筆者個人の感想としては、ハイボールなら、ノンエイジははっきり「白州」の方がおいしいように思う。ただし、12年以上のもので比較すると、「山崎」の方が「白州」よりも明らかに出来が良いように思われる。早く偉くなって確認してみてほしい。

(3)味の覚え方
〜オフィシャルボトルの「縦飲み」から〜

 多くの方がご存じのように、ウィスキーは、幾つかの代表的な地域と蒸留所ごとのモルトの銘柄を覚えると、語ることができるようになる。

 このモルトを覚える有効で正しい手順として、蒸留所自身が自分でボトリングした「オフィシャルボトル」の熟成年数を上げていく「縦飲み」をお勧めしたい。

 蒸留所からボトリング業者が樽(たる)を買い付ける「ボトラーズ物」を飲むよりも圧倒的に数が多くて、品質が蒸留所の認める味にコントロールされていてバラツキが少なく、蒸留所ごとの個性をより正確に把握しやすい。

 蒸留所単位で具体的な銘柄を挙げると、「ラフロイグ」「ラガヴーリン」「スプリングバンク」「マッカラン」「グレンファークラス」は有力候補だ。

 オフィシャルボトルの縦飲みで蒸留所の個性を知っておくと、その後に銘柄単位の味を語る場合の判断基準や語彙(ごい)に自信が持てるようになる。

 この、オフィシャルボトルの縦飲みの方法は、赤坂にあった旧知のバーのバーマンに、「オフィシャルに帰れ!」の言葉と共に教えてもらったノウハウなので、この機会にぜひお伝えしておきたい。

 その後に、個性は豊かだが、品質にバラツキがある「ボトラーズ物」を評価し、表現するときに大いに役に立つはずだ。