(4)「ボトラーズ物」の
味の楽しみ方

 ボトラーズ物は、瓶詰め業者が蒸留所から樽を買い付けて、通常は数百本単位でボトリングしたものだ。同様な熟成年数の物は、オフィシャルボトルよりも価格が安い。オフィシャルボトルからの味のずれ方はさまざまのはずだ。

 味に関しては、「外れ!」の物もあるし、「当たり!」もあって、バラツキが大きい。もちろん「当たり!」を探すのだが、ウィスキーに重点を置いたバーでは常連たちが「今度の○○(ボトラー)の、△△(モルトの銘柄)、××(熟成年数)物は、出来が良いから早く飲んでおいた方がいいよ…」などと話題になるはずだ。彼らも価格は安い方がいいし、「新しいもの」は話題としてちょうどいいからだ。

「今度のケイデンヘッドで、スプリングバンクの15年物は、年数以上のシェリー樽感があって、なかなかいい感じではないでしょうかね」などと話が進むイメージだ。

 ぜひ会話に加わって、いい「お酒友達」を増やしてほしい。

(5)「ハイボール」は
「別物」でいいのではないか

 さて、ハイボールについて考えてみよう。

 ハイボールは、テイスティングに関して一家言あるバーマンや常連客も、テイスティングとは「別枠」の、「カクテル」のような飲み物だと考えてくれていると思っていいのではないだろうか。

 常温の水割りとは味がすっかり異なるし、何よりも現実のウィスキーマニアたちが、ハイボールを頻繁に注文しているからだ。