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オヤジの幸福論

オヤジ4人に1人が
90歳以上生きるリスク管理

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]
【第2回】 2012年2月23日
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何歳まで生きるのか:平均寿命と平均余命の違い

 前回はオヤジ世代の老後に待ち受ける様々な困難についてお話ししましたが、第2回からは数回にわたり年金の問題点をもう少し掘り下げていきます。人口推計に関する各種データによると日本は2011年時点ですでに65歳以上の方が全人口の23.4%を占めていますが、長寿化による老齢人口の増加、さらには未婚化・晩婚化による少子化などの影響から、50歳前後のオヤジ世代が65歳を迎える25年頃にはこの比率が30%を超え、50年には約40%にまで跳ね上がる見通しです。このため、人口動態に基づく制度である公的年金制度の改革も待ったなしの状況に追い込まれているのです。こうした人口動態のバランス悪化が日本の年金制度に与える影響については次回お話ししますが、今回は個人レベルでこうした長寿化にいかに対処すべきかに焦点を当てます。

 老後資金の計画を立てるとき、誰もが真っ先に考えるのは、自分と配偶者が何歳まで生きるのか、という問題でしょう。その際、大半の人が思い浮かべるのは「平均寿命」ではないでしょうか。2010年の簡易生命表によると、日本人男性の平均寿命は約80歳であるため、それを前提に老後の人生設計を考える人が多いと思います。しかし、平均寿命には高齢者になる前に亡くなった人も含まれるため、老後の長さを測る尺度としては必ずしも適切とは言えません。

 老後の人生設計に不可欠な余生を計算するには、ある年齢まで生きた人がそこからさらに何年生きるかを表す「平均余命」を使う必要があります。これで見ると65歳男性は平均でその後19年、つまり84歳まで生きており、平均寿命の80歳より4年も長生きすることになります。しかも日本人の寿命は年々長くなっており、オヤジ世代が65歳になる2025年前後には、65歳男性の平均余命はさらに1歳延びて85歳になると予測されています。また、ある調査では、自分が健康と思っている高齢者ほど長生きする傾向が確認されています。「病は気から」とはよく言いますが、「寿命も気から」なのです。したがって、自分の健康に自信がある人は一般的なデータよりも寿命をさらに長めに考えていたほうがよさそうです。

「平均」の落とし穴

 長生きは本来とても喜ばしいことですが、現在は子供に面倒をかけたくないという方が多く、高齢者にも経済的な自立が求められます。このため、自分では十分な老後資金を用意したつもりでも、想定以上に長生きすると、それを使い果たしてしまう、いわゆる「長生きリスク」があります。それに備えるためには老後の長さを考えるとき、前述のように平均余命を使うべきですが、その際に注意する必要があるのは「平均」の意味です。

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後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


オヤジの幸福論

年金支給が70歳支給になるかもしれない。公的年金ばかりか企業年金も怪しくなっている。銀行の金利も微々たるもの。平均寿命が延びるほどに老後が不安になってくる。自分で自分を守るためにどうしたらいいのか。オヤジの幸福のために自分年金について教えます。

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