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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

企業の最大の役割は経済にかかわる
「エントロピーの法則」を打ち破ることにある

上田惇生
【第241回】 2011年5月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)

 「必要な新知識を知り、そのもたらす影響を考え、新技術、新製品、新プロセスに変えることが企業の役割である」(『テクノロジストの条件』)

 かのニュートン力学でさえ、アインシュタイン以降は相対性理論の特殊ケースの地位に甘んじることとなった。その相対性理論も、それを超える理論の可能性を否定できないとされている。

 ところが、熱力学の二つの法則、エネルギー保存の法則とエントロピーの法則だけは、不朽である。

 エネルギー保存の法則は、宇宙における物質とエネルギーの総和は一定であるとする。一方で、エントロピーの法則は、物質とエネルギーは混沌と荒廃に向かってのみ変化していくとする。

 ドラッカーは、人の手になるあらゆるものが、このエントロピーの法則を逃れえないという。製品とサービス、プロセスとチャネル、制度と政策のすべてが、出来上がった瞬間に陳腐化を始める。

 しかも、デカルト以降のモダン(近代合理主義)が暗黙の了解とした必然の進歩など、どこにも存在しないことが明らかになった。
したがって、経済にかかわるエントロピーの法則に打ち勝つことこそが企業の役割となる。それがイノベーションである。

 「いかなる経済といえども、放置しておくならば、資本の生産性は確実に逓減に向かっていく。これを防ぐ唯一の方法、すなわち不毛の硬直化を防ぐ唯一の方法が、企業家精神による資本の生産性の不断の向上である」(『テクノロジストの条件』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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