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「どん底のシステム会社を個性輝く存在へ」(日本ネットシステム、双葉教育・市川博子)(後編)――元MS日本法人会長古川享が聞き出す 今を駆けるスマート・ウーマンの本音

林 正愛 [アマプロ株式会社社長]
【第5回】 2012年11月8日
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市川 毎月1回全社ミーティングも行っています。その時間を有効に使おうと、隔月で社員にプレゼンをさせています。自分がどういうことをしているかを発表し、それに対してまわりが意見、質問する時間を設けています。また、その合い間の月には、外部講師を呼んで勉強会をしています。前回はマイクロソフトでエバンジェリストをされている鈴木章太郎さんにプレゼンテーションスキルについて話してもらいましたし、JALアカデミーで講師をされていた方にきてもらい、基本的な社会人としてのマナーや面接練習をやってもらったりもしています。

古川 幼稚園、小学校の受験とまったく同じ手法で、社会人の適性と能力も向上させるのですね。

市川 社員全員を底上げして、客観的に評価の高いSE集団を目指しました。IPA(情報処理推進機構)の資格取得を奨励して、資格手当制度を導入し、2年後には、スペシャリスト資格保有者が0名から5名に増え、全員が新しい業務につき、契約条件を改善しました。

社長交代後、会社の再建にまい進

古川 児童教育と、先代から引き継いだ社業、普通だったら投げ出したり、切り捨てるだけの人もいるけれど、どれも育てるというのがすごいですね。ところで、若いベンチャー起業家と一緒にはじけたり、先輩としてコーチしたりしていますが、あれはどういうきっかけですか。

市川 大学に勤務していたときにニュービジネス協議会と慶應大学が協働で行うイベントがあり、産学連携に関わる人たちと一緒に勉強会に出たりしていました。いつか私も経営者になったら入りますね、と言っていたのです。その後、たまたま展示会に出たらニュービジネス協議会の方が隣にいて、そこで入会しました。

 自分自身、今まで生きてきた中で、いろいろな人との出会いがあり、多くの感動を受け、多くのことを学びました。その中で今の自分自身が頑張っているのだと思います。人の一生のうちで、巡りあえることのできる人間は、どんなに頑張っても数限られているわけですから、これからも、その出会いを大切にしていきたいと思っています。そして、自分が、何かしら、後輩に考えるきっかけを与えられたり、刺激になったりすることがあるのであれば、それは、積極的にどんどん伝えていきたいと思っています。

古川 いままで一番へこんだことは何ですか。

市川 実は、プライベートで今少しへこんでいます(笑)。

古川 それはまた別の機会にでも。これまでのキャリアの上で克服した経験をうかがえれば。

市川 日本ネットシステムを引き継いだときが本当に大変でした。このままではつぶれてしまうというときに父も入院していて。放っておいたら確実につぶれる、毎日お金が出て行くのを目の当たりにしました。一日も早く動かなくてはという状態が続いたのですが、最終的に社長を交代するまでに、かなりの時間が経ってしまいました。

 その後1、2年は会社にどっぷりつかって改革を行い、役員交代、本社移転、自社製品開発、新規の顧客開拓、社員研修等をすすめながら、新規顧客向けに基本契約書と見積書のひな型を作成し、就業規則を改訂し、パンフレットや案内、ウェブサイトを作成し、展示会に出展し、販促品を作成し、苦しい時こそ社員が一丸とならなければ、という思いから経営理念と社是を明確にしました。その後、日本ネットシステムは黒字に転換し、今年度から新卒採用も再開しました。今年は、双葉教育のふたばクラブ室長も兼任しており、そちらを改革中です。

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林 正愛
[アマプロ株式会社社長]

りん・じょんえ/BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、ファイナンシャルプランナー、英検1級、TOEIC955点。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。British Airwaysに入社し、客室乗務員として成田―ロンドン間を乗務。その後中央経済社、日本経済新聞社にて、経営、経済関連の書籍の企画および編集を行う。2006年10月にアマプロ株式会社を設立。仕事を通じて培ってきたコミュニケーション力や編集力を活かして、企業の情報発信をサポートするために奔走している。
企業の経営層とのインタビューを数多くこなし、その数は100名以上に達する。その中からリーダーの行動変革に興味を持ち、アメリカでエグセクティブコーチングの第一人者で、GEやフォードなどの社長のコーチングを行ったマーシャル・ゴールドスミス氏にコーチングを学ぶ。現在は経営層のコーチングも行う。コミュニケーションのプロフェッショナルが集まった国際団体、IABC(International Association of Business Communicators) のジャパンチャプターの理事も務める。2012年4月から慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で学んでいる。2児の母。

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日本経済の屋台骨を支えてきた製造業が苦しむ中で、さまざまな技術革新が生まれ、グローバル競争の新たな舞台となっているIT業界。いまやあらゆるビジネスがITを抜きにしては、競争力が立ちいかないのが現状だ。男性のイメージが強いIT業界で、実は多くの女性たちが活躍している。IT業界やそれに関わる仕事をして活躍している女性たちに焦点を当てながら、新しい競争の時代のリーダー像を紹介していく。
 

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