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加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

「Ask What You Can Do」
自分に何ができるかを問え

加藤嘉一
【第1回】 2012年9月10日
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アメリカ政治の躍動感

 現在時刻は2012年9月6日24時ちょうど。ついさきほど、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン、ケンブリッジにある自宅に戻った。8月末から住む、家具も置かれていない空っぽの部屋。ここから新しいストーリーが始まる。ハーバード大学ケネディースクールにフェローとして赴任し、2週間が経った。

多くの学生がスクリーンに釘付けになっていた。Photo by Y.K.

 2時間前、私はハーバード大学ケネディースクールの中にあるJohn F. Kennedy Jr. Forumというロビーにいた。学生や教員約500人と一緒に、スクリーンの前でオバマ大統領の演説を見守っていた。

 スクリーンには、CNNの生中継が流れていて、ケネディースクールの教授で、CNN Senior Political AnalystのDavid Gergon氏が解説をしている。私たちにとってはおなじみの顔だ。米南部ノースカロライナ州シャーロットで開催された民主党大会の会場は歓声で包まれていた。

 ミッシェル夫人に紹介され、オバマ大統領が登壇する。二人は抱き合い、何かを呟きあう。

 「あなた、頑張って――」、「うん、見守っていてね」

 そんな会話をしているのだろうか。二人はアイコンタクトで互いが歩んできた道を、そして育んできた愛を、最高の舞台で確認し合っていた。少なくとも私には、そう見えた。

 オバマ大統領は演説に入る。直前に行われたバイデン副大統領の演説を聞きながら、私は「いまオバマさんはどんな心境なんだろう」と想像していた。なぜか私は緊張してしていて、体の芯から汗が噴き出てきていた。

 オバマ大統領は緊張する様子もまったく見せず、冷静沈着そのものだった。一つ一つ、丁寧に言葉を選びつつも、強弱をつけながら、観衆たちの心を躍らせた。同氏が最もメッセージを届けたい中産階級を意識しながら、歯切れよく、力強く言葉を重ねていく。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

「だったら、お前がやれ!」

 この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。「自分はどう考えるのか」、そして「自分は具体的にどのような行動をとるのか――」。何かに意見するとき、加藤氏は必ず自らに問いかける。加藤氏の行動規範としているものだ。
日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示してきた本連載のシリーズ第2弾。2012年8月に加藤氏が拠点を中国北京から、米ハーバード大学ケネディースクールへ移し、新たなチャレンジをスタートさせる。2012年4月から8月までの第1弾とはひと味違う、加藤氏の言葉をお届けする。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る」

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