実は単なるあせもだった!
裁判での院長の仰天釈明

 ところが、いつまでたっても完治の診断は出なかった。それどころか、大量の薬を服用し続けたため、体に力が入らなくなって体調を崩してしまった。そこで初めて誤診ではないかと考えたという。

 セカンドオピニオンとして、別の病院で診察してもらい血液検査も実施。1週間後に出たた結果は「クラミジアではない」。実は単なる「あせも」だったのだ。

 クリニックに不信感を抱いた男性は、投薬治療前となる最初の検査機関による血液検査のデータを公表してもらうよう、院長に要求。院長は拒否したため、男性は検査機関から直接、検査データを入手した。

 検査キット製作会社によると、検査は血清中のクラミジアの抗体量を調べ、厚生労働省が決めた基準値0.90以上で陽性という判断になる。

「私の数値は0.36ぐらいだっ た。最初からクラミジアは陰性だったんです。クリニックの医者が最初に私に渡した、病院のパソコンからプリントアウトしたカルテのようなものには『カットオフ値(基準値)は0.00』とあった。つまり、クリニックは作為的な誤診で治療・投薬費を詐取していたのではないかという疑惑が出てきました」

 その後、新宿セントラルクリニックの院長は、第2、第3の民事訴訟を起こされた。これらの裁判でも、法廷で原告側は、この男性と同様の被害と手口を告白している。院長は検査機関のデータを隠蔽し、患者に示すカルテにはニセの基準値を設定し、健康な人間を性病と診断することによって、高額な医療費を詐取していたわけだ。

 ところが恐ろしいことに、院長は法廷でこんなトンデモ主張を繰り広げているのだ。

「医者は専権事項として診断できる。国が定めた0.90というクラミジアのカットオフ値が間違っているんだ。私の基準値は0.00。それで数千人に診断を下してきた」

 どんなに健康な人間でも0.10程度の、ごくわずかな値は出る。自然界で0.00という値になることは、ほとんどありえないのだ。つまり、他にもまだ数千人の性病詐欺被害者が存在するということになる。