らせることが目的です。40代から意識すると効果的で、その対象は40~65歳位の方になります。本連載では、アンチエイジングの概念や体の部位ごとの変化を紹介し、ケア方法を提案していきます。

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