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部下の能力を120%引き出す「質問」の技術
【第12回】 2008年4月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
齋藤淳子 [(株)コーチ・エィ シニア・エグゼクティブコーチ]

まずは「部下が質問しやすい環境」をつくろう

 人は、周囲の環境のなかでつくられるコミュニケーションの影響を強く受けます。企業のトレーニングをしていても、何となくその企業なりのコミュニケーションの特徴があることに気がつきます。どの部門の人をコーチングしても、その会社のコミュニケーションが培われてきた企業風土、企業文化の特徴が伝わってきます。

 例えば、トレーニングをしていても、参加者があまり「私は~思います」と率直に自分の意見を表明しない会社があります。私が「どう思いますか?」と質問しても、自分の意見はなかなか言いません。

 質問されたことに対して、答えを間違ってはならないというプレッシャーが強い職場で働いている場合に多いケースです。そうした環境では、人は自分の発言・意見が逸脱しないように気を遣い、慎重に答えを出すようになります。

 上司が「失敗を許さない」「間違えると責める」タイプの職場で働いていると、部下には責められないような言い方を慎重に選ぶという習慣が身についてしまっているのです。言葉に“保険をかける”とでもいうのでしょうか、話が回りくどく、言っていることが不可解な場合さえあります。

 反対に、いつも自分の意見をはっきり言うことが許されている会社、間違った発言をしてもそれを責められることがないコミュニケーションのなかで働いている人は、自分の意見を言うことに慣れています。しかも、意見の言い方が上手です。上司が部下の多少の失敗を責めずに、むしろ本人のモチベーションが高まるように気遣って話をしていると、部下の報告も素直に、できる限り正直に話す場合が多いように思います。

 また、人をほめるのがとても上手な人がいます。

 「これ、よく気がついたね」「いいところに目をつけたね」と実に端的に、スマートに相手をほめるのです。ほめるのが上手な上司のもとで働いている部下には、やはり、ほめるのが上手な人が多く見られます。上司は部下にさまざまな影響を与えているのですね。

 実は、日頃からクライアントに対してコーチングをしているプロのコーチも、コーチを持っています。プロのコーチもコーチングを受けながら、「こんな問いかけ方もあるのか」「こういうフィードバックを受けるとやる気が出るな」と、自分の体験と照らし合わせながら考え、学んでいくのです。

 もちろん、上司と部下、コーチとクライアントといった関係に限らず、人は日常的なコミュニケーションからさまざまな影響を受け、多くのことを学んでいます。

 弊社のスタッフのMさんは、誰かに話しかけられると、自分がどんなに忙しくても手を休めて応えてくれます。しかも、声のトーンがいつも優しく、ゆったりとしています。Mさんと話していると、いつもホッとさせられます。私は、彼女のそんなスタンス、人への配慮、そして彼女から話しかけられた人の反応を傍で見て、大いに学ばせてもらいました。

 人は側にいる人に影響を与え、また周囲の人から影響を受けます。コミュニケーションの方法は周囲の人から学ぶことができます。そして、豊かな質問力も、日頃のコミュニケーションを通して身についていくものなのです。

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齋藤淳子 [(株)コーチ・エィ シニア・エグゼクティブコーチ]

立教大学法学部卒。神戸製鋼を経て、1990年MSC(マネジメントサービスセンター)入社。数多くのリーダーシップ研修やコンサルティングを行う。1999年、(株)コーチ・トウェンティワン入社。2001年、(株)コーチ・エィへ。現在は、シニア・エグゼクティブコーチとして、上場企業を中心に経営者・管理職層へのトレーニング、および1対1のコーチングを実施。
コーチ・エィのホームページはこちら


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