
前回は主として税改革について論じたので、今回は社会保障改革について私見を述べてみたい。政府の一体改革成案は、社会保障改革の基本的考え方について、次のように述べている。「国民皆保険・皆年金を堅持した上で、給付と負担のバランスを前提として、それぞれOECD先進諸国の水準を踏まえた制度設計を行い、中規模・高機能な社会保障体制を目指す。」この考え方自体は、わが国の現実に照らして常識的かつ現実的であって、おそらく市民の大多数の賛同が得られるのではないかと思われる。
ところで、社会保障は、社会的弱者の救済をそもそもの目的とするものであるので、最初は、わが国の現実の所得分布の状況を虚心坦懐に眺めるところからスタートしてみたい。いろいろな切り口があるが、所得分布を年齢階級別に見ると次表の通りであって、実はわが国では20代が一番貧しいという結果が出ているのである。
世帯主の年齢階級別にみた1世帯当たり-世帯人員1人当たり平均所得金額 (厚生労働省 2010年調査)このような現実を踏まえれば、「子ども・子育て支援、若者雇用対策」の重要性が改めて痛感されるが、この問題については稿を改めるとして、今回は社会保障の2大横綱である医療と年金について論じてみたい。
定価(税込):1,890円 発行年月:2012年4月
<内容紹介>
政治動乱、金融危機、個人情報流出…。インターネットによりかつてなくつながり合った世界では、小さなきっかけが時に一国を揺るがす大問題へと発展する。「便利さ」とひきかえに「脆さ」を露呈しつつあるこの社会を、私たちはどう生き抜けばよいのか。ネット時代を黎明期から知るシリコンバレーの重鎮が警鐘を鳴らす。
