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明るい未来のつくりかた
【最終回】 2012年5月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
市川文子 [株式会社博報堂イノベーションラボ 研究員]

スケールアウト型イノベーションが
日本の地域を救う

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アイスランド再生の原動力は何だったのか。そのカギは、市民や地域が主体となってボトムアップ型で問題や解決策を集約するにとどまらず、みずから国内外のネットワークを駆使して彼らに学び、具体策を実行に移す「スケールアウト型イノベーション」にあった。日本の被災地やその他地域も、これに倣って地域の価値を見直し、体制を再構築するときである。気仙沼などの復興策にはその萌芽も見られる。

 アイスランドの広い空の下。レイキャビクから30分も船に乗れば、見渡す限りの美しい自然に圧倒される。どこまでも続く青く澄み渡った空の下にいると、時が過ぎるのを忘れてしまいそうだ。

 ヨーロッパの辺境と呼ばれ、貧しい島国であったがゆえに、豊かな自然が今も残るアイスランド。高度経済成長を経て世界有数の経済大国となり、今に至る日本。両国に、どれだけの接点があるのか。タイトルを読んで、そう思われた方も多いはずだ。

 両国の最大の共通点――それは、ここまでの歩みは違えど、断絶を契機として、今までのやり方がまったく立ち行かなくなった点だ。

 「今までのやり方」とは、ひと言で言えば“スケール・アップ型”の経済活動である。アイスランドは、32万人というごく少ない人口と、世界で最も流通量の少ない通貨を擁しながら、金融立国としてのし上がろうとしていた。一方の日本は、高度経済成長こそ過去の栄光と認識されてはいたが、往時に築かれた消費者と経済活動が集中する大都市圏中心のシステムから抜け出せずにいた。

 しかし、アイスランドは金融危機を経て、みずから舵を切った。

 結果は表れつつある。IMFへの借入返済前倒しやヨーロッパ諸国を凌駕するほど順調なGDP成長を受け、世界各国のメディアが「金融危機の看板娘、アイスランドが再生へ」と報じ、その秘訣を分析している。

アイスランドにみる再生の10ヵ条

 国が総合的な政策を提示し、その下にある地方自治体や各地域が施行に回るようなトップダウン型ではない、“ボトムアップ型イノベーション”が、アイスランドの再生を後押ししてきたことは既に述べた。

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市川文子[株式会社博報堂イノベーションラボ 研究員]

株式会社博報堂イノベーションラボ研究員。慶應義塾大学政策・メディア研究科修了。卒業とともにノキア・フィンランドに入社。以来9年間、ユーザエクスペリエンスのエキスパートとして世界各国で フィールドワークの実施とディレクションを行い、製品・サービスの企画開発に携わる。2008年にノキアを退社。以降、フリーのコンサルタントとして国内外の企業の商品ならびに戦略開発を行ってきた。2010年より博報堂イノベーションラボに参加。一児の母。


明るい未来のつくりかた

アイスランドは、金融危機による財政破綻で社会・生活の「断絶」を経験した。人々はどのように立ち上がってきたのか。その「断絶」と「再生」のプロセスを エスノグラフィーの手法を用いて学び、東日本大震災による社会の「断絶」から真の復興に向かうための考え方や仕組みづくりの示唆を得ていく。

「明るい未来のつくりかた」

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