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普通の人たちを予言者に変える「予測市場」という新戦略
【第1回】 2013年1月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
佐藤哲也 [静岡大学情報学部准教授]

世界の先端企業がぞくぞく導入する
「予測市場」とは何か?

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最近、『普通の人たちを予言者に変える「予測市場」という新戦略』が刊行された。本書は、日本で初めて予測市場をメインテーマに据えた待望の一冊である。この本を紐解けば、予測市場の可能性やその使い方が豊富な事例とともに説明されているため、今後、予測市場に関心を持つ人も増えるだろう。
しかし、投資やギャンブルの経験がなければ、予測市場の仕組みは少しわかりにくい。実際の応用方法も多岐にわたるため、実務における取り組みはそれほど容易ではない。
そこでこの連載では、本書の解説を執筆した静岡大学情報学部准教授の佐藤哲也氏が、予測市場の実際についてわかりやすく解説する。佐藤氏は2007年から予測市場サイトshuugi.in等を開設しており、実際の予測市場の実装と運営についての経験が豊富である。
連載第1回目は、まずは予測市場の仕組みについて解説してもらう。
 

天気に保険をかける

 楽しみにしていた遠足の日に雨が降るという経験は誰しもあるだろう。天候に左右されるイベントでは、常に天気のことが気になるものだ。特に、宿泊予約をともなう旅行ともなると、悪天候だからといってキャンセルすることは難しくなる。

 旅行会社にとっては、そのような天候の心配は販売上のネックである。そこで、雨が降った場合に返金するという、旅行者思いの航空会社や旅行会社がある。2009年にルフトハンザ航空が実施したキャンペーンでは、雨が5ミリ以上観測された場合、1日につき20ユーロの「保険金」を支払ったという。

 また、ベストリザーブという宿泊サイトでは、雨が降ったら宿泊代金を100%キャッシュバックするという、「お天気保険付きプラン」を準備している。そのような返金制度があれば、雨が降っても残念な気持ちが少しは和らぐというものだ。それによって、多くの人が旅行に行きやすくなると考えるかもしれない。

 これは旅行者から見ると、旅行が雨で台無しになるリスクを回避する仕組みである。もちろん、お金ではどうにもならないケースもあるだろうが、ここでは、そのお金で別の遊びをして、晴れの日と同じ程度は楽しめるものと考えよう。

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佐藤哲也 [静岡大学情報学部准教授]

1972年生まれ。東京工業大学大学院修了後、シンクタンク勤務を経て、現在静岡大学情報学部准教授。専門は社会情報学、ネット選挙。研究を通じて、選挙や政治参加を活性化させるアプリケーションを開発。2007年参議院選挙より予測市場の運営に著手。現在はshuugi.inとkouna.ru(こうなる)という予測市場の実験サイトを運営。他選挙予測システム、ボートマッチシステムなども開発。


普通の人たちを予言者に変える「予測市場」という新戦略

大勢の人々の知識を集約し、経営判断や予測に用いる「予測市場」。『普通の人たちを予言者に変える「予測市場」という新戦略』は、その最新の新しい活用方法と今後の可能性を豊富な事例とともに説明する、マーケティングや戦略立案に関わるビジネスマン必読の一冊である。その「予測市場」の秘められた可能性について、本書の解説を担当した静岡大学准教授・佐藤哲也氏がわかりやすくお伝えする。

「普通の人たちを予言者に変える「予測市場」という新戦略」

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