李在明氏のハンストの経緯を見ると、李在明氏は検察が韓国下着大手サンバンウルの北朝鮮への不正送金事件をめぐる事情聴取のため出頭を要求した翌日にハンストを始めており、逮捕状が請求された日に病院に運ばれた。

 李在明氏および民主党は、後述の通り、不逮捕特権の放棄を表明しており、李在明氏の逮捕同意案が可決される可能性があった。

 そのため李在明氏は、これまでの数々の不正行為にも逮捕されないようあらゆる手段を駆使してきた。そして最後の手段として選んだのが断食闘争である。李在明氏は逮捕状請求の国会同意案に民主党が団結して反対するよう、命を懸けて闘争してきた。

李在明氏に対する
2つの逮捕容疑

 今回の逮捕容疑は、大きく分けて2つある。

 一つは京畿(キョンギ)道城南市ペクヒョン洞のマンション開発業者に便宜供与を行い、城南市都市開発公社に200億ウォン(約22億円)の損害を与えた疑いである。検察は城南市がペクヒョン洞開発を進めた2014年4月から17年2月、当時市長だった李在明氏が城南市の鄭鎮相(チョン・ジンサン)政策秘書官と組み、用途変更した土地の事業に城南都市開発公社を参加させず、損害を生じさせた背任容疑である。

 二つ目は、サンバンウルに自身の訪朝費用などのため800万ドル(約11億8000万円)を北側に送金させ、肩代わりさせた疑いだ。京畿道知事の時の訪朝費用300万ドル(約4億4000万円)を集中的に追及したという。北朝鮮が核・ミサイル開発に使っていれば、李在明氏が行った行為は北朝鮮への利敵行為である。

部下に逮捕者や自殺者が出ても
自分だけは守る

 李在明氏の疑惑に関連して側近から多くの逮捕者が出ており、また、5人が自殺したが、李在明氏自身は一貫して関与を否定している。朝鮮日報も李在明氏が「関係していない」「知らない」と説明したことの多くは真実でないことが明らかになっていると報じている。

 李在明氏は北朝鮮への不正送金をサンバンウルグループに肩代わりさせた疑惑について9日に次いで12日にも取り調べを受けた。

 検察はサンバンウルグループが北朝鮮に不正送金した疑惑のうち、李在明氏が9日に提出した書面陳述書で、訪朝推進に関する質問には「私は知らないことであり、李華泳(イ・ファヨン)が全てしたこと」と回答し、部下に責任を押し付けた。