会計士・税理士・社労士 経済3士業の豹変#18

中小企業の会計・税務はここ数年、freeeやマネーフォワードの出現によって一気にDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んだ。その中小企業をサポートする税理士の業務もしかり。しかし、税理士事務所内での業務の煩雑さと情報管理の難しさは残ったままだった。その解決を目指したのが「ZoooU」。特集『会計士・税理士・社労士 経済3士業の豹変』(全19回)の#18では、税理士が税理士のために作った「ZoooU」が描く、税理士事務所の未来像に迫った。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

残された税理士事務所の非効率性
ZoooUで事務所DX2.0がスタート

 クラウド型会計ソフトのfreeeやマネーフォワードが登場したのは2013年。その翌年にはインストール型会計ソフトの雄、弥生会計もクラウド対応を進め、中小企業の会計業務にクラウド化の波が押し寄せた。

 クラウド化は、中小企業をサポートする税理士にも波及。税理士が複数のクラウド型ソフトを使いこなすことが当たり前の時代になり、今では顧問先の要望や規模、業種を聞いて、弥生やfreee、マネフォなどの会計ソフトを“勧め分け”するようになっている。

 中小企業の会計業務は、そんな税理士のクラウド対応の進展も相まって、この10年で急速に効率化された。では、税理士事務所の業務はどうか。紙ベースの仕事からデジタル、オンラインへ移行した点では効率化されたのかもしれないが、むしろ煩雑化と複雑化の度合いは増していると言ってもいい状況だ。

 背景には、税理士事務所が長年抱える、根本的な経営課題がある。ただし、その根本の課題も、数年後には過去のものになるかもしれない。次ページで紹介するスタートアップと税理士が、税理士事務所の業務標準化と効率化を目的とした、クラウド型ツール「ZoooU」(ゾー)を開発。11月、満を持して税理士業界に投入しようとしているのだ。

 税理士事務所を経営する多くの税理士が日々悩む、人材不足や業務の煩雑さを解決し、身を粉にして仕事を引き受けても、一向に増えない税理士の年収をアップさせることを目指している。

 次ページで、税理士事務所が抱える経営課題を明らかにするとともに、ZoooUを使った税理士事務所の未来像を紹介しよう。