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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

利潤動機なるものを疑え利益は、世のため、人のための必要条件である

上田惇生
【第161回】 2009年9月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
現代の経営
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)

 「混乱の根は、利潤動機という私的な動機が企業活動の動機であり、基準であるとする考えにある。利潤動機なるものは、その存在さえ疑わしいというべきである。利潤動機とは、古典派経済学が経済行為を説明するために考え出した概念である」(『現代の経営』)

 経済行為を理解するうえで利潤動機なるものは不要である。天使が社長でも利益は必要である。

 利潤動機とそこから派生する利益最大化の概念は、事業の機能、目的、マネジメントとは無関係である。無関係であるよりも悪い。害を与える。利益の本質に対する社会の誤解と、利益に対する根強い反感の原因となっている。誤解や反感こそ産業社会にとっての病原菌である。

 ドラッカーは、利益を目的とすることは誤りだと口を酸っぱくして言う。利益とは、世のため人のために、明日もっとよい事業をするための必要条件である。それは目的や目標よりもきつい条件である。実現できなければ存続さえ怪しくなるというものである。

 未来について唯一確かなものは不確実性すなわちリスクである。リスクの語源が、アラビア語の「今日の糧を稼ぐ」であることは偶然ではない。
 未来のリスクを賄うための利益、社会にとっての富の創出能力を維持するための利益を上げることは、企業にとって絶対の条件である。

 「企業活動とは、つねに変化を起こそうとする経済活動である。それは、自分の座っている椅子の脚をのこぎりで挽くことに似ている」(『現代の経営』)

 

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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