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加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

肌で感じた米大統領選挙
USAコールの熱狂から民主主義の神髄に触れた

加藤嘉一
【第8回】 2012年11月12日
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大統領選の朝

街の至る所に置かれた「VOTE」の看板 Photo by Yoshikazu Kato

 11月6日、火曜日、朝7時――。

 ウィンドブレーカーとランニングシューズを身にまとい、米ボストンの自宅玄関を出る。爽やかな秋晴れという表現がピッタリの天気だが、身は寒さで震えている。気温は5度くらいだろうか。

 投票所が閉まるのは20時だ。これから13時間にわたって繰り広げられる米大統領選挙の現場をこの眼に焼き付けておきたかった。

 知人から「投票する場所は街のそこら中にあるらしい」と聞いていたが、さっぱり分からない。

 「走りながら、探そう」

 自分なりの方法で、自分の足を使って情報を拾っていこうと思った。手袋を両手にはめて、ストップウォッチを押して、走り出す。

 方向感覚もないまま、ただひたすら走る。思えば、約10年間滞在した中国で、地方に視察に出かけた日々もそうだった。地図を持たず、ただ五感に身を委ね、自分にとっての迷宮のなかに入り込んでいく。道に迷うこと、帰って来られないかもしれないと恐れてはいけない。迷ったら、帰って来られなかったら、それはそれで、発見があるはずだからだ。

 目的地にたどり着くことだけが取材ではない。物事の結果を勝手に仮定することは、取材者にとっての天敵だと思う。先入観を捨て、こちらがまるで透明人間の如く無心になったとき、取材対象は心を開き始め、本音を語ってくれる。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

「だったら、お前がやれ!」

 この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。「自分はどう考えるのか」、そして「自分は具体的にどのような行動をとるのか――」。何かに意見するとき、加藤氏は必ず自らに問いかける。加藤氏の行動規範としているものだ。
日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示してきた本連載のシリーズ第2弾。2012年8月に加藤氏が拠点を中国北京から、米ハーバード大学ケネディースクールへ移し、新たなチャレンジをスタートさせる。2012年4月から8月までの第1弾とはひと味違う、加藤氏の言葉をお届けする。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る」

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