4月に開業した「GINZA SIX(G6)」。共同出資で運営に関わるJ.フロント リテイリングの山本良一社長に話を聞いた。

「銀座シックスは順調、インバウンドも回復」J.フロント山本社長の手応えPhoto by Toshiaki Usami

──G6の開業から4カ月になります。これまでの状況と今後の見通しは。

 4月20日のオープンからゴールデンウイークまでの18日間で来客数は150万人に達し、その後も順調で、計画の年間累計2000万人に達する見通しです。施設全体の売上高も、目標の600億円に達する水準で推移している。2018年2月期のG6による当社の営業利益への貢献額は16億円を見込んでいます。利益はテナントの店舗からの賃料収入なので、下振れはしないでしょう。

 顧客層は、30代が全体の32%と最も多い。これまで百貨店には来なかったけれど、ファッションには関心の高い30代を主なターゲットにして商品構成を決めました。洋服では、メンズとレディースを一緒に販売する点が評価されているようです。

──インバウンド需要の増減が、百貨店各社の収益に大きく影響しています。

 確かに16年の下旬までは厳しかったのですが、当社では同年12月以降、売り上げは前年同月比増が続いています。化粧品のほか、宝飾品も伸びています。需要が為替に影響される面もありますが、今では格安航空会社の普及で、中国の都市部の中間層は、週末だけ日本に来て買い物ができる。彼らを一時滞在の観光客と考えず、従来の日本人客のようにカード会員化するなどして、リピーターになっていただくことを目指します。