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森信茂樹の目覚めよ!納税者

個人の自助努力を支援する
私的年金=日本版IRA創設のススメ

森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]
【第28回】 2012年5月28日
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公的年金に偏り過ぎた
民主党の年金議論

 国会では社会保障・税一体改革で、年金の議論が始まっているが、これまでの民主党の年金議論を一口で言うと、公的年金制度、それも基礎年金部分に焦点を当てすぎた非常にアンバランスなもの、という感じがする。

 そもそも年金制度をはじめ社会保障の基本的な考え方は、自助・共助・公助をバランスよく組み合わせて、公平でかつ効率的な制度を作り上げることである。

 小泉政権時代に自助努力の必要性を主張しすぎた反動もあって、民主党政権に代わってからは、公助が強調され、基礎年金部分にいかに税財源をつぎ込むかということが主題となった。今日これが、モラルハザードを生じさせる「ばらまき政策」と非難を浴びつつある。

 図表1は、わが国の年金制度の概要であるが、基礎年金部分(1階部分)、厚生年金部分(2階部分)、企業年金部分(3階部分)、私的年金部分(4階部分)に分けられる。このうち、自助努力という観点からは、3階部分の個人型401k(個人型確定拠出年金)や、4階部分の個人年金が該当する。この全体を議論してこそ本当の年金改革といえる。

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森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]

(もりのぶ しげき)法学博士。東京財団上席研究員、政府税制調査会専門家委員会特別委員。1973年京都大学法学部卒業後、大蔵省入省、主税局総務課長、東京税関長、2004年プリンストン大学で教鞭をとり、財務省財務総合研究所長を最後に退官。その間大阪大学教授、東京大学客員教授。主な著書に、『日本の税制 何が問題か』(岩波書店)『どうなる?どうする!共通番号』(共著、日本経済新聞出版社)『給付つき税額控除』(共著、中央経済社)『抜本的税制改革と消費税』(大蔵財務協会)『日本が生まれ変わる税制改革』(中公新書)など。
 

 


森信茂樹の目覚めよ!納税者

税と社会保障の一体改革は、政治の大テーマとなりつつある。そもそも税・社会保障の形は、国のかたちそのものである。財務省出身で税理論、実務ともに知り抜いた筆者が、独自の視点で、財政、税制、それに関わる政治の動きを、批判的・建設的に評論し、政策提言を行う。

「森信茂樹の目覚めよ!納税者」

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